家飲みでは、お店で飲んだ日本酒や酒蔵や酒店で買った全国の美味しい地酒を厳選して紹介します。
酔心 鳳凰酔心「究極の大吟醸」醉心 山根本店
本日紹介する、酔心 鳳凰酔心「究極の大吟醸」は久しぶりのお酒の席でホストが贈答品を振る舞ってくれました。
初めて飲みましたが、とても飲みやすく酒造も酒銘柄も知らなかったのでネットで調べてみました。
酔心山根本店の創業は万延元年(1860年)。
名前の由来は、約20の銘柄を所有していた明治の中期まで遡る。
これらの銘柄を一つにまとめようと考えた時の当主が、「酔心(よいごころ)」と命名。
以来、3号酵母の発見や知名度の向上などもあって「すいしん」とよばれるようになりました。戦前から全国に知名度の高い蔵として知られており、大正時代には全国酒類品評会において3回連続して1位を獲得しています。
現在では、日本のみならず海外へも販売活動を広げ、アメリカやヨーロッパ、東南アジアなどにも輸出を行なう清酒ブランドとして地位を確立しています。
酔心の特徴は、製造する4割がいわゆる特級、6割が一級酒という上級酒で構成。
そのきめの細かいまろやかな味とスッキリした香りで世の愛飲家を魅了してます。
また、昨今では酒造りの根本とも言える水に着目。
加茂郡福富町の鷹ノ巣山から汲み上げた軟水を使い、「酔心ぶなのしずく」という新ブランドを創出。
年間10万本を越すヒット商品となり、酔心の新たな歴史の1ページを作った。
長い伝統に奢らず、常に新しいものに挑戦する同蔵の精神を感じるエピソードです。
横山大観先生が、「醉心のお酒は一つの芸術だ」と言ってくださいました。
この芸術を極めた一つの集大成が『究極の大吟醸』であります。
「醉心のお酒は一つの芸術だ」・・・・・・・・・この言葉に踊らされ、いつしか売る酒以外に腕を磨く為のみの酒を造る習慣ができました。
〜『軟水仕込み』の特徴が最大限味わえる究極のお酒です〜
『軟水仕込み発祥の地』といわれる広島県は『吟醸酒発祥の地』でもあります。
なかでも、硬度14(アメリカ硬度)という究極の『超軟水の名水』で醸し上げたこのお酒は、軟水仕込みの特徴である口あたりやさしくふくよかでキメの細かい味わいを十分堪能できます。
広島 SAKE 倶楽部 抜粋
横山大観と酔心の関係
日本画の巨匠として知られる横山大観と酔心は昔から関係が深いことで知られています。
大観は大変な酒好きで、特に「酔心」を愛飲していました。
人生の後半はほとんど米の飯を口にせず(たまに食べるときも朝に茶碗一杯程度でした)、一日の食事をこの酒と肴(少量の野菜)で済ませていたそうです。
酔心と大観の関係が深かったことがわかるエピソードがあります。
昭和初期に店に連日酒を買いに来る女性は誰かと店員が尋ねたところ、大観の夫人でした。
その話に興味を持った酔心の三代目社長である山根薫が大観の自宅に訪れて話したところ、意気投合し一生の飲み分を約束した山根が無償で大観のもとに送りました。
その見返りとして大観は毎年一枚ずつ自ら描いた作品を寄贈し、それが集まって「大観記念館」ができあがったほどです。
しかし、山根は年に四斗樽で何本も注文が来るので大変驚いたそうです。
しかし、大観は最初から酒が好きだったわけではなく、若いころはお猪口2、3杯で顔が真っ赤になってしまうほどの下戸でした。
彼の師匠であった岡倉天心は1日に2升ほども酒を飲む酒豪だったため、「酒の一升ぐらい飲めなくてどうするんだ」と大観を叱責しました。
そこで大観は飲んでは吐いてを繰り返し、訓練した結果酒好きとなったのです。
大観と酔心の約束は彼が生涯を閉じた1958年(昭和33年)まで続きました。
第二次世界大戦のさなかにあっても大観は「酔心は主食である」という彼の主張通り何とか東京まで酒を送ってほしいと山根に直筆の手紙まで送っています。
この運送を当時の大臣であった五島慶太に計ってもらうよう依頼したこともありました。
晩年の大観は薬や水さえも受け付けなくなるほどの重体ではあったものの相変わらず醉心のお酒だけは喉を通すことがでました。
それがきっかけで翌日からは果物の汁やお吸い物などが飲めるようになり、一週間後にはお粥を食べられるほどまでに回復したという逸話があります。
the DANN media 抜粋
お祝いの席でしたが、何といいお酒を振る舞ってくれたことでしょう。
日本酒をたしなむようになって数年なので、日本酒にまつわるエピソードを知ることや日本には風土にあった酒蔵の酒造りにも興味があります。
広島の日本酒の特徴 軟水醸造法
広島の酒を特徴づける醸造法が、三浦仙三郎(1847~1908年)によって生み出された「軟水醸造法」だそうです。
軟水の水で日本酒造りは難しかったようですが独自の開発で特徴のあるお酒造りになっていったようです。
以下は広島食道のコラム『広島の日本酒を特徴づける軟水から酒を作る「軟水醸造法」』の抜粋です。
酒づくりに適した灘の宮水に対し、“難あり”だった広島の軟水
江戸時代後期(1840年頃)に発見され、酒造用の名水として全国に知られる灘の宮水(みやみず)。
宮水は、兵庫県南東部にある六甲山系を水源とする伏流水を指します。
本来、「西宮の水」のことでしたが、それが縮まって宮水と呼ばれるようになりました。
強い水の代表格が宮水で、その硬度は6前後。酵母の増殖、発酵に有効なカリウムやリンが多いため、醪の発酵を促進します。
それにより、腐造(造りの失敗)しにくいので安心な酒づくりができます。
強い水でつくる日本酒は、ピンのある引き締まった味が特長です。
辛口で男性的な酒質形成の灘の酒が「男酒」と呼ばれる所以です。
一方、広島の水は、大部分の酒蔵の井戸水が軟水。いわゆる弱い水です。
江戸時代から酒蔵がある三原、竹原,西条などの地域はやや「強い水」で、発酵が促進されお酒がつくりやすい硬度のやや高い中等度の軟水でしたが、広島の多くの地域ではほとんどが硬度3以下の軟水でした。
かつて、軟水では酵母に勢いがつかず働きが悪いことから、お酒はつくれても発酵が不十分で品質が良くなかったり、腐造などのトラブルが多く、安定した醸造ができなかったりして、酒づくりが難しいとされていました。
軟水のハンデを克服するために開発された軟水醸造法
先述の軟水の弱点を逆手に取り、広島のお酒の個性として、灘とは違う酒をつくり上げたのが三津村(現在の東広島市安芸津町三津)の酒造家、三浦仙三郎です。
仙三郎は明治9(1876)年に酒造業を始めたものの腐造や火落ち(蔵で貯蔵中の酒が急激に腐敗すること)が続き、落胆しながらも原因を追究しました。
酒蔵を新築したり、灘の酒造家を訪ねて自ら蔵人となって酒造法を学んだり、自分のやり方に従う杜氏を雇い直したり、とあらゆる手を尽くします。
やがて、灘と広島の水の違いに気づき、水質が違うのに灘の醸造法に倣い酒づくりをしていたことが、失敗の原因であることにたどり着きます。
酒づくりに硬水が適しているのは、ミネラル分が酵母の栄養となり、酵母の発酵が活発になるからです。切れ味の良い辛口の酒が出来上がります。
しかし、硬水や中硬度水は、発酵が早く終わってしまい、淡麗さやすっきり感、香りが出せません。
一方、軟水は硬水に比べて発酵が進みにくいですが、それを逆手にとると、長期発酵に持ち込むことができます。
何もしなくても発酵が活発な硬水の仕込みには、酵母も若いものを使いますが、軟水で仕込む場合は発酵の前段階で十分な準備が必要です。
また、軟水醸造法では、まず麹をしっかり育てます。麹をしっかり育て、米の内部にまで十分に麹がいきわたるようにすることで米の糖化が進み、次のステップである発酵が活発になるからです。
しっかりつくった麹により、香りが高く濃醇な味わいのお酒が出来上がります。
そうして軟水でつくるお酒は、まろやかで繊細な味です。
灘の男酒に対し、広島は女酒と言われるのはそのためです。
ふくよかでキメの細かい広島の酒はこうして誕生したのです。
しかし、現在は水質に関係なく、技術で男酒、女酒をつくり分けることができるようになっています。
鳳凰酔心「究極の大吟醸」
横山大観も愛した酒・醉心の、究極の名が付く大吟醸。
兵庫県三田市産の《山田錦》を30%まで磨きあげ、「超軟水の名水」を用い、吟醸酒発祥の地の誇りを受け継ぐ広島伝承の技で醸しました。
上品で華やかな香りと、舌に優しく広がる甘味を備えた芸術品とも言える味わい。
大切な方への贈り物にふさわしい逸品です。
「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2018」大吟醸部門 最高金賞受賞。
日本名門酒会 抜粋
究極の大吟醸という銘のとおり、グラスに注いだ瞬間に上立ち香が鼻いっぱいに心地よく広がりました。
あまり多く広島の日本酒を飲んだ経験がはありませんが、「亀齢辛口純米 広島八反」など辛さが際立つ印象でしたが、このp酒は優しくキレていくような感じでした。
どんな料理にも合う気が白身魚のにぎりと一緒に頂きました。後半少しアルコール感が感じられ、ほろ酔い気分でした。
名称 | 鳳凰醉心 『究極の醉心』大吟醸 |
商品説明 | 酒米では最高峰といわれる「山田錦」を30%まで磨き上げて、 軟水の中でも『超軟水』(硬度14)の領域となる天然水を使用し、 全国に先駆けて吟醸造りを開発した広島伝承の技で醸し上げた正に『究極』といえる大吟醸です。 |
容量 | 720ml |
原材料 | 山田錦 |
精米付合 | 30% |
アルコール度 | 17度 |
お召し上がり方 | 冷酒 |
時代が流れインターネットで多くの情報を手に入れれる様になった現在は折角お酒を飲んで楽しい時間を過ごすのであれば、作りての物語も一緒に味わう様になりました。
醉心山根本店 | 住所 広島県三原市東町1-5-58 |
酒 銘 | 酔心 鳳凰醉心 |
ホームページ | http://www.suishinsake.co.jp/suishinyamanehonten |
創業年 | 万延元年(1860年) |
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