紹介本『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』

1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書/ 致知出版/藤尾秀昭 監修

この お勧め本紹介を通じて本を読むことの楽しさや色々な価値観を知り、成長に繋がることを紹介したいと思っています。

今回紹介する本は人間学をテーマとした編集方針を掲げた月刊誌「致知」の創刊40年超の歴史を振り返り、その中から365人の言葉を厳選してまとられたものです。

月刊誌「致知」は全国1200社を超す多くの企業で社員教育に採用されています。

また木鶏クラブという全国各地で自主運営されている『致知』愛読者の会もあります。

このブログでも致知出版から出版された教育学者森信三さんの「父親のための人間学」や「人生二度なし」なども紹介していますので良ければご覧下さい。

本書では、起業家、経営者、作家、デザイナー、医師、宗教家、スポーツ監督などさまざまなジャンルで活躍する著名人の人生訓を学ぶことができます。

一日1ページ365日でじっくり味わうこともできますし、目次から気になる著名人を飛ばし読みすることも出来ます。

タイトルにある「仕事」のこと以外にも幼少期の子供えの教育や日常生活など心に響くエピソードが満載です。

じっくり手にとって欲しい本ですが、私にとって印象に残ったエピソードを少し紹介させていただきます。

「ヒット商品を生み出す秘訣」佐藤可士和 クリエイティブディレクター

佐藤可士和展が昨年国立新美術館で開催されていて、WEEKLY OCHIAIで紹介されていて、行きたいと思ってましたが、感染拡大時期でもあり、叶いませんでした。

過去からのヒット商品が展示されていて商品の多さに驚くばかりでした。

本書で「ヒット商品を生み出す秘訣」について書かれていて商品の本質を見抜くことが肝要と語らえています。

本質を見抜くアプローチの方法は数多くあるが、最も重要なのが「前提を疑う」ことと述べ、マルセル・デュシャンにより制作された「」を紹介しています。

「泉」セラミック製の男性用小便器に「R.Mutt」という署名と年号が書かれ、「Fountain」というタイトルが付けられています。

近代美術から現代美術、ヨーロッパ近代芸術からアメリカ現代美術、視覚的な芸術から観念的な芸術へと価値観が移行するターニングポイントとなる作品である。

それゆえ作者のマルセル・デュシャンは「現代美術の父」「ダダイズムの父」とみなされている。

アートペディア 抜粋

「そもそもこれでいいのか?」と前提の正否を一度検証し、過去の習慣や常識に縛られないことが新しいアイデアには大切という事です。

もう一つのアプローチとして、「人の話を聞く」ことの大切さを述べています。

じっくり悩みを聞き、相手の抱えている問題を洗い出し、取り組むべき課題を見つけていくことです。

佐藤さんはこの事を「問診」と呼び、プロジェクトを進めるうえで多くの時間を割くと言います。

一流のクリエイターも話を聞く際は、好きな人・嫌いな人といった邪念を排し、常にニュートラルに捉える姿勢で取り組まれていることに感銘を受けました。

「努力の上の辛抱という棒を立てろ」 桂小金治 タレント

10歳の頃ハーモニカが欲しかった桂さんは父親にせがみます。

すると父親は「いい音ならこれで出せ」と神棚の榊(さかき)の葉を一枚とって「ふるさと」を吹き「俺にできてお前にできないわけがない」と言われます。

学校の行き帰り一人で草笛を練習しても一向に音は出ません。諦めて数日で練習をやめてしまいます。

それを知った父親が「おまえは悔しくないのか。俺は吹けるがお前は吹けない。お前は俺に負けたんだぞ」

「一念発起は誰でもする。実行、努力までならみんなする。そこでやめたらドングリの背比べで終わりなんだ。」

「一歩抜きん出るのには努力の上の辛抱という棒を立てるんだよ。この棒に花が咲くんだ」

その言葉に触発され、来る日来る日も練習を重ねメロディが奏でられる様になったのです。

草笛が吹ける様になり両親の前で披露し得意満面の桂少年に父親は「偉そうな顔するなよ。何か一つのことができるようになった時、自分一人の手柄と思うな。」

「世間の皆様のお力添えと感謝しなさい。錐(きり)だってそうじゃないか。片手で錐は揉めむ」

努力と人様への感謝を気づかせてくれた父親は翌朝枕元にハーモニカを置いてくれてたそうです。喜び勇んで父親のところに駆けつけると

「努力の上の辛抱を立てたんだろう。花が咲くのは当たりめだよ」と子ども心にこんな嬉しい言葉はなかったようです。

教育は各家庭によってそれぞれではありますが、大人になっっても強く印象に残る言動はその人の価値観にも影響を与えます。

まとめ

通読して気づいたのは、「感謝」について触れられた内容が多くありました。

本書には多方面で偉業を成し遂げたさまざまな著名人の話が登場しますが皆さんの言葉は謙虚で語られています。

自らは多くの努力を重ね失敗も多く綴られていますが、成功した理由については他人や周囲の環境のお陰という想いが伝わります。

365人もの印象深いエピソードは分野は違えど自らの状況や心情にピッタリのエピソードがきっとあるように思います。

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