紹介本 『SDGsの大嘘』

SDGsの大嘘 /池田 清彦

この お勧め本紹介を通じて本を読むことの楽しさや色々な価値観を知り、成長に繋がることを紹介したいと思っています。

今回紹介する本はこのブログで紹介しているSDGsについて17の目標が達成出来たら明るい未来が待っているというお題目を1つ1つ検証してみると、矛盾している点などを紹介しています。

「地獄への道は善意で敷き詰められている」という、ヨーロッパの諺(ことわざ)を引用し、最初は善意から始まった社会運動や、誰もが反対できないような理想的なスローガンを掲げた政策が、のちに多くの人々の生活を苦しめる悲劇的な結末を生むときに用いられるようです。

全ての目標について述べているわけではありませんが、国連からの情報だけを鵜呑みにせず自らが情報を取り、違う側面も知り自ら判断する必要があります。

人々の「いいことをしたい」という善意につけ込んで騙しているという批判で綴られた内容ですが、違う側面からSDGsを考える事も必要だと思うので者者の意見もそのままの表現で一部紹介します。

誰も反対できない17のお題目

どの目標も、言われれみれば「そのとおり」という素晴らしい美辞麗句ばかりで異論を挟む余地はないものばかりですが、反対できないという目標だからといって「正しい」とは限らないという論点で書かれています。

エネルギー、水、食料に関する目標は全て胡散臭い

「エネルギーをみんなに」

「エネルギーをみんなに」というお題目は素晴らしいがそれを「クリーン」にするというSDGsの文脈で化石燃料を減らすということで、化石エネルギーの価格はどんどん値上がりしています。

そうなることで開発途上国の人たちや貧しい人たちがエネルギーを買えないわけで「貧困をなくそう」という目標と矛盾するという主張です。

「海の豊かさを守ろう」というのも現実的でなく、現実世界の漁獲高はすさまじい勢いで増大していて水産資源がとれなくなる恐れがあっても規制し漁獲量を減らせば「飢餓をゼロ」とか「貧困をなくそう」という目標が達成できない。

地球の持続可能性を考える上でSDGsの中に「人口を減らそう」と言う目標の欠落していて、原生林や原野といった自然生態系が消滅し野生動物の生物多様性が激減する未来は『生物はなぜ死ぬのか』や「サピエンス全史」でも紹介しました。

世界規模で出生率を下げなければ、科学的視点で今の地球と人類の状況を見れば、エネルギーや食料、水などのリソースをいかに分配するかは困難になるという主張です。

主な再生エネルギーは太陽の活動によって支配されていて、太陽エネルギーの奪い合いが発生しているという見解です。

つまり化石エネルギーを使用しないのであれば太陽に依存しない核融合のようなエネルギー技術が開発されなけらばエネルギー量には上限があるという事です。

79億人の貧困や飢餓を解消するにはエネルギーと同様「炭水化物の奪い合い」起こり、これも上限があるので、「海の豊かさを守ろう」や「陸の豊かさを守ろう」という目標はトレード・オフ「両立できない関係性」と述べています。

SDGsは地球のためでなくEUのため?

SDGsの目標を本気で実現しようとすると環境問題はさらに深刻化し、生物多様性も保持できなくなるという考えでSDGsは現在の世界秩序を維持し、西側諸国が最終的に得をする構想になっていないかという問題提起です。

エネルギー・環境関連で主導権を握りたいため「脱炭素」という自分たちに有利なルールをEUが世界に広めようとSDGsという枠組みを利用しようと国連に働きかけたのは自分達が生き残るためと著者は考えます。

「資源を持たざる国(EU)」が「資源を大量に持っている国」に対抗するために「ゲームのルールを自分達に有利なものに変えた」という考え方です。

SDGsの前進のMDGsのように「貧困をなくそう」「飢餓をなくそう」など開発途上国の目標に、さらにEUの国際社会での立場を揺るぎないもにするのが「脱炭素」という事です。

このブログ「SDGs ウクライナ軍事侵攻、真価問われるESG投資」でも紹介したように、本書でもロシアから天然ガスが来なくなりそうになると、EUではこぞって原発にシフトしている状況があります。

今のウクライナの様に原発が誰かに攻撃され、事故でも起きようなものなら、国土は壊滅的な被害を受けます。

「エネルギーをみんなに そしてクリーン」という美しいお題目が自分達の首を絞めるという皮肉なことになっていると述べています。

SDGsキャンペーンと同調圧力

新型コロナウィルスの世界大流行を例にフランスやイギリスなどではマスクを着けない人が多くいる国では、革命や内戦で民衆が自ら自由を勝ち取ったという歴史経緯から「命も大切だけど、自由は大切」と主張する人が多くいます。

日本人が心の底からマスクの予防効果を信用しているかは疑問でやはり「世間の目」を気にした同調圧力と結論づけています。

日本人はみんながいいと言っているものは深く考えずに賛成する気質がテレビなどのマスコミが行うSDGsのキャンペーンに乗ってしまいます。

きれいごとでなくひとつひとつの目標・お題目をきちんと検証したうえでキャンペーンをするべきという主張です。

テレビに出る専門家が当たり障りのないことしか述べれないのは限られた時間内での説明することが困難で中間の論証もできず、結論だけを述べてしまいがちという課題も存在しています。

科学的にみれば、CO2というのは一定以上増えると、地球の気温上昇に及ぼす影響はさほどないよいう研究結果もあるそうです。

日本の最善策は「余計なことは何もしない」

SDGsにおける「平和と公正をすべての人に」「人や国の不平等をなくそう」「ジェンダー平等を実現しよう」」など社会の意識に関わる問題は啓発を推進していくこと必要ですべての目標がダメと述べられているわけではありません。

エネルギー資源のない欧州とアメリカ・ロシアなどの資源大国の政治的駆け引きに翻弄されて、気が付けば資源もない、食料自給もできない日本が「ひとり負け」なることを危惧されています。

「サステナブルな社会」はかつて日本で暮らしていた人々が江戸時代の実現していたことだったと説明しています。

サスティナブルだった日本の水稲栽培や日本の里山、巨大都市江戸の驚異的なサステナビリティについて興味のある方は本書を読んでみて下さい。

まとめ

冒頭に紹介しました「誰もが反対できないような理想的なスローガンを掲げた政策が、のちに多くの人々の生活を苦しめる」という視点は必要だと感じました。

生真面目な日本人は目標を掲げ、愚直に取り組んでいく姿勢は信頼に値すると思いますが、ゲームのルールを巧みに作る、西側諸国が最終的に得をするという視点を持つ必要があるとも感じます。

本書でまだ開発途上にある国として安価な石炭を使用し続け、大量に安価な太陽光パネルを量産し続ける中国のしたたかさが紹介されています。

ロシアから大量の石油や武器を輸入するインドは、国連安保理や総会でのロシアに対する非難決議にはすべて棄権し、アメリカ主導の経済制裁にも加わっていません。

日本によるロシアへの経済制裁に対抗し、ロシアのプーチン大統領が液化天然ガス(LNG)開発事業「サハリン2」の運営を新たに設立する会社に移管する大統領令に署名しました。

ロシアによるウクライナ侵攻によりSDGsの価値観も大きく変わり、国連自体の存在意義も決定プロセスの不備と共にささやかれています。

国際協調は必要ですが日本のエネルギー政策を考えると先行き不透明な情勢においては、カーボンニュートラルだけでない選択肢の必要性も感じます。

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