地域別クラシック・モルト・シリーズ
スコッチウィスキーの産地別お勧めは前回も紹介しました。
今回はスコッチウイスキー業界最大手のUDV社が所有する6つの地域の蒸溜所の選び抜いたクラシック・モルト・シリーズの6本を紹介します。
ハイランド地域 ダルウィニー
大麦の甘さがあり爽快に飲めます。スペイサイド・モルトのような香りの広がりがあるのがハイランド・モルトです。
ダルウィ二ーは集結場という意味です。
その昔、牛追いたちが南の市場へ旅立つ前に、北ハイランドや西ハイランドから牛の群れをここに集めたと言われています。
蒸溜所はスペイ川上流地にある商業路の中継地にあります。
スコットランドで最も標高の高い場所にある蒸留所のひとつで、気象観測所を備えている珍しい蒸留所です。
現在では、多くの旅行者が、インヴァネスとパースを行き来する途中でツアーガイドに案内され、この蒸留所の見学に訪れます。
スペイサイド地域
クラガンモアは、豊かな風味とデリケートさが絶妙のバランスでハーモニーを奏てモーツァルトとシンフォニーにたとえられます。
口あたりはソフトでウィスキーが苦手と思われていた方にも飲み易いと思います。
クラガンモアの味わいを造りあげたのが創始者ジョン・スミスです。
各地の高名な蒸留所でマネージャーを歴任し、偉大なるウィスキー職人として名声を得ていました。
スミスは理想の蒸留所作りを目指して各地を探索、その結果を蜜か出したのが現在のバリンダルロッホにたどり着いたのです。
輸送の便もよかったことと、この地には名水中の名水といわれる湧水があることも大きな要因です。
西ハイランド地区 オーバン
穏やかな味が多いハイランドの中でアイラ・モルトに似た、スモーキーな香りが特徴です。
煌びやかな感じはありませんが伝問的な味わいのモルト・ウィスキーとして知られています。
蒸溜所は天然の良港がある西ハイランドのオーバンにあります。
ローランド地区 グレンキンチー
ローランド(Lowland)は、エディンバラやグラスゴーなどの大都市を擁するスコットランドの南側に位置する大きな地方です。
現在稼働する蒸留所は6つのみとなっており(大きな地方ながらも)意外と少ないです。
ローランドの伝統製法にのっとり非常に癖のないソフトなウイスキーです。!
ドライな飲む口で少しスパイシーな香りも感じれます。
この蒸溜所は大麦を自家栽培していて麦芽をつくり、その搾りかすで家畜資料にする取り組みを行っています。
飲みなれたウイスキーマニアからすると「ものたりない」と言われそうです。
個性がとがったウイスキーが増える中、逆に癖がない事がグレンキンチーの特徴ともいえます。
アイランズ地区
アイランズ(Islands)は、スカイ島やオークニー諸島といった、スコットランドの島々(アイラ島を除く)を一つの地域として括ったものです。
それぞれが地理的に離れた島々からなるという特性があります。
スペイサイドなど他の産地とは違い、産地として語られることが少なく、各蒸留所や銘柄ごとに語られることが多い傾向にあります。
日本でも有名で人気の高い「タリスカー」や「ハイランドパーク」も、実はこのアイランズ産ウイスキーです。
タリスカー
タリスカーが持つ個性は他と一線を画す特別な物です。詳しくは歴史のあるタリスカーのオンラインページをみてみて下さい。ブランドストーリー
ハードボイルドは似合う一人静かに飲むお酒というイメージでしょうか。
風味は複雑で、熟成してさらに良さが出るウィスキーです。
一口飲むと、まるで火がついたような熱いものが口に広がります。人によってはこしょうの味・塩の味とも例えられます。
私の初めて飲んだ感想は、ストロングです。私には飲みにくい味でした。好き嫌いはあるかもしれません。
もし今からスコッチウィスキーを家飲みで味わいたい方は、一度飲んでみてほしい銘柄です。
アイラ地区 ラガヴーリン
アイラ島(Islay)はスコットランドの西側に位置する島で、その大きさは日本の淡路島より一回り大きい程度。
現在操業中の蒸留所は8つしかなく、銘柄数にしても10程度しかないながらも、アイラは「スコッチの聖地」とも言われています。
アイラ・モルツ飲みならず、全モルト・ウィスキーの中でも傑作中の傑作と絶賛されています。
まろやかな舌ざわり、シェリーのような甘さがほのかに漂う香りなどからエレガント風味とたとえられます。
アイラ・モルト独特の潮の香りやピート香も強く苦手な人もいますが印象深い味わいが多くの人に愛されています。
このモルトはおなじみのブレンデッド・ウィスキー「ホワイトホース」の原酒としても知られています。
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