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厚労省 介護施設に感染症検査実施を再要請
このブログ介護役立つ情報でコロナ感染対策として高齢者施設に定期検査を呼びかける厚生労働省要請に対して一向にすすまない状況について日経ニュースを紹介しました。
「高齢者施設、検査二の足「発覚なら業務に影響」不安視」日経ニュース
この度5月17日付けで厚生労働省より、介護施設に検査実施を再要請の通知が出されました。
緊急事態宣言下で高齢者施設で複数クラスターが発生し、コロナ感染者が原因又は後遺症で多くの高齢者が死亡している報道が続いています。
医療崩壊が伝えられる大阪・神戸を中心に重篤状態でも病院に搬送出来ず施設で看取るケースが増えています。
知人の施設では、職員が発熱症状があり病院受診し、陽性反応があり、高齢者も数名発熱があり、保健所に相談した際も感染拡大地域では保健所が機能せず、専門家の施設派遣まで5日が経つ状況でした。
その施設では、感染が職員・高齢者まで拡がり終息にまで3週間以上掛かった陽で職員配置が困難で災害時同様にケア業務の見直しを行った様です。
以下はこの度の厚労省の検査再要請で伝えられた検査の意義についてです。
高齢者施設職員等への定期的な検査の意義について
1.新型コロナウイルス感染症の特徴
「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」第4.2版によれば、新型コロナウイルス感染症について、
○ 有症者が感染伝播の主体であるが、発症前の潜伏期にある感染者を含む無症状病原体保有者から
の感染リスクもある
○ 感染可能期間は発症2日前から発症後7 ~ 10 日間程度と考えられている
○ 高齢者かつ基礎疾患のある患者で特に死亡リスクが高いこと、および年齢が高くなるほど致死率は 高くなることが分かっているといった所見が示されている。
2.新型コロナウイルス感染症の感染の実態
○ 感染者のうち20~40歳代の若い世代の者は、約5割を占めている。
○ 感染者のうち無症状の者は、約3割を占めている。
3.高齢者施設職員等への定期的な検査の意義
○ 上記のとおり、新型コロナウイルス感染症は、発症前の無症状の状態でも感染力がある。また、実 際、若い世代、無症状の感染者も多い。
○ 一方、高齢者施設等の入所者は重症化リスクが高い特性があり、高齢者施設等で集団感染が生じた
場合に入所者や施設経営への影響が大きく、また医療提供体制への負荷の増大につながる。
また、高齢者施設、特に長期入所型施設におけるクラスターは感染した職員から生じる傾向が多い。
(2月2日内閣官房新型コロナウイルス感染症対策分科会「緊急事態宣言下での対策の徹底・強化についての提言」)
○ これまでに集中的検査を実施した都道府県等から、新型コロナウイルスへの感染を早期に発見でき、集団感染の防止等迅速な対応に繋げられたといった評価がある。
高齢者施設で感染症が発生した場合の支援例
感染管理の専門家やDMATなどによる「感染制御・業務継続支援チーム」が全ての都道府県に設置されており、支援チームがゾーニングなど感染管理に関する相談・支援を実施する。
○ 必要に応じて医療職や感染管理の専門家などを派遣する。
○ 自治体や関係団体への応援職員の派遣依頼が可能(全都道府県で応援体制を構築済み)。
○ 地域医療介護総合確保基金から”かかり増し経費”の助成(*)を実施する。
* かかり増し経費の助成対象例
緊急雇用にかかる費用、割増賃金・手当て、職業紹介料、損害賠償保険の加入費用、帰宅困難職員の宿泊費、関係機関との連携に係る旅費、消毒・清掃費用、感染性廃棄物の処理費用、在庫不足が見込まれる衛生用品の購入費用など
厚労省は今回の通知で、「介護施設の入所者は重症化リスクが高い特性がある」「クラスターは感染した職員から生じるケースが多い」と説明。自治体が進めている集中的検査に協力するよう改めて呼びかけた。
令和3年5月17日 事務連絡 高齢者施設の従業者等への定期的な検査の積極的な受検について
厚生労働省
知人の施設ではワクチン接種が間もなく始まることもあり、日経ニュースにあるとおり、検査を受けることに二の足を踏んでいました。
実際に感染が発生した際の施設運営の難しさと比較すれば、定期的検査の必要性を感じています。
実際、国は定期的な検査の要請を自治体に通知していますが、自治体により温度差があり、感染蔓延防止地域においても実施されていない自治体もあります。
また、広域地域で介護事業を運営している事業所によると、感染拡大地域での施設入居高齢者のワクチン接種の日程が決まっていないのに感染者の少ない過疎地の入居高齢者のワクチン接種は既に終わっている状況もあります。
感染者の少ない過疎地の在宅高齢者においては、自治体からワクチン接種の案内があっても断る事例も多く方や都市部では予約の電話も繋がらない状況です。
感染拡大地域の情報は過去2回の緊急事態宣言のデータから把握されている中で、供給方法、しくみ作りに課題はあったように思います。
国の情報発信の仕方においても前回紹介しました台湾デジタル担当大臣のオードリー・タン(唐鳳)氏他、台湾の取り組みは参考になります。
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