紹介本『橋下徹の研究』

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橋下徹の研究 百田 尚樹

今回紹介する本は作家の百田 尚樹さんがテレビのコメンテーターとして歯に衣着せぬ言い方で、意見を述べる橋下徹氏の膨大な言動を徹底検証した「橋下徹の研究」です。

作家の百田 尚樹さんの作品を初めて読んだのが「永遠の0」で、その内容に感銘を受け、「知覧特攻平和会館」を訪れたり、その後公開された映画も映画館へ見に行きました。

同じテーマで小説を描かないスタイルですが、「海賊とよばれた男」や「風の中のマリア」など面白い作品が多く、長くにわたり年間100万部以上の売り上げを続ける人気作家です。

YouTubeなどの発言で、過激な表現もありますが、作品が面白く、読みやすいので、多くの作品を読む機会があります。

今回紹介する「橋下徹の研究」は、ウクライナ問題や靖国問題などに関する橋下徹氏の発言に関して別の意見を述べる形での評論です。

橋下徹氏は自分の意見をはっきり述べるので一定の支持者がいて、テレビ番組への出演も多いと思いますが発言に世論が影響を受ける事を本書では、危惧しています。

特に情報をテレビからのみ入手している層が日本の安全保障問題や靖国問題に関して橋下徹氏の影響を受けることに強い危機感を持っている事を本書で述べています。

出版社 内容紹介

ついに突き止めた違和感の正体!テレビばかり見ている人がこの本を読んだら100%腰を抜かします!

圧倒的影響力を誇る日本一のコメンテーター・橋下徹氏の膨大な言動をベストセラー作家・百田尚樹が魂の徹底検証!
爆笑!衝撃!驚愕!これは単なる”批判本”ではない!日本に浸透する恐るべき問題をも浮き彫りにする警世の書だ!

【目次】 
1章 ロシアにはロシアの理がある
2章 「中国にお願いかお土産が先やろ」
3章 戦う一択ではダメだ!
4章 ナザレンコ・アンドリー氏への罵倒
5章 靖國神社に代わる追悼施設を作れ!
6章 ”親中派”大物議員を高く評価
7章 沖縄と日本の分断を図る男?
8章 橋下市政と上海電力のステルス参入
9章 元教諭の証言
付録 ある女性の告白

政治的妥協の連呼

昨年ロシアがウクライナを一方的に侵攻してからの橋下氏の発言の支離滅裂さや事実の曲解、専門家に対するトンチンカンな意見に関して詳細にツイッターの内容やテレビでの発言を紹介し、その問題を正しています。

昨年のロシアが一方的にウクライナ侵攻を行った後の3月1日に橋下氏は「制裁をかけつつ、最後には政治的妥協しかない。譲歩を恐れる政治家には解決できない」とツイートしています。

政治的妥協とは何かの具体的な説明がないまま3月と4月の二か月間で、「政治的妥協」という言葉を用いたツイートを百三十六回も行ったいるようですが、一度も具体的にどういうものなのかを説明していない様です。

因みに橋下氏が「政治的妥協」について若干具体的に言及したツイートが「ちなみに政治的妥協は一歩的な降伏とは異なります。戦争を終結する方法として、戦闘以外の終結方法の一つ。最善解。ゼレンスキー大統領も戦争を終結するには協議しかないと言っています。」です。

このツイートに関する百田氏の評論が以下の抜粋内容です。

橋下氏によると、「政治的妥協」は降伏とは違うようですが、それがどのようなものかは書かれていませんでした。

ただ最後のツイートをよく読むと、どうやらそれは「協議」らしいのですが、「協議」で戦争が終わるのなら、それが最善解というのは子供でもわかります。

お互いにどう妥協できるか、それが見えないからこそ、協議にならないのです。

誰もが協議(話し合い)で戦争が回避できれば、それが最善であることはわかります。

ここで橋下氏の頭の中で「話し合えばすべてが解決するというお花畑なんだと」と思ったら、間違いで、橋下氏の本当の狙いは別のところにあるのではないでしょうか。

政治的妥協の連呼 抜粋

橋下氏との議論の齟齬のポイントや詭弁への指摘も本書では多くあり、納得する部分も多くあります。

ツイッターでの橋下氏の意図するところが別にあったとしても、橋下氏の言動が結果的に他国の工作に加担してしまう恐れがあることは頷けます。

「行列のできる法律相談所」というテレビ番組で橋下徹氏を知ったときは、と面白い人だな、というのが第一印象でした。

その後、犬猿の仲だった大阪府と大阪市が大阪維新の会の台頭で現在一体となり行政が進めらていることの橋下氏の功績は大きかったように思います。

市や県の行政は首長の手腕で大きく変化できるモデルが大阪維新の会ですが、その維新でさえ地方政党で国を動かすまでには至っていません。

著者のさんが言うように、ロシアによるウクライナ侵攻を巡る彼のツィートには大いなる疑問を感じていましたが、それは国家としての安全保障問題だからかモヤモヤしていました。

本書を通読すると、橋下徹氏についての人物像が大きく変化しました。

橋下徹氏は政治家に再度なることは絶対ないと事あるごとに語っていますが、この国の総理大臣の候補者としてよく名前が挙げられることにも危機感を感じる本書でした。

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