家飲みでは、お店で飲んだ日本酒や酒蔵や酒店で買った全国の美味しい地酒を厳選して紹介します。
今回は近くのドラックストアで購入した岩手県二戸市の酒蔵の日本酒『南部美人 特別純米酒』を飲んだ感想を紹介します。
株式会社南部美人
岩手県の最北端、青森県との県境に位置する二戸市(にのへし)に酒造はあります。
陸中海岸と八幡平という、2つの国立公園を有する自然に囲まれた町に「南部美人」は存在します。
創業は明治35年(1902年)ですが、「南部美人」という銘柄は昭和26年(1951年)に、当時二戸税務署長を勤めておられた故伊藤正署長と弊社の前会長の故久慈秀雄が、全国的に精米歩合も低く雑味の多い甘い酒が主流の中で、「綺麗で美しい酒を造りたい」という思いと、岩手県二戸市は昔から南部の国と称し呼ばれており、素晴らしい自然、風土と豊富な水の恩恵に恵まれた土地で、このことから地名の南部と綺麗で美しい酒質イメージから「南部美人」と命名しました。
南部美人 サイト
海外への挑戦
1997年、日本酒の海外輸出を志す酒造を集め、海外での日本酒の普及と日本酒の国際化を支援する任意団体「日本酒輸出協会」を立ち上げ、海外輸出を本格的にスタートしました。
全国でもいち早く世界に向けて販路を拡大してきました。
進出当初は、日本酒セミナー・試飲会は大盛況なものの、実際の販売数、輸出量は伸びませんでした。
その間、飲食店を1軒1軒回り、営業活動を展開、さらに、英語のネーミング「サザンビューティー」を付け、ラベルも英語表記にするなど地道な努力の結果、徐々に認知度、販売数も増加しました。
転機は、21世紀を迎え、アメリカで日本食への関心が高まり、日本食レストランが多く建ったことでした。こうした店では、銘柄に関係なく新しい日本酒を置いてくれたので、販売数も輸出量も増加していきました。
南部美人 サイト抜粋
「カンパイ!世界が恋する日本酒」
南部美人の五代目蔵元久慈浩介氏はドキュメンタリー映画「カンパイ!世界が恋する日本酒」にも出演されていて、日本酒を今では40各国以上に輸出されています。
日本酒に魅せられた3人のアウトサイダーを描いたドキュメンタリー映画。
海外での日本酒への関心が高まっていることを背景に京都・木下酒造に勤める初の外国人杜氏のフィリップ・ハーパー氏、岩手の酒蔵・南部美人の5代目蔵元・久慈浩介氏、神奈川・鎌倉の米ジャーナリストのジョン・ゴントナー氏に密着し、彼らを虜にしつづける日本酒の魅力を紐解く。
ゴールデングローブ賞を選考するハリウッド外国人記者クラブ(HFPA)所属の映画ジャーナリストで、フィルムメイカーの小西未来が企画し、クラウドファンディングサイト「MotionGallery」で製作資金を募って製作した。
映画ドットコム
日本酒の大きなムーブメントを起こす
今や有名になった「日本酒 IWC SAKE部門 チャンピオン」のSAKE部門創設には実は南部美人の五代目蔵元久慈浩介氏たち若手の蔵元の暗躍があったのです。
以下は久慈氏が取材でSAKE部門創設当時について語った内容です。
日本酒の大きなムーブメントを起こすには、「スコールを降らせる」にはどうしたらいいか、考え抜いた。
そして、世界の人が最も注目するワインの場に出ていこう!と決めた。
「2000年代後半のことです。イギリスのWSET(Wine & Spirit Education Trust )というワインスクールのソムリエたちから、日本酒を勉強したいという話が来たのです。
だったら僕たちが行って教えましょう、ということになり蔵元の有志が集まって教えることになりました。」
「これがきっかけとなって日本酒のセミナーを始めるんですよ。
富山県の桝田酒造とか神奈川県の泉橋酒造とかそういう人たちが行ってセミナーをやりました。
そうしたらたまたま受講者の中に世界に370人(2018年8月現在)しかいないマスター・オブ・ワインの中で、最年少でこれをとった人がいて、その人が『日本酒はものすごく面白い、もっと知りたい』と言ってくれたのです。
日本酒に”はまってくれた”その人こそ、実はIWC=インターナショナルワインチャレンジの最高責任者だったんですよ。」
なんという幸運!いやそれを引き寄せたのは久慈氏ら若手蔵元たちの積年の努力に違いない。
「その人にIWCの中に日本酒部門作れませんか、とお願いしたら、『オッケー』と。すごいでしょそれ?」
ワインのチャンピオンを決めるIWCの中に日本酒部門ができる。
これこそ、久慈氏のいう「スコール」だ。
WESTで始めたセミナーも正式なものとして世界中に広まっている。
そしてこれからは「国際展開教育」が必要だと久慈氏は説く。
「日本酒って何?という人たちに日本酒がどういうものなのか伝えていく機会をもっと増やさなくてはいけないと思っています。
JAPAN SAKE ASSOCIATIONの『SAKE EXPERT」という資格も今ブラジル、タイ、イタリアでやっている。
そういうところと組んでもっと日本を知らせて行かなきゃいけない。」
さらに政府のクールジャパン戦略も追い風になっている。
海外で何千人も集まる試飲会やイベントがものすごい勢いで増えているという。
エヌエヌ生命 記事 抜粋
南部美人 特別純米
このブログでも紹介した「日本酒 IWC SAKE部門 チャンピオン」に2017年選ばれています。
この”チャンピオンサケ”は非常に狭き門で、参加銘柄はなんと1000銘柄以上です。
その中で1番の日本酒に選ばれ、つまり、世界イチの日本酒といっても過言ではありません。
酒米には岩手県産オリジナルの「ぎんおとめ」という、限りなく有機栽培に近い方法で造られた酒米を使用しています。
そして職人たちによって丁寧に醸されていきます。
2017年のチャンピオン・サケに南部美人は大吟醸や純米大吟醸でなく、お手頃価格の純米酒でチャンピオンになったことは意義があると思います。
純米酒らしい柔らかく、そして優しく香る果実のような甘みある香りと、それに負けないふくよかな旨味があります。
基本的には淡麗辛口なお酒ですが、飲む温度帯を常温に近い温度まで持って行くと、旨は更に広がりを見せ、濃醇辛口な味わいにもなります。
名称 | 南部美人 特別純米酒 |
商品説明 | 地元、岩手県二戸市産の特別栽培米「ぎんおとめ」を主原料としています。 ふわっとやさしい果実の香りと上品な米の旨みで後味すっきり。 幅広い料理に合う究極の食中酒を目指して造ったお酒です。 |
原材料 | 麹米: 掛米: ぎんおとめ、他 |
精米付合 | 精米歩合55% |
アルコール度 | 15度〜16度 |
お召し上がり方 | 常温 熱燗 |
株式会社 南部美人 | 住所 岩手県二戸市福岡上町13 |
酒 銘 | 南部美人 |
ホームページ | https://www.nanbubijin.co.jp/ |
創業年 | 明治35年(1902年) |
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] ドキュメンタリー映画「カンパイ!世界が恋する日本酒」では以前紹介した南部美人の5代目蔵元・久慈浩介氏と共に主役の一人である英国人のフィリップ・パーカー杜氏が醸す酒。 […]