絶対悲観主義 / 楠木 建
楠木建の著書紹介
楠木建の著書『絶対悲観主義』は、その名前からも分かるように、現代社会における悲観主義の新たな側面を探求した一冊です。
本書では、悲観主義を単なる消極性やネガティブな考え方として捉えるのではなく、その中に潜むポジティブな要素や生きる上での有益性に焦点を当てています。
絶対悲観主義とは何か
楠木建が提唱する「絶対悲観主義」とは、一般的な悲観主義とは異なります。
通常の悲観主義は、特定の状況や出来事に対して否定的に考える傾向がありますが、絶対悲観主義はその名の通り、どんな状況においても「うまくいかないだろうな」と悲観的に捉える姿勢を指します。
この絶対悲観主義の考え方には、一見すると否定的な側面が強調されがちですが、実はそこには意外なメリットが隠されています。
例えば、失敗や挫折に対する心の準備ができ、その結果、意外な成功に対してより大きな喜びを感じることができるのです。
楠木建氏の著書『絶対悲観主義』は、まさに現代社会における心のあり方を問うる重要な指針となります。
その概念は、世の中の甘さや物事の順応性に対する否定を基盤とし、自らの視点を悲観的なものとして位置づけています。
楠木建の絶対悲観主義について
楠木建は、絶対悲観主義を取り入れることで、人々がより自由に、そしてより前向きに生きることができると主張しています。
彼の理論では、絶対悲観主義はある種の心の安定や自由をもたらし、人々が仕事や人生に対してより気楽に向き合うことができると述べています。
絶対悲観主義を2つの側面から考えてみます。
ひとつが「事前の期待」「事後の結果」、もうひとつが「うまくいく」「うまくいかない」です。
組み合わせると以下の4つのパターンに分類されます。
(1)事前にうまくいくと思っていて、やってみたらうまくいった
(2)事前にうまくいかないと思っていて、やってみたらうまくいった
(3)事前にうまくいくと思っていて、やってみたらうまくいかなかった
(4)事前にうまくいかないと思っていて、やってみたらやっぱりうまくいかなかった。
(1)のパターンはもちろんいいのですが、予想通りで意外性がありません。
理想は(2)で、悲観的に構えておくと、予想外にうまくいったときには(1)よりもずっと幸せな気持ちになれます。
幸福の条件 ・幸福と没不幸 アメリカの心理学者ハーズバークの二要因理論によると、モチベーションの二要因とは、人間の幸福や満足を促進する「動機付け要因」と、人間の不幸や不満を少なくする「衛生要因」。
この二要因が相互に独立関係になることがポイントです。
つまり、「満足」の反対にあるのは、「不満足」ではない。
それは「没満足」という満足がない状態だと考えます。
「動機付け要因」は、人に信頼されること、その仕事自体に意義が感じられることなどです。
この「動機付け要因」が大きくなると、職務満足は高まります。
一方の、「衛生要因」は、給与や勤務条件、対人関係などです。
つまり、昇給や昇進は、「不満足」をなくすことはできるが、「満足」をもたらすものではないという事です。
給与を上げても、本当の満足にはつながらないので、不幸になる要因を潰せば、幸せになれるかというと、そうではありません。
その先にあるのは、「没不幸」です。
給与、上司などを理由に転職することで、「不幸の要因」を潰しても、だからと言って「満足=幸せ」にはならないということです。
微分派と積分派
人は幸福に対する構えで微分派と積分派に分かれると著者は言います。
微分派:自分の評価が上がったとか、直前と現在の変化の大きさに幸せを感じるタイプ
積分派:その時点の変化率より、これまでに経験した大小の幸せを過去から蓄積した総量に幸せを感じるタイプ
微分派にとって幸せは、その時はガツンと来ます。
昇給や昇進はその典型です。
そういう時は大いに高揚しても、その給与水準や職位にはすぐに慣れてしまいます。
そして何より重要な事実として、ガツンと来るイベントは毎日起こりません。
楠木建の絶対悲観主義のメリット
絶対悲観主義の採用には、さまざまなメリットがあります。
まず第一に、失敗や挫折に対する恐れが薄れ、仕事や人生に対してより気楽に取り組むことができる点が挙げられます。
また、絶対悲観主義はリスクに対するオープンな姿勢を促し、人々が新たなチャレンジや機会に果敢に取り組むことを助けます。
さらに、絶対悲観主義は、予想外の成功や幸福に対する喜びを増大させる効果もあります。
人々が事前に失敗を想定していた場合、成功したときの喜びはより大きく、より意味のあるものとなるのです。
なぜ絶対悲観主義が必要なのか
楠木建は、絶対悲観主義がなぜ現代社会において必要なのかを問いかけます。
彼によれば、絶対悲観主義は人々がより現実的な視点で物事を捉え、より前向きに行動することを可能にするとしています。
絶対悲観主義は、人々が過度な期待やプレッシャーから解放され、より自由な精神状態で生きることができるのです。
絶対悲観主義を取り入れるメリット
絶対悲観主義を取り入れることによって、人々はより自由で前向きな生き方を実現することができます。
絶対悲観主義は、失敗や挫折に対する恐れを減少させ、新たなチャレンジや機会に果敢に取り組むことを促進します。
また、予想外の成功や幸福に対する喜びを増大させる効果もあるため、絶対悲観主義は人々の心の安定や幸福感を高める一因となります。
楠木建流絶対悲観主義の魅力
楠木建の絶対悲観主義には、その独自の魅力があります。
彼の理論は、人々がより現実的な視点で物事を捉え、より前向きに行動することを可能にするとしています。
絶対悲観主義は、人々が過度な期待やプレッシャーから解放され、より自由な精神状態で生きることができるのです。
うまくいかない時に役立つ絶対悲観主義
絶対悲観主義は、特にうまくいかない時に役立ちます。
人々が事前に失敗を想定している場合、失敗や挫折に対する心の準備ができ、その結果、失敗から学び、成長する機会を得ることができます。
また、予想外の成功や幸福に対する喜びを増大させる効果もあるため、絶対悲観主義は人々が逆境を乗り越え、より強くなる一助となるでしょう。
楠木建に学ぶうまくいかない時の対処法
著者は、うまくいかない時には絶対悲観主義を活用することを提案しています。
彼によれば、事前に失敗を想定しておくことで、失敗や挫折に対する心の準備をすることができ、その結果、失敗から学び、成長する機会を得ることができます。
また、予想外の成功や幸福に対する喜びを増大させる効果もあるため、絶対悲観主義は人々が逆境を乗り越え、より強くなる一助となるでしょう。
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