このブログ「介護役立つ情報」では、事業所選びや介護の仕事情報等を紹介します。
新政権の目玉政策として「介護職の賃上げが新政権の重点政策」についてこのブログで紹介しました。
今回は1月12日に開催された社会保障審議会・介護給付費分科会で介護職の賃上げの具体策の概要を提示されたことについて紹介します。
介護現場で働く人の収入引き上げ
厚生労働省は12日の社会保障審議会・介護給付費分科会で、2月から実施する介護職員の月額9000円ほどの賃上げ(暫定予算)を恒久化するため、今年10月の臨時の介護報酬改定で新たな加算を創設する提案がされました。
2月からは賃上げは交付金として、9月までの暫定予算であり、その交付金の考えた方と現行の処遇改善加算を踏襲し、併せて事務作業の簡素化の視点も考慮し処遇改善案が作成されています。
新加算のイメージ(案)
新加算
■対象:介護職員。ただし、事業所の判断により、他の職員の処遇改善にこの処遇
改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認める。
■算定要件:以下の要件をすべて満たすこと。
➢処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のいずれかを取得していること
➢賃上げ効果の継続に資するよう、補助額の2/3は介護職員等のベースアップ
等(※)の引上げに使用することを要件とする。
※「基本給」又は「決まって毎月支払われる手当」
補助金と同様の運用が新加算では想定されています。
処遇改善加算Ⅰ~Ⅲを算定している事業者が要件ですが、それであれば、単純に現行の処遇改善加算Ⅰ~Ⅲの加算率を上積みすれば事務手続きは簡素化さます。
実質賃金を上げていきたいねらいから、 補助額の2/3は介護職員等のベースアップ等と記載されていますが、それぞれの職員の賃金構成の根拠が3つの加算配分を示す意味では、事務作業は必ず増えます。
対象者に関しても「介護職員のみ」と 「他の職員の処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認める。」違いがあることから、兼務や時間按分など余分な事務作業は同じことです。
将来的には段階的に処遇改善加算Ⅰ~Ⅲに汲み入れ、 対象者も柔軟な運用を認めるに統一されることが望ましいと考えます。
介護職の処遇を上げなければ、人手不足の解消には繋がらない現実はあるわけなので、 介護事業者が経営的にもっと潤うようような制度が必要と思います。
経営の中枢が僅かな処遇改善の分配方法や報告に貴重な時間が割かれる現状では、長期ビジョンは描けません。
強い違和感を覚えるのが、介護事業者の周辺の事業者がとても儲かっている現状です。
例えば介護事業所の人手不足につけ込む人材派遣や紹介ビジネスが雨後の筍のように開設される現状は違和感を感じます。
また、 ICTソリューションが進んでいますが、事業所規模による優劣や一部の導入補助金の申請にも多くの事務手続き等の課題もあります。
社会保障を担う介護事業者の財務体質が悪化している現状がある中、周辺事業者が潤って現状は矛盾も感じます。
新加算率案は上記の通りです。
補助金の交付率と比較し加算率の方が0.1%高く表記されていて、一瞬補助金の(9000円)より上積みさえた様に錯覚しましたが、読み込むと同等であることが分かります。
補助金は総報酬に補助率を乗じる仕組みだが、新加算は総報酬から既存の処遇改善加算、特定処遇改善加算の分を除いた点数に加算率を乗じる仕組み。
つまり1人あたり月額9000円増という意味では変わらないという事です。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 介護職に関しては今年2月から補正予算で9000円程度の賃上げが暫定的に実施され、10月には、加算算定され恒久的なベースアップへ繋がる政策が予定されています。 […]