介護職辞めたい理由の本音

このブログ「介護役立つ情報」では、事業所選びだけでなく介護の仕事に興味を持たれた方にも求人サイトが伝えない情報をお伝えしています。

目次

介護職の離職率(平成30年度/2018年度)

介護労働安定センターが毎年発表している「介護労働実態調査」によると、介護業界の離職率は15.4%。
(※調査期間は平成29年10月1日から平成30年9月30日)

全産業の平均離職率が14.9%(平成29年雇用動向調査結果)のため、平均よりも0.5ポイント上回っています。

他業種と比較して若干高めでありますが介護職員の離職率は減少傾向です。

平成24年度の18.3%が今までの調査の中でもピーク。働く環境は、徐々に改善されてきているようです。

そして離職率の高止まりは一部の法人・事業所の離職率が高く平均値を上げている感覚があります。

人が少ない→派遣社員又は入職者への教育が出来ない→早期退職という負の連鎖は否めない状況です。

職場の男女比率は女性が多く、結婚・妊娠・出産・育児での離職は一定数ありますが、安定した事業所は産前・産後・育児休暇後への復帰率は上がっています。

この介護役立つ情報で何度か仕事選びのコツでも紹介している通り、教育体制が充実している事業所を応募理由の上位にする必要はあります。

仕事を辞める5つの理由・原因

同じく、「介護労働実態調査」を見てみましょう。
(※調査期間は平成29年10月1日~31日)

データによると、介護職員の離職理由TOP5はこちら。

1位 職場の人間関係に問題があったため (20.0%)
2位 結婚・出産・妊娠・育児のため (18.3%)
3位 法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため (17.8%)
4位 他に良い仕事・職場があったため (16.3%)
5位 自分の将来の見込みが立たなかったため (15.6%)

少し前まで転職理由は賃金の安さとありましたが、国の処遇改善手当等を活用し改善されています。

辞めるか検討すべき介護系の職場の特徴とは?

辞めるかどうかじっくり悩むべきケースもあれば、今すぐ辞めることを検討すべき職場もあります。

そして後者の職場にはいくつか特徴があります。

違法医療行為を行っている

無資格者が行ってはいけないインスリン注射や摘便などの医療行為を介護職に強要するような職場は、辞めることを検討すべきです。

人の命に関わるため、知らなかったでは済まされません。

安易な身体拘束

身体拘束実施においては安易に行うべき行為でなく、国においても指針を出し、止む得ない下記の3要件がある場合に一時的に実施されます。

テクニック的に下記要件を整え安易に身体拘束を実施するのは、その事業所のトップの姿勢が見える場面です。

又はトップは身体拘束は行わない姿勢であったとしても現場スタッフが安易にトップに要請する場合もあります。

このような環境が続く職場環境であれば、もっと高い志でケアを行っている事業所への転職は選択肢になると思います。

○切迫性
利用者本人又は他の利用者等の生命、身体、権利が危険にさらされる可能性が著しく高いこと。
「切迫性」の判断を行う場合には、身体拘束を行うことにより本人の日常生活等に与える悪影響を勘案し、それでもなお身体拘束を行うことが必要となる程度まで利用者本人等の生命または身体が危険にさらされる可能性が高いことを、確認する必要がある。

○非代替性
身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替するサービスの方法がないこと。
「非代替性」の判断を行う場合には、いかなるときでも、まず身体拘束を行わずに支援する全ての方法の可能性を検討し、利用者本人等の生命または身体を保護するという観点から、他に代替手法が存在しないことを複数のスタッフで確認する必要がある。
また、拘束の方法自体も、本人の状態像等に応じて最も制限の少ない方法により行われなければならない。
○一時性
身体拘束その他の行動制限が一時的なものであること。
「一時性」の判断を行う場合には、本人の状態像等に応じて必要とされる最も短い拘束時間を想定する必要がある。

処遇改善加算が適切に行われていない

介護職員処遇改善加算とは、介護職員の給料が増える制度で、活用が進んでいる事業所の賃金がアップしています。

介護職員処遇改善加算はこの問題を解決するために導入された制度ですが、普及率は2015年時点で約65%とあまり高くありません。

処遇改善加算が適切に行われていない施設で働いてしまうと、年間で十数万円損してしまうかもしれません。

処遇改善手当の1番上位加算を算定するには、法人も働きやすい環境を整える必要があります。

以下が法人に求められる職場環境等の条件です。どの区分においても環境を整えている法人が一番上位の加算を算定することが出来ます。

言い換えれば働きやすい環境を整えた事業所ほど給与も高くなるということです。

サービス残業が多すぎる

タイムカードで退勤処理をした後も働くように指示される職場は、辞めるか検討すべきです。

そもそもサービス残業は違法行為です。

シフト勤務であればその時間に業務が終える体制を整えるのも事業所の責務です。

夜勤が宿直扱いになっている

実質、夜勤を行っているにもかかわらず「宿直」としてカウントされている職場は辞めることを検討すべきです。

夜勤と宿直の違いは業務を行うか行わないかです。

原則、宿直は待機で緊急時の対応や待機時間でもあるに関わらず業務を行う場合は賃金が発生します。

宿直の場合、深夜手当が出ない上に宿直明けを休日としてカウントされてしまいます。

夜勤であれば深夜手当が出て、夜勤明けは休日としてカウントされないため、経営者側としてはコストを下げて従業員を働かせるメリットがあります。

そのため、しばしば夜勤を宿直扱いにする施設があるようです。

夜勤が正しく夜勤としてカウントされているか一度確認することをおすすめします。

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働きやすい職場の特徴とは?

入居促進に向けた取り組み

  • 法人や事業所の経営理念やケア方針・人材育成方針、その実現のための施策・仕組みなどの明確化
  • 事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度構築
  • 他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等、経験者・有資格者等にこだわらない幅広い採用の仕組みの構築
  • 職業体験の受入れや地域行事への参加や主催等による職業魅力度向上の取組の実施

資質の向上やキャリアアップに向けた支援

  • 働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修受講支援
  • 専門性の高い介護技術を取得しようとする者に対する喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援等
  • 研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動
  • エルダー・メンター(仕事やメンタル面のサポート等をする担当者)制度等導入
  • 上位者・担当者等によるキャリア面談など、キャリアアップ等に関する定期的な相談の機会の確保

両立支援・多様な働き方の推進

  • 子育てや家族等の介護等と仕事の両立を目指す者のための休業制度等の充実、事業所内託児施設の整備
  • 職員の事情等の状況に応じた勤務シフトや短時間正規職員制度の導入、職員の希望に即した非正規職員から正規職員への転換の制度等の整備
  • 有給休暇が取得しやすい環境の整備
  • 業務や福利厚生制度、メンタルヘルス等の職員相談窓口の設置等相談体制の充実

腰痛を含む心身の健康管理

  • 介護職員の身体の負担軽減のための介護技術の修得支援、介護ロボットやリフト等の介護機器等導入及び研修等による腰痛対策の実施
  • 短時間勤務労働者等も受診可能な健康診断・ストレスチェックや、従業員のための休憩室の設置等健康管理対策の実施
  • 雇用管理改善のための管理者に対する研修等の実施
  • 事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成等の体制の整備

生産性向上のための業務改善の取組

  • タブレット端末やインカム等のICT活用や見守り機器等の介護ロボットやセンサー等の導入による業務量の縮減
  • 高齢者の活躍(居室やフロア等の掃除、食事の配膳・下膳などのほか、経理や労務、広報なども含めた介護業務以外の業務の提供)等による役割分担の明確化
  • 5S活動(業務管理の手法の1つ。整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字をとったもの)等の実践による職場環境の整備
  • 業務手順書の作成や、記録・報告様式の工夫等による情報共有や作業負担の軽減

やりがい・働きがいの醸成

  • ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善
  • 地域包括ケアの一員としてのモチベーション向上に資する、地域の児童・生徒や住民との交流の実施
  • 利用者本位のケア方針など介護保険や法人の理念等を定期的に学ぶ機会の提供
  • ケアの好事例や、利用者やその家族からの謝意等の情報を共有する機会の提供

一度、現在の職場が適切に処遇改善加算を行っているのか確認してみることをおすすめします。

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介護職を離職後について

介護職を辞めた後のキャリアに悩んでいる場合は、以下のステップを踏みましょう。

  1. 退職したい理由を明確にする
  2. 転職エージェントへの登録又は派遣会社登録
  3. 1が改善できる職場をエージェント又は派遣会社を紹介してもらう。

転職エージェントのデメリット

介護に関する転職エージェントは多数あります。

転職エージェントに登録すると、有効求人倍率の高い介護職では、複数の紹介先を紹介して貰える可能性があります。

但し現在の介護人材の不足が常態化する中、派遣及び紹介会社への紹介手数料が介護事業所の経営を圧迫している現状があります。

例えば、紹介会社の紹介手数料は年収の20%~35%が相場であります。その為、求職者にも以下のようなデメリットがあります。

  1. 紹介会社に手数料を定期的に支払える法人はある程度の規模が必要な為、選択肢が少なくなる。 
  2. 採用経費がかかる為、転職希望者(あなた)の採用条件が一般応募より厳しくなる。
  3. エージェントの離職率も高い紹介会社も多く親身に相談にのってくれる会社が少ない。

介護転職テージェントの選び方

まずは、たくさんある転職エージェントからどのエージェントを選べばいいかコツを紹介します。

複数の介護転職エージェントに安易に登録するとそのエリアの大手介護事業所に複数の紹介会社より同一人物(あなた)が紹介される可能性があり、印象も悪くお勧めしません。

まずは全国で紹介、登録者の多い転職エージェントか地元に密着したローカル転職エージェントをお勧めします。

大手は登録介護事業所が多いので選択肢が広がります。但しローカル転職エージェントより紹介料が高い為、あなた自身のスキルが高くなければ、面接でも落とされるケースも多くあります。

ローカル転職エージェントに紹介して貰う場合は面接に同行してくれるエージェントか事前に確認しておくことをお勧めします。

自らが聞きにくい内容を替わりに聞いてくれるメリットがあります。

また、小規模事業所であれば担当エージェントが固定されていますので、万が一就職がうまくいかず再転職の場合も親身に相談にのってくれる可能性があります。

コロナ禍における介護職の有効求人倍率について

有効求人倍率とは、求職者1人あたりに何件の求人があるかを示す指標です。


厚生労働省が出している「一般職業紹介状況(令和2年11月分)について」によると、介護サービス職の有効求人倍率は3.88倍となっています。

全職業の有効求人倍率が1.06倍のため、介護職の有効求人倍率は非常に高いことがわかります。

具体的には、1人に1社求人がある場合、有効求人倍率は1倍になります。(求人数100、求職者数100の状態が1倍)
そのため、介護職の有効求人倍率3.88倍は、1人の求職者に3~4社の求人がある状況です。

介護職の人員不足は2030年の高齢者数のピークに合わせて施設整備計画を各自治体が行っていて供給料の増大に雇用が追いついていない状況です。

女性の職種としては既に医療・介護分野がトップの状態ですが、今後の10年の高齢人口増大に向けて更に必要な状況です。

有効求人倍率が高ければ、求職者にとって就職や転職先の選択肢が多いので「売り手市場」と言われています。

つまり、求職者が就職や転職をしやすい状況にあるということです。

売り手市場の時期は、人材の獲得競争で他社に負けないために、業界未経験者でも高待遇で採用している企業が多いのが特徴です。

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和2年11月分)について」via https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000707922.pdf

介護の仕事の可能性

現在も続くコロナ禍においてエッセンシャルワーカーについて耳にする機会が多くなりました。

エッセンシャル(essential)とは「必要不可欠」とか「本質的なさま」といった意味をもっています。

このエッセンシャルという言葉に、「労働者」の意味をもつワーカー(worker)を組み合わせた言葉が「エッセンシャルワーカー(essential worker)」です。

生活必須職従事者とも呼ばれるエッセンシャルワーカーに勿論介護の仕事も入り、コロナ禍という異常事態時においても生活を支える為に「必要不可欠」な仕事です。

感染対策として人との接触機会を避けるよう要請があったとしても避けることのできないサービス職種でもあります。

昨年の初の緊急事態宣言下では、学校教育もストップし介護職員の家庭でも職場と家庭生活の両立に難しい時期もありましたが、優先的にサービスが再開された職種でもあります。

この介護役立つ情報ブログでは、介護の仕事の職種別の仕事内容や就業する上で有利な資格など紹介しています。

賃金等の処遇も徐々に改善されているので安定とやりがいを求める働き方としてはチャレンジするのみ魅力のある職種です。

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