紹介本『粗にして野だが卑ではない』

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粗にして野だが卑ではない 城山 三郎

『粗にして野だが卑ではない―石田礼助の生涯』は、財界人から国鉄総裁に就任した「石田礼助」の半生記です。

この本は、石田礼助が国鉄総裁に就任した後、国会での初登院で述べた「粗にして野だが卑ではない」という言葉がタイトルになっています。

石田礼助は明治人の一徹さと、30年にわたる海外生活で培われた合理主義を持つ人物でした。

彼は35年間三井物産に勤め、その間に素晴らしい業績を上げました。そして78歳で財界人から初めて国鉄総裁になったのです。彼の人生は、「ヤング・ソルジャー」と称されるほどの勇気と決断力に溢れています。

本書は、石田礼助の堂々たる人生を、著者が克明な取材と温かな視線で描き出しています。

彼の信念や行動力に触れながら、明治生まれの傑物の生き方に迫ります。彼は国鉄総裁として、不遇のポストであるにもかかわらず、自らを山猿(マンキー)と称し、欧米の経営手法を取り入れるなど、大きな改革を成し遂げました。

石田礼助は「粗にして野だが卑ではない」という言葉を通じて、自分の信念を示しました。

彼は野心や私心を持たず、公職を奉仕することを貫きました。国鉄内部でも規律を重んじ、公私の混同を許さない姿勢を示しました。彼の発言や行動には痛烈さと率直さがあり、一般庶民からも痛快に受け入れられました。

また、彼は大組織の変革を進める中で、慣例にとらわれずに有能な人材を登用したり、安全に関する予算を確保したりといった重要な成果を上げました。彼の生き方や仕事の仕方は、読者に自身の人生や仕事について考えさせるでしょう。

『粗にして野だが卑ではない―石田礼助の生涯』は、明治生まれの気骨を持った人物たちの生き方に興味を抱く方にとって、非常に魅力的な一冊となっています。

この本を通じて、石田礼助や彼の時代の人々の誇りや信念を学ぶことができます。

本書では、石田礼助と出光佐三との交流も描かれています。彼らの生き方には共通するものがあり、日本人としての誇りや信念を持っていたことが伺えます。

彼らがどのように困難に立ち向かい、社会に貢献してきたのか、その姿勢に敬意を抱かずにはいられません。

『粗にして野だが卑ではない―石田礼助の生涯』は、自分の生き方や仕事の仕方について考えさせられる一冊です。

明治時代の日本を牽引した人々の姿勢や行動力は、現代の私たちにも多くの示唆を与えてくれるでしょう。

もし、日本の歴史や偉人の生涯に興味があり、明治時代の魅力的な人物に触れたいのであれば、ぜひ『粗にして野だが卑ではない―石田礼助の生涯』を読んでみてください。

石田礼助の勇敢さや誠実さに触れることで、あなたも自身の人生に新たな気づきやエネルギーを得ることができるかもしれません。

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