このブログでは「介護役立情報」を紹介します。
今回は以前このブログ「生産性の向上 テクノロジー」や「介護サービス 排泄予測機器を保険適用で検討」で紹介した排泄予測機器が介護保険の特定福祉用具販売の対象種目に新しく追加されました。
介護の「特定福祉用具販売」で検討
厚生労働省は28日に介護保険最新情報Vol.1055を発出。全国の自治体に「事業所などへの周知を」と呼びかけています。
適用は令和4年4月1日からです。
公布された改正告示では、「膀胱内の状態を感知し、尿量を推定するものであって、排尿の機会を居宅要介護者等、またはその介護を行う者に通知するもの」と定義されている。
元々申請されたのは、で検討継続提案されたのは、トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社が開発した「DFree」などです。
今後は定義に沿って開発も進められ、排せつ介護の概念も変わる可能性があります。
介護のニュースサイトJOINTOのインタビューで、トリプル・ダブリュー・ジャパン中西敦士代表取締役はDFreeの説明と介護保険が変化するかの可能性、開発から足掛け5年保険適応までの厳しい状況を語っています。
以下は一部抜粋です。
−− 排泄予測支援機器「DFree」はどんなソリューションですか?
利用者の排尿について、「そろそろ」「出たかも」などと専用アプリへ通知する機器です。
おへその下、恥骨の上部に専用シートとともに貼り付け、超音波で膀胱の尿のたまり具合を計測する仕組みになっています。
軽量、コンパクトで単3電池1個分の重さしかありません。排尿の傾向などを簡単に把握できるよう、尿のたまり具合などをリアルタイムで表示・記録する機能も備えています。
JOINTOのインタビュー
−− 介護現場にどのような影響を与えますか?
利用者の排泄の自立を支える力になれると考えています。
我々は一貫して、トイレへ自力で行きたい皆さんの思いに寄り添ってきました。
「できるだけオムツになりたくない」。
そうしたご本人の希望に応えられるよう、「DFree」の各種機能に磨きをかけてきました。
もちろん介護者、介護職員の負担軽減にも大きく貢献できます。
排泄の適切なタイミングが分かりますので、トイレへの誘導やおむつ・パッドの交換などは大幅な効率化が図れるでしょう。
JOINTOのインタビュー
今回の保険適応はインタビューで開発社長が述べているように、介護現場には大きなインパクトがあると思います。
特に施設系で実費で用意して頂くには、費用面の壁がありましたが、今後は訴求しやすくなると思われます。
おむつ・パットが事業者負担の施設系サービス・ショートステイにおいては、活用によっては、大きく経費を削減できる可能性もあります。
「DFree」を最初に販売したのは2017年4月だったんです。
翌年、介護保険の適用を認めて頂くための申請を初めて行ったのですが、国の検討会からは「時期尚早」と突き返されました。
その後しばらくは無風の状態に。弊社のようなスタートアップにとって、凪で船を漕ぐのは非常に大変なことです。
お金と人がついて来ず、開発の継続が極めて難しくなってしまいました。
それでもコツコツコツコツ。
とにかく折れない心を持って地道に取り組んできました。
各関係者の考えを聞き、足りないところを改善して、それを何度も繰り返して…。
厳しい状況が続きましたが、とにかく良いプロダクトを作ることを何より意識してきたつもりです。
足掛け5年。長いですよね。やっぱり諦めたらそこで終わってしまいますから。なんとか折れずに、投げ出さずに頑張ってきた成果だと思っています。
JOINTOのインタビュー
まとめ
加齢による基礎疾患等で起こる尿漏れや頻尿などのほとんどは重大な病気ではありませんが、本人にとっては、羞恥心にさいなまれ、自己嫌悪に陥り、自律性の喪失にもつながっていきます。
こうした状況にある高齢者は、やがて、閉じこもりがちになり、自立への意欲を失ってしまうこともあります。
「排泄障害とはトイレが使えない障害」とも言えます。
トイレが使えなくなる原因は多くトイレ動作の問題もあります。
運動機能の障害によって、トイレに移動できない、便座に移乗できない、パンツの上げ下ろしができないことが原因で、おむつに排泄せざるを得ない状況に追い込まれてしまった高齢者もたくさんいます。
今回のDFreeのような商品は介護者が事前の尿量を確認できることで簡単な介護でトイレで排泄ができれば、自己嫌悪に陥りることを防ぐことも出来ます。
介護職員のアプローチも変わっていく可能性もひめています。
コメント
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[…] 今回は以前このブログ「生産性の向上 テクノロジー」や「介護サービス 排泄予測機器を保険適用で検討」で紹介した排泄予測機器の介護保険の特定福祉用具販売の対象における留意事項について紹介します。 […]