紹介本 『ピープル・スキル』/「対人関係」改善バイブル

目次

ピープル・スキル/ロバート・ボルトン/ 宝 島 社 

この お勧め本紹介blogを通じて本を読むことで色々な価値観を知る事で成長できることを伝えていきたいと思っています。

今回紹介する「ピープル・スキル」は「世界の心理学50の名著」に選ばれた超ロングセラーです。

コーチングを生業にされている講師の方に紹介して貰い読んだ本です。

その方はブログでコミュニケーションスキルに関する原理・原則はこの本を読めば多くの事は学べると書かれていました。

絶版なので興味のある方はネットで中古品を手に入れられてバイブルとされることをお勧めします。

以前紹介した「影響力の武器」と同様に海外のノウハウ本はかなり分厚いです。

どちらの本もポイントを押さえて書かれていて、ページごとには分かりやすい表現となっています。

ポイントの具体例が細かく書かれているので、目次の項目で気になる箇所だけの読み飛ばしで必要な時に見直すことをお勧めします。

例えば、自己主張の技法や、相手の話にしっかりと耳を傾ける傾聴スキルは具体的です。

日本人の感覚では具体事例を基に自分のコミュニティに合わせて若干表現を変える必要はありますが、知識として知っていると役立つシーンは多くあります。

この本がよく効くタイプの人

対人関係でビジネス、夫婦関係、友達づきあいで悩みやが多い方で帯には以下ようなタイプの人にこの本は役立つと書かれています。

  • 忠告は相手のためという人
  • 「気持ちはわかる」が口癖の人
  • 会話が続かない人
  • なぜか反発される人
  • 理詰めの人
  • 相手が診断する人
  • 謝れない人
  • 子供はわがままという人
読書 本 イメージ

十二の障害

この本で身に付ける3つのスキルの前にコミュニケーションを行う上で課題となっている要因を丁寧に説明されています。

その中で友好的なコミュニケーションを阻む「十二の障害」について以下の項目をあげています。

  1. 批 判
  2. 悪 口
  3. 診 断
  4. 称 賛
  5. 命 令
  6. 脅 迫
  7. 説 教
  8. 質問・尋問
  9. 忠告
  10. ごまかし
  11. 論理的説得
  12. 元気づけ

明らかに批判や悪口などは、 友好的なコミュニケーションを阻む ことは理解できたとしても、中には称賛や論理的説得、元気づけなどポジティブに捉えられている行為も場面や伝え方によっては、障害になります。

コミュニケーションを阻む「十二の障害」 をなくし、人とうまくつきあうための具体的な方法が、豊富な「失敗例」「成功例」とともに書かれています。

この本で身につけれる3つのスキル

この本で身に付けたいスキルは大きく分けて以下の3つのスキルです。それぞれのスキルを具体的事例で紹介されいますので、ここでは要点のみ紹介します。

  1. 傾聴スキル
  2. 自己主張スキル
  3. 対立解消スキル
読書イメージ

傾聴スキル(相手の言うことを十分に聴く)

傾聴スキルとは相手の話に耳を傾け、熱心にきくスキルのことです。リスニング(聴くこと)ヒアリング(聞くこと)の違いも説明され、リスニング力が人生の満足度を決めるほど重要であることを伝えてます。

リスニングスキルには向き合いスキル(集中して話を聴くためのスキル)やうながしスキル(話をうながすためのスキルも身に付けるための行動も詳しく書かれています。

そして傾聴で最も必要なスキルとして、反映スキルをより具体的に紹介しています。

1)向き合いスキル—真剣な態度を見せる、適切な動作を示す、視線を適度に合わせる、集中できる環境をつくる
2)うながしスキル—話のきっかけを与える、最小限の刺激を与える、質問を減らす、相手に気配りしながら沈黙する
3)反映スキル—言い換えを行う、感情をくみとり応答に反映させる、真意をくみとり応答に反映させる、相手の話を要約する

傾聴はただ聞き手に徹するだけのものでではありません。

言葉の意味を理解するだけでなく、表情や声のトーンなどまで注意を払い、相手の気持ちに寄り添う姿勢で聞くことが大切です。

そして、感情的であったり、自分も思いを体系だでて話せない相手には、感情の真意をくみ取り要約してオウム返しすることが重要です。

バックトラック(オウム返し)って?

バックトラックというテクニックがあります。相手の言葉をオウム返しにすることや、相手に返す合いの手を打つことです。

オウム返しにすることや合いの手を入れると人間関係が深まる理由についてですが、これには「返報性の原理」といいます。 「影響力の武器」 に書かれていた重要な原理です。

返報性の原理というのは、好意には好意で返すというシンプルな心理です。

バックトラックをされると、自分が認められたものだと感じることができ、そのお返しに好意を持つというプロセスが生まれるのです。

book image

自己主張スキル(自分の言いたいことを適切に表現する)

ピープル・スキル にとって自己主張スキルはとでも重要ですが、欧米と違い日本人は自己主張することが苦手と長く伝えれています。

相手に問題行動があったとしても、自らが我慢して付き合えばと思ってしまいがちです。

長い目でみると相手の問題行動を助長し、結果的には、友好な対人関係が築けません。

以下は自己主張スキルを表現するための適切なプロセスです。

  1. <相手の問題行動>
  2. <その行動があなたの生活にもたらす結果>
  3. <それに対するあなたの感情>

上記の三部構成での自己主張メッセージを用意して伝えていきます。

苦情対応と同様に相手が要求又は感情的に伝えてく内容を想定するのと同様にきっちりと準備することが大切です。

自己主張スキルを活用し主張する場合の留意点として、事実と自分の感情のみに的を絞り、相手の人格攻撃や拡大解釈は行ず伝える必要があります。

自己主張に対し、防衛反応(相手の怒りの感情など)が返ってくることを予測し、攻撃型の態度に対しては「反映型の傾聴」を行います。

これによって心理学的には相手の保身的な姿勢が弱まる傾向にあります。

人は自分の感情を理解してもらえたと知ると、攻撃の手をゆるめやすくなります。

感情が肝心であり、そこを無視して理屈を説いても、説明しようとしても良好な話し合いはできません。

ここで注意点として、 自己主張スキルや次に説明する対立解消スキルを含め友好な対人関係を築き上げるためには、多くの時間を要する可能性があります。

本 イメージ

対立解消スキル(対立を管理するキーは感情)

苦情時の対応そのものですが、意見が違ったり、互いの利益が相反するときのコミュニケーションのステップです。

  1. 敬意をもって相手に接する。 相手を独自性を持った存在として尊重し、自分と対等な人間として接したとき初めて自分の対場を納得させることができる。
  2. 相手の立場を理解できるまで話を傾聴する。 まず、相手の考えと感情を十分にくみとって言い換える。相手が侮蔑的な言葉を投げかけても反撃せず、相手の感情を共感的に受け止める。
  3. 自分の意見、要望、感情などを述べる。簡潔に自分の意見を述べる、底意のある言葉は避ける、本当に言いたいことを本気で言う、感情を開示する。自分の本心を隠したり、皮肉やあてこすりは事態を悪化させる。

まとめ

コミュニケーション・スキルを小手先のテクニックと見下し、習得を軽んじる人が中にはいます。

日々自分のコミュニケーション意識し、人と接していればいいですが、センスや才能で片付けてしまいう人に限って、相手を傷つけしまうこともあります。

愛情をもって相手を尊重していたとしても想いがそのまま相手に伝わるものではありません。

「人はモノではない、対人関係の解決にテクニックはふさわしくない」という意見に対して著者は「私はそのスキルを知らなかったばかりに人間関係にしばしば支障をきたし、苦い経験をしてきた」と書いています。

相手の関係が良好になるのであれば身だしなみのひとつぐらいと認識し、コミュニケーションスキルを学んでもいいと思います。

Voicyという音声プラットフォームの番組で、キングコングの西野亮廣さんが身だしなみも時代とともに変化してくる趣旨の話をされていました。

身だしなみの定義の話で自らの努力で最低限解決出来ること、例えば清潔感のある爪や髪型に気を遣えない人が果たして相手に配慮して仕事が出来るかということです。

また、身だしなみや相手への心遣いでは、伝達方法が手紙の時代であれば筆跡のきれいさを例に、現在のオンライン会議では、最低限の音や画質の良さや背景がきれいさが相手への心遣いにつながると話されていました。

この話の要点である「自らの努力で解決できること」のひとつがコミュニケーションスキルを学ぶことではないかと感じた次第です。

 

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