介護 新保険適用「排泄予防機器」使用における留意事項

このブログでは「介護役立情報」を紹介しています。

今回は以前このブログ「生産性の向上 テクノロジー」や「介護サービス 排泄予測機器を保険適用で検討」で紹介した排泄予測機器の介護保険の特定福祉用具販売の対象における留意事項について紹介します。

排泄予測支援機器」について、取り扱いの留意事項

厚生労働省は令和4年3月31日、新年度から介護保険の特定福祉用具販売の対象種目に加えた「排泄予測支援機器」について、取り扱いの「留意事項」などを深堀りするQ&Aを介護保険最新情報のVol.1059で周知していています。

1.給付対象について

運動動作の低下、排尿のタイミングが不明、または伝えることができない等により、トイレでの自立した排尿が困難となっている居宅要介護者等であって、排尿の機会の予測が可能となることで、失禁を回避し、トイレで排尿をすることが見込める者。

V ol .1059令和4年3月31日 別添参照

2.利用が想定しにくい状態について

排泄予測支援機器は、トイレでの自立した排尿を支援するものであることから、「要介護認定等基準時間の推計の方法」(平成12年3月24日厚生省告示第91号)別表第一の調査票のうち、調査項目2-5排尿の直近の結果が「1.介助されていない」、「4.全介助」の者については、利用が想定しにくい。

V ol .1059令和4年3月31日 別添参照

Q3 留意事項通知の2では、調査項目2-5排尿の直近の結果が「1.介助されていない」の者については、利用が想定しにくいとしているが、おむつ等を使用していても、自分で準備から後始末まで行っている者が、トイレでの自立した排尿を目的として使用する場合は如何。

留意事項通知の2で規定している者については、一般的に使用が想定しにくい者を記しているが、十分に検討の上、適切に使用することにより、トイレでの自立した排泄が期待できる場合は対象として差し支えない。

V ol .1059令和4年3月31日 Q&A参照

Q5 常時失禁の状態の者でおむつの交換時期等を把握するため、排泄予測支援機器を給付することは可能か。

排泄予測支援機器はトイレでの自立に向けた排泄を促すことを目的として給付対象としているので、このような使用を目的として給付することは適切ではない。

V ol .1059令和4年3月31日 Q&A参照

Q7 要支援者、要介護4・5の者でも給付対象とすることは可能か。

留意事項通知等で示す状態に該当し、排泄予測支援機器を使用することによって自立した排尿が期待できる場合に給付対象とすることは可能である。

V ol .1059令和4年3月31日 Q&A参照

以下が認定調査における排尿に関する評価です。

(1) 調査項目の定義

「排尿」の介助が行われているかどうかを評価する項目である。

ここでいう「排尿」とは、「排尿動作(ズボン・パンツの上げ下げ、トイレ、尿器への排尿)」「陰部の清拭」「トイレの水洗」「トイレやポータブルトイレ、尿器等の排尿後の掃除」「オムツ、リハビリパンツ、尿とりパッドの交換」「抜去したカテーテルの後始末」の一連の行為のことである。

(2) 選択肢の選択基準

「1.介助されていない」

・「排尿」の介助が行われていない場合をいう。

「2.見守り等」

・「排尿」の介助は行われていないが、「見守り等」が行われている場合をいう。

・ここでいう「見守り等」とは、常時の付き添いの必要がある「見守り」「確認」「指示」「声かけ」や、認知症高齢者等をトイレ等へ誘導するために必要な「確認」「指示」「声かけ」等のことである。

「3.一部介助」

・「排尿」の一連の行為に部分的に介助が行われている場合をいう。

「4.全介助」

・調査対象者の「排尿」の介助の全てが行われている場合をいう。

(3) 調査上の留意点及び特記事項の記載例

尿意の有無は問わない。

トイレやポータブルトイレ、尿器等の排尿後の掃除は含まれるが、トイレの日常的な掃除は含まない。

また使用したポータブルトイレの後始末を一括して行う場合は、排尿の直後であるかどうかや、その回数に関わらず「排尿後の後始末」として評価する。

トイレまでの移動に関する介助は、他の移動行為とともに「2-2 移動」で評価するが、トイレ等へ誘導するための「確認」「指示」「声かけ」は、「2.見守り等」として評価する。

トイレやポータブルトイレへの移乗に関する介助は、他の移乗行為とともに「2-1 移乗」で評価する。

失禁した場合の衣服の更衣に関する介助は、他の着脱行為ともに「2-10 上衣の着脱」「2-11ズボン等の着脱」で評価する。

◆特記事項の例◆

介助なく行っているが、床に尿が飛び散る量が多く、家族は気づいたときに1日1回程度トイレの床を拭いていることから「3.一部介助」を選択する。

◆特記事項の例◆

排尿行為に介助は行われていないが、認知症のため、トイレに行くタイミングがわからない。定期的に声かけを行っていることから、「2.見守り等」を選択する。

① 朝昼夜等の時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合

一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。

その場合、その日頃の状況等について、具体的な内容を「特記事項」に記載する。

② 福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合

福祉用具(補装具や介護用品等)や器具類を使用している場合は、使用している状況で選択する。

おむつや尿カテーテル等を使用していても、自分で準備から後始末まで行っている場合は、

「1.介助されていない」を選択する。

◆特記事項の例◆

尿カテーテルを使用しているが、自分で準備から後始末まで行っているため、「1.介助されていない」を選択する。ただし、月に数日、体調が悪いときなどは、介護者である妻が後始末を行っている。

③ 調査対象の行為自体が発生しない場合

人工透析を行っている等で、排尿が全くない場合は、介助自体が発生していないため、「1.介助されていない」を選択する。

◆特記事項の例◆

人工透析を行っており、排尿が全くないため、「1.介助されていない」を選択する。

④ 「実際の介助の方法」が不適切な場合

「介助されていない」状態や「実際に行われている介助」が、対象者にとって「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、介護認定審査会の判断を仰ぐことができる。

なお、認定調査員が、「実際に行われている介助が不適切」と考える場合には、

・独居や日中独居等による介護者不在のために適切な介助が提供されていない場合

・介護放棄、介護抵抗のために適切な介助が提供されていない場合

・介護者の心身の状態から介助が提供できない場合

・介護者による介助が、むしろ本人の自立を阻害しているような場合

など、対象者が不適切な状況に置かれていると認定調査員が判断する様々な状況が想定される。

◆特記事項の例◆

独居。下着への尿失禁がある。本人は自分でトイレにいけると言うが、尿臭が強状況にあると判断し、適切な介助の方法を選択する。見守り等」を選択する。

(4) 異なった選択が生じやすい点

人工透析で、排尿が全くない。

・誤った選択「4.全介助」

・正しい選択と留意点 「1.介助されていない」を選択する。排尿自体が全くない場ていないため、「する。合は、介助自体が発生し1.介助されていない」を選択

認定調査 2-5 排尿(介助の方法)参照

上記のことから身体面のみのアプローチで排泄介助の選択基準が決められているのわけではありません。

排泄予測支援機器等の使用のアプローチで排尿の機会の予測が可能となることで、失禁を回避し、トイレで排尿をすることが見込める者となっています。

居宅要介護者等であってと位置づけされている点から、グループホーム等の入居者が該当する場合の保険適用については、確認が必要となります。

3.医学的な所見の確認について

排泄予測支援機器の販売に当たっては、特定福祉用具販売事業者は以下のいずれかの方法により、居宅要介護者等の膀胱機能を確認すること。

(1)介護認定審査における主治医の意見書

(2)サービス担当者会議等における医師の所見

(3)介護支援専門員等が聴取した居宅サービス計画等に記載する医師の所見

(4)個別に取得した医師の診断書 等

V ol .1059令和4年3月31日 別添参照

Q4 留意事項通知の3では、販売に当たり、膀胱機能等を医師の所見等で確認することとしているが、販売を検討する以前の段階で既に確認しているような場合、改めての確認が必要か。

居宅要介護者等の膀胱機能について、留意事項通知3の(1)から(4)のいずれかの方法により既に確認をしたことがある場合であって、当該時点から居宅要介護者等の状態も概ね変化等がないと考えられる場合は、改めての確認は不要である。

V ol .1059令和4年3月31日 Q&A参照

4.特定福祉用具販売事業者が事前に確認すべき事項

排泄予測支援機器の利用によって自立した排尿を目指すため、特定福祉用具販売事業者は以下の点について、利用を希望する者に対して事前に確認の上、販売すること。

(1)利用の目的を理解して、トイレでの自立した排尿を目指す意志があるか。

(2)装着することが可能か。

(3)居宅要介護者やその介助者等が通知を理解でき、トイレまでの移動や誘導が可能か。

なお、居宅要介護者等の状態により、通知から排尿に至る時間(排尿を促すタイミング)は異なることから、販売の前に一定期間の試用を推奨し、積極的な助言に努めるとともに、継続した利用が困難な場合は試用の中止を助言すること。

また、介助者も高齢等で利用に当たり継続した支援が必要と考えられる場合は、販売後も必要に応じて訪問等の上、利用状況等の確認や利用方法の指導等に努めること。

V ol .1059令和4年3月31日 別添参照

Q8 特定福祉用具販売事業所(福祉用具専門相談員)が留意事項通知の4で規定されている販売に当たり確認すべき事項について、どのような点に注意することが考えられるか。

留意事項通知4の販売に当たり確認すべき事項(1)~(3)については、以下の点について注意されたい (1)排泄予測支援機器はトイレでの自立した排泄を促すことを目的としており、失禁をなくすものではないことを理解していること。

(2)製品によっては体型や体質により装着が困難な者もいるとされていることから、製品の特徴等を十分に説明した上で、装着後の状況等を聴取すること。

(3)通知を受信するスマートフォン等の使用に慣れており、通知を確認・理解することができるか、また、使用前の介助状況を確認し、居宅要介護者等が主に過ごしている居室等からトイレまでの介助方法や時間等を確認すること。

また、必ずしも販売にあたり試用は要件ではないが、(2)と(3)を確認するためには一定期間の試用が望ましいこと、(1)についても試用を通じて理解が促進されることから、退所前の施設等で使用していた等の特別な事情がない限り、試用を推奨し、積極的な助言に努めるとともに、継続した利用が困難な場合は試用の中止を助言すること。

V ol .1059令和4年3月31日 Q&A参照

「要件ではないが一定期間の試用が望ましい」とわざわざ明記されている点からも、不必要な利用者への販売やスマートフォンのデバイス使用に慣れていないことなども想定されています。

施設等での事前使用実績がなければ試用期間そ推奨している点など現行の使用実績を踏まえた給付対象者選定となっています。

「退所前の施設で使っていたなど特別な事情がない限り試用を推奨し、積極的な助言に努めるとともに、継続した利用が困難な場合は中止を助言すること」と改めて要請した。

5.市町村への給付申請

利用者は、3に掲げるいずれかの書面を介護保険法施行規則(平成11年3月31日厚生省令第36号)第71条第1項及び第90条第1項に掲げる申請書に添付しなければならない。

また、市町村は、者利用者の状態や介助体制、試用状況を確認する必要がある場合、、特定福祉用具販売事業者、介護支援専門員、主治医等に対して事実関係のすること。

V ol .1059令和4年3月31日 別添参照

Q9市町村で福祉用具購入費の申請を受けた際の審査において、給付対象の状態であることをどのように把握したらよいのか。

留意事項通知5の記載のとおり、以下の書類等を利用者は市町村に提出することとしている。

・必要事項(※)が記載された申請書

・領収証及び当該特定福祉用具のパンフレットその他の当該特定福祉用具の概要を記載した書面

・医学的な所見が分かる書類

(※)特定福祉用具の種目、商品名、製造事業者名及び販売事業者名、購入に要した費用及び当該購入を行った年月日、必要である理由。

なお、必要な理由については、居宅サービス計画又は特定福祉用具販売計画の記載で確認できる場合は不要である。

また、試用状況等の確認に際して、特定福祉用具販売事業所等が整理した別添の確認5 調書のような書類について、市町村は必要に応じて利用者に対して提出等を求めていただきたい。

なお、申請書や特定福祉用具販売計画等に確認調書と同様のことを記載することについても考えられる。

V ol .1059令和4年3月31日 Q&A参照

利用者が市町村へ提出すべき書類についても細かく言及しています。

申請書や領収書、製品パンフレットなどに加え、必要に応じて試用の状況を確認できる書類も出してもらうよう促し、その様式も公表しています。

6.介護支援専門員等との連携

利用者が指定居宅介護支援又は指定介護予防支援を受けている場合、福祉用具専門相談員はサービス担当者会議等において排泄予測支援機器の利用について説明するとととおに、介護支援専門員に加え、他の介護保険サービス事業者等にも特定福祉用具販売計画を提供する等、支援者間の積極的な連携を図ることにより情報収集に努めること。

V ol .1059令和4年3月31日 別添参照

まとめ

給付対象者は、

  • 運動動作の低下
  • 排尿のタイミングが不明
  • 伝えることができない等により、トイレでの自立した排尿が困難となっている居宅要介護者等
  • 排尿の機会の予測が可能となることで、失禁を回避し、トイレで排尿をすることが見込める者。とあります。

認知症高齢者などトイレでの排尿が可能になる機会は多く想定されています。

加齢による基礎疾患等で起こる尿漏れや頻尿などのほとんどは重大な病気ではありませんが、本人にとっては、羞恥心にさいなまれ、自己嫌悪に陥り、自律性の喪失にもつながっていきます。

こうした状況にある高齢者は、やがて、閉じこもりがちになり、自立への意欲を失ってしまうこともあります。

このような状況がテクノロジーで解決できる事は素晴らしことだと感じます。

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