紹介本『史上最強の哲学入門 』

目次

史上最強の哲学入門  / 飲 茶

今回紹介する本は飲茶著の『史上最強の哲学入門』です。

哲学には以前から興味があり、簡単に読めそうな『朝3分間のデカルト』小川 仁志 (著)を購入したが挫折した過去もあります。

決してこの本が面白くないわけでなく、それ以上に読みたい本が沢山あるからです。

今回『史上最強の哲学入門』は、audibleで聴くことにしました。

早朝のウォーキングで聴く哲学入門はわかりやすく、抑揚のあるナレーションがさらに体系立てて、哲学の入門を理解することができました。

飲茶氏の『史上最強の哲学入門』は、知の戦いの歴史を描いた本で、31人の哲人の中から厳選した3人のエピソードを掘り下げています。

この書籍は、哲学史を一種の知の闘いとして描き出しています。

哲学者たちが真理を唱えると、他の誰かがそれに対抗する真理を提示します。

それが哲学史の根幹であり、真理を巡る戦いの歴史として、リング上に上がったバトルとして表現しているのが興味深いものとなっています。

目 次

この本は、リング上に上がったバトルとして表現しているので各章をラウンドとして紹介しています。

この本は哲学史を時代ごとに紹介するが、四つのテーマをラウンドと設定し、時代ごとにそれを詳細に説明してくれます。

そのため、哲学者たちの思想の流れや関係性を理解しやすくしてくれます。

第一ラウンド 

真理の『真理』―絶対的な真理なんてホントウにあるの?

(プロタゴラス―絶対的な真理なんかない;ソクラテス―無知を自覚することが真理への第一歩 ほか)

第二ラウンド 

国家の『真理』―僕たちはどうして働かなきゃいけないの?

(プラトン―哲学者こそ国家の支配者だ!;アリストテレス―国家は腐敗と革命を繰り返す ほか)

第三ラウンド 

神様の『真理』―神は死んだってどういうこと?

(エピクロス―神様のことなんか気にしなくていいよ;イエス・キリスト―汝の隣人を愛せよ ほか)

第四ラウンド 

存在の『真理』―存在するってどういうこと?

(ヘラクレイトス―「存在」は変化する;パルメニデス―「存在」は不要である ほか)

一部紹介

第一ラウンドが『真理』について、語られています。

哲学が生まれるまでの紀元前の遠い昔、人間たちは身の回りで起こる意味不明なことは全て「神話」による説明で納得していました。

例えば、「カミナリは山の神様が怒っている」と解釈するというようにそれぞれをわかりやすく事例で紹介してくれます。

いまの常識で考えると、バカなの?と思う内容も、当時の科学で神話を疑うことはできませんでした。

そもそも先祖代々から伝えられてきた内容を、皆の共通理解としていたので、反論することは難しいものでした。

時代が進み人々の活動範囲が広がると、今まで出会うことのなかった遠い国や風習の人とも交わるようになります。

すると、「それぞれの国や地域での神話の内容が違う」という事実に直面します。

自分たちの中で「絶対に正しい」と思っていた真理が失われ人々は、ガックリすることになります。

「神話」という絶対的な価値観が崩壊したとき、”何が正しいかは人それぞれ違う”という「相対主義」を代表する哲学者が生まれます。

プロタゴラスは、[前490ころ~前420ころ]古代ギリシャの哲学者で、「人間は万物の尺度である」と説き、各人の主観的判断以外に真理はないとする相対論を主張します。

本書で分かりやすい例として、『自分にとっては「冷たい水」でも極寒の地では「温かい水」かもしれない』絶対的な「冷たい/温かい」を決めることなんてできない、という紹介します。

このように、本書ではそれぞれの哲学者が主張した哲学の背景や主張した内容を現代の事例に置き換えわかりやすく紹介します。

著者の独特なテンションでバトル風にくだけた雰囲気で哲学者の主張を解説するので非常にわかりやすくなります。

哲学は高尚で難解な学問というイメージを覆し、読者が入りやすいドアを開けてくれるような一冊です。

哲学に対する興味を掻き立てられ、知的なラジオ番組を聞くようにaudibleで聴くことができました。

刃牙シリーズを思わせる煽り文句や、各哲学者の情報の適切さもあり聴きやすく、記憶に残る一冊となりました。

また、くだけた表現と具体例を交えた解説は、理解しやすく、わかりやすい内容として受け入れられました。

堅苦しい内容ながらも、物語のような魅力があり、次々とページをめくりたくなるような展開がありました。

このように、飲茶氏の『史上最強の哲学入門』は、哲学という難解な領域に対する優れたガイドとして、多くの読者に刺激を与えています。

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