紹介本 『嫌われる勇気』 / アドラー心理学のベストセラー

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嫌われる勇気/岸見一郎・古賀史健 /ダイヤモンド社

本のある生活 / takamyu本棚では今までに読んだ本の中で自分なりのお気に入りの本を紹介したり、人に紹介してもらって今後読みたいと思っている本なども紹介していきます。

今回紹介する本はベストセラーで多くの方が目にしたこともある「嫌われる勇気」です。タイトルにもインパクトがあり手にされた方も多いと思います。

数年前に読んだ本ですが最近ユーチューブでまこなり社長が今まで読んだ本の中でベスト1として紹介されてもいました。

本の中でも紹介されたいますが、世界的にはフロイト、ユングと並ぶ心理学界の三大巨匠とさているアルフレッド・アドラーです。

日本ではあまり知られていませんでしたが、多くの方がこの本でアドラー心理学について知るきっかけになったと思います。

「トラウマ」の存在を否定したうえで、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言し、
対人関係を改善していくための具体的な方策を提示していくアドラー心理学は、現代の日本にこそ必要な思想だと思われます。

アドラー心理学の要点を哲学者と青年の対話篇形式の物語で進められ為、難しい心理学がわかり易く理解でるのがベストセラーの要因だと思います。

具体的な事例は対話で教えて貰う形式で分かりやすく紹介されていますので、ここでは一般的に思われている価値観と違う考え方を少し紹介し、面白い発想だと思われる方は是非読まれることをお勧めします。

トラウマを否定!「目的」にそって生きているだけ

アドラー心理学では、「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という哲学的な問いに、シンプルかつ具体的な答えを提示します。

考え方は人それぞれですが、アドラーの提唱する考え方もありと捉え、考え方や行動が変化し幸せに思えるのであればひとつの選択肢です。

アドラー心理学では、わたしたちの行動は、その人の意志による目的があってそうしていると考えます。

たとえその行動が自分の望まないものであっても、その人の意志であると考えます。

過去に経験したことが原因でトラウマになり対処するアプローチでなく、望まない行動であっても、自らの意思による目的があってそうしている価値観です。

目的を見つめ直すと過去の経験に対する解釈も変わってくる事例を少し紹介します。

小さい頃から大人の顔色をうかがいながら育った思い込んでいた人がいたとします。

その人はそれが原因で自らは人が怖くなり、なかなか外に出られなくなったと思い込んでたとします。

アドラー心理学を活用し、外に出ない目的に意識を向けた場合、なにもせずラクをして生活したい気持ちを自ら理解できます。

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承認欲求の否定

承認欲求については、マズローの欲求5段階説では、人間の「欲求」ひとつと分析していますが、アドラー心理学では承認欲求を否定しています。

ほめることには、教育論においても賛否がありますがアドラー心理学では「縦の関係」であり、ほめる行為で人を評価したり、判断することを否定しています。

「縦の関係」から対等な関係、つまり「横の関係」を築くことの重要性を伝えます。

事例として、妻が夫にに家事仕事を手伝って貰った場合に「えらかったね」とは言いません。

「ありがとう」と感謝の言葉を伝えたり「うれしかった」と感情を伝えるかもしれません。

職場においても、子供を教育する親の立場であっても人として対等な立場で言葉かけを行います。

これが横の関係に基づくアプローチです。

相手を評価するような上からの目線ではなく、同じ高さの目線からの言葉かけに心がけます。

日本人の封建的な社会構造にはまだまだ馴染めない感覚ですが、周りに上からの目線で会話する人が居たとしても自身は変えることは可能です。

すべての悩みは「対人関係の悩み」である

冒頭でも触れましたが、この本のメインテーマだと思います。この悩みを改善することで大きく幸せに過ごせるようになります。

人の言動が気になる生き方をしていた人にとってすぐに変化できないかもしれませんが考え方を理解し、実践してみてはいかがでしょう。

そうするだけで気持ちが少しでも楽になる感覚がつかめたとしても、また時がたった時に以前に戻ってしまう自分がいれば、この本を読み直してみて下さい。

対人関係の悩みは、ほかの人が解決するハズの課題に自分が足を踏み入れることと説明さています。

または、自分が解決するハズの課題にほかの人が踏み込んできた場合にも同じ様に悩んでしまうこともあります。

分かり易い例で紹介されていたのは、独身の女性に対して「はやく結婚しなさい」という親の例です。

この場合、結婚するかどうかはこの女性の課題で親であったとしても、子供の課題に親が踏み込むべきでないと説明されています。んできたことになります。

そして、逆にもしこの女性が親の心配にイライラすれば、それはこの子供が親の課題に足を踏み入れたと解釈されます。

このような事は日常的に起こっていてそれが基本的な悩みの全ててあると解釈しています。

何かで悩んだ時この課題は本当に自分の課題かどうか一旦立ち止まり考えてみると悩む必要やイライラすることが減ることとなります。

この本には対話式で日常によく出くわすシーンを中心に考え方を哲学者が青年に伝えていきます。良書は何度でも読み直しても、その時の置かれた自分の状況で気付く箇所が違い、新たな発見があります。

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