伸びる会社は「これ」をやらない / 安藤 広大
この本は人気ユーチューバーラファエルさんが「識学」について語っていて、初めて識学の事を知り読んだ本です。
以下の通り、当たり前とされるマネジメントについ異を捉える識学の本。
極端な内容も多いですが、具体的な事例を説明されていて、理解できる内容も多くあります。
マネージャーや経営人の伝え方やスキルにより上がるはずの業績が大きく低迷するリスクもある様に感じます。
この本の3つのおすすめポイント
私自身がこの本から学んだ3つのポイントについてご紹介します。
このお勧め本紹介ブログでは、読んで貰った内容で役立ったことがあればその方の行動変容につながればと思っています。
ここでは、あえて現在の私の価値観で納得はできていないが視点として価値観の幅が広がったことを紹介します。
①経営理念を社員全員に理解させるのをやめる
②社員のモチベーションに気を配るのをやめる
③チャレンジする姿勢を評価することをやめる
経営理念を全社員に理解させるのをやめる
初めにこのタイトルを見た時、正直日本経営が大事にしてきた理念経営の否定かと驚きました。
よくよく読むと経験や成長を通して、初めて、経営理念や愛社精神が育まれることを伝えているに過ぎませんでした。
理念や想いを共有する必要はありますが、最初から押し付けることへの提言でありました。
別途このブログで紹介した「ファンベース」でも書かれたいましたが、まずは社員が経験や成長が出来る環境を整え主体的にファンになることをめざします。
権限移譲を行い、自主的に考え成果を上げることで、結果社員のやりがいに変ります。
結果として経営理念や愛社精神が育まれる環境になるのが伸びる会社と提言しています。
社員のモチベーションに気を配るのをやめる
社員のモチベーションが高い方が結果が出やすいと錯覚しがちですがモチベーションは本人が勝手に設定するものという発想はありませんでした。
組織運営の中心にモチベーションを置き、社員のモチベーションをあげる制度設計が業績を上げることと思い込む事を否定しています。
モチベーションとは「動機付け」という意味ですが、仕事に置いて他の誰かに動機付けてもらうものでないとはっきり述べています。
プロジェクトや業務を通じて継続の中から成長していく過程で自己発生していくものなので、スタート点で用意するものではないという事です。
管理者や上司が出来ることは厳しく管理して成長させることということは、今までのキャリアを考えると納得がいくものです。
チャレンジする姿勢を評価することをやめる
プロセスの管理は意味がないので、結果を見る。と結論が書かれています。
日本では、楠田丘の提唱した「職能資格制度」が大きく日本の人材マネジメントとして位置づけられてきました。
職能資格制度ではプロセスについても評価内容として長く運営されています。
この制度の特徴は終身雇用を前提とした以下の様な考え方があります。
1.ポスト不足に対応した「昇進と昇格の分離」
2.一体感と能力開発意欲の喚起を狙った「全社一律の能力評価」
3.終身雇用を前提とした「積み上げ卒業方式の昇格」
日本は戦後アメリカの中流階級以上の生活スタイルをモデルとし、終身雇用をベースとした賃金体制を確立しました。
日本がキャチアップしたアメリカの雇用形態は製造業の中心が日本やドイツに移行するにつれ崩れていき成果に合わせた給与体系にシフトされて行きます。
アメリカで起こったことが、遅れて日本で起こっていき、製造業の中心が中国や東南アジア等へ移行するにつれ戦後モデルの終身雇用が難しくなっています。
上記の様な「職能資格制度」で運営してる会社においては、トヨタ自動車ですら終身雇用が難しいと表明せざる得ない今、変化せざる得ない時代となっています。
まとめ
識学は、組織というのはこうあるべきという理論で業績が上がることは論理的に理解出来ます。
理性的に組織が運営される上では、合理的な手法ですが、そこまで歴史ある組織を変化させていく際、感情的な言動に対応していく必要があると感じました。
合理的な視点からもそれぞれの手法は成果を出すための再現性は高いよう感じました。
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