介護情報 2021年改定 ケアマネ担当件数緩和

このブログ「介護情報」では、介護に関する時事ニュース情報もお伝えしています。

今回は2021年改定のケアマネの担当件数緩和について紹介します。

今回の改定である一定条件が整った場合のケアマネの担当件数上限を緩和する改定です。

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目次

ケアマネの担当件数上限緩和の要件 

在宅サービスのプランを現在要介護者35名・委託の要支援者8名(1名0.5人相当)を最大にそのプランスを超すとケアプラン報酬が逓減するしくみです。

今回の改定でICTの活用や事務員の配置等ので要件で39名→44名までプラン数を増やすことができる様になりました。

ケアマネの逓減制「45件」

ケアマネの担当件数上限緩和の要件の具体的内容

 ICTってどんなもの?

ケアマネの担当件数上限緩和要件は、”ICTやAIの活用 or 事務職員の配置”ですがその具体的内容が解釈通知なで示されました。

ICTやAIの活用は、一連の業務の効率化、負担軽減につなげることが前提です。

以下の様な使用が条件となります。

○ 利用者の情報などを共有できるチャット機能も備えたアプリを組み込んだスマートフォンの使用。

○ 訪問記録をいつでも残せる機能(音声入力も可)も備えたソフトを組み込んだタブレット。

これに加えて、Q&A(Vol.3)では更に補足的な説明もなされています。

○ 利用者に関する情報の共有を即時、かつ、同時に可能とする機能や、関係者との日程調整の機能を備えているもの

○ ケアプランなどの情報をいつでも記録、閲覧できる機能を備えているもの。

などが対象になると示されました。

■ 事務職は法人内配置でOK

一方の事務職員の配置も、一連の業務の効率化、負担軽減につなげることが前提です。

厚労省は解釈通知に、「その勤務形態は常勤でなくても差し支えない」と追記されました。

あわせて、「事業所内の配置に限らず、同一法人内の配置も認められる」と明記されています。

ただし条件を設け、「常勤換算でケアマネジャー1人あたり、1ヵ月で24時間以上の勤務が必要」いう基準を示しています。

Q&A(Vol.3)では、”同一法人内”の考え方も詳しく解説。配置が認められるケースとして以下の2例を示し、「これらの具体例を踏まえ、個々の状況に応じて個別具体的に判断される」とした。

○ 法人内に総務部門の部署があり、そこに事務職員を配置している。

○ 併設の訪問介護事業所に事務職員を配置している。

■ どんな業務を効率化する?

厚労省はこのほかQ&A(Vol.3)で、ICTやAIの活用、事務職員の配置で効率化する”一連の業務”も例示しています。

直接的なケアマネジメント業務だけでなく、以下のような間接的な業務も対象になることをアナウンスしています。

○ 要介護認定調査に関する業務(書類の受領、打ち込み、複写、ファイリングなど)

○ ケアプラン作成に関する業務(関連書類の打ち込み、複写、ファイリングなど)

○ 給付管理に関する業務(関連書類の打ち込み、複写、ファイリングなど)

○ 利用者や家族との連絡調整に関する業務

○ 他の事業所との連絡調整、書類発送などの業務

○ 保険者との連絡調整、手続きに関する業務

○ 給与計算に関する業務

ケアマネマネジメントの質の低下が危惧

介護事業経営実態調査において一番収益化できないサービスである居宅介護支援にとって経営を好転させてことになる対策ですが専門家の意見は否定です。

淑徳大学・結城康博教授はケアマネジメントの質の低下を危惧されており、事業所経営の好転には基本報酬の引き上げで対応すべきという意見です。

 以下淑徳大学・結城康博教授の意見抜粋

心配なのはケアマネジメントの質の低下です。もちろん、多くの優秀なケアマネは44件まで持っても十分に職責を果たせるはずです。

そこは問題にならないでしょう。

一方で、かなりいい加減な仕事しかしないケアマネが少なからず存在することも、残念ながら事実だと言わざるを得ません。

全体の2割から3割が無能で7割から8割がまともだということです。

優秀なケアマネが少なからずいて、高齢者の尊厳を守るために地域の最前線で幅広い支援を精力的に展開していることも、改めて強調させて頂きたい。

引き続きの活躍を期待し、心から応援しております。

非常に懸念されるのは、低レベルなケアマネが44件まで無理に抱え込むことです。

これは是非やめて頂きたい。監査対策だけしっかりやって、他の仕事はほとんどいい加減な人にケアプランを作られる高齢者のことを考えると、心苦しい気持ちになります。

恐らく事務員の配置やICTの活用などで大丈夫、というお話をされるんだろうと思いますが、それで効率化が図れるのは一部のデスクワークだけです。

時間が作れたら肝心の相談援助、連携調整などに使ってもらうべきで、ケースを増やすのは悪手ではないでしょうか。

逓減制の緩和は、ケアマネジメントの質の維持・向上を図る観点から見送るべきでした。

仮に断行するとしても、既にケアマネ不足が顕在化している過疎地などに留めるべきだったと考えます。

全面的に認められたのは残念ですが、既に決まってしまったことなので仕方ありません。

無能なケアマネはどうか逓減制の緩和を使わないで頂きたい。

介護のニュースサイト JOINT https://www.joint-kaigo.com/articles/2021-02-03.html

在宅で介護サービスを利用する場合ケアマネの良し悪しは利用者の日常生活の過ごし方を大きく左右します。

失敗しないケアマネ選びでもケアマネの良し悪しの見分けかたなど紹介していますので参考にしてください。

逓減制の緩和算定状況(令和3年10月審査分)全体の1割以下

2021年4月からスタートした居宅介護支援の逓減制の緩和を算定している事業所の状況が2022年2月9日に公表された厚生労働省の最新の「介護給付費等実態統計」で分かりました。

昨年10月審査分の居宅介護支援費の算定件数は全国で284万7700件でした。

このうち、逓減制の緩和が適用される区分の居宅介護支援費(II)は27万5400件となっており、全体に占める割合は9.7%相当です。

ケアマネジメントの質の担保とのバランスを論点とみる関係者もいますが、今回の統計で、滑り出しは新ルールを使っていない事業所がまだまだ多いことが明らかになりました。

ま と め

コロナ禍で医療・介護の経営悪化が懸念され、マイナス報酬改定は見送られましたが、社会保障費の増大を考えれば、次回医療・介護同時改定の2024年のマイナス改定対策は必須です。

多くの市町でサービス事業所の定員数は供給過多の状況が既にあります。

利用者にとってサービス事業所や居宅サービスを自由に選択できる状況は喜ばしいことですが、人の配置や資格でサービスの質を担保している点が制度の課題です。

現在制度における能力の高い職員の評価は資格(介護福祉士)や勤続年数のみです。

そのわずかな報酬の違いのみは、どんな人であっても決められた時間配置していれば報酬が同じ制度設計に問題があります。

また、良いケアを行い介護度が軽くなれば、報酬が下がる矛盾が20年近く制度として続いている為、介護度が下がる取り組みを阻害していきました。

私が思うサービスの質が向上する改定は以下の通りです。

  • いいサービスを提供した結果の報酬割合を更に増やし、基礎報酬割合を下げる。
  • ケアマネジメントの質の担保を資格(主任ケアマネ、既得権益の温床)に頼らない評価システム
  • 更に柔軟な人員基準(基準遵守の為、能力や社会適応能力の低い人の採用や派遣)
  • ICTに対応できない事業所に指定権者(サービスの指定・監査等行う市・町の総称)は基準を合わさない。
  • 指定権者が管理しやすくする為の制度で求められていない要件(ローカルルール)を設けない。
  • 指定権者とサービス事業所が共同して地域サービスを支える姿勢(一部性悪説による指導・ローカルルールの試行)

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