このブログ「介護役立つ情報」では、介護の仕事について情報をお伝えしています。
コロナ禍における介護現場の課題と支援情報についてお伝えしています。
コロナ禍 介護職の8割以上がストレス
新型コロナの感染拡大が始まって1年以上が経過したものの、医療や福祉の現場では過酷な状況が続いています。
当初は全国的にエッセンシャルワーカーに対する感謝や応援の動きもありましたが、1年が経つ今以前ほどのメッセージは伝えられていません。
特に今回の第4波は変異株が大半を占めるようになり、感染力、重症化率も上がりストレスも大きくなっています。
一般の方にとっては、蔓延防止法や緊急事態宣言下でも行動制限に関して嫌気を感じている方もおられる思います。
介護に携わる人は日々の生活においても細心の注意に払う期間が続いています。
重篤化しやすい高齢者や基礎疾病のある方に非接触でサービス提供できない以上、自分が感染させないかという重圧は大きいものです。
中でも一度感染が発生した事業所においては、利用者だけでなく、自らの家族にも感染させる可能性へのプレッシャーも大きなものです。
ワクチン接種が始まり、サービスを提供している利用者の接種がすすむまでの間、もうしばらく、自らの体調にも目を向けながら過ごして欲しいと願っています。
以下はその様な介護現場を取材された介護職の生の声の一部です。
ケアワーカーの8割以上がストレスを感じている 続くコロナ禍に介護現場の悲痛と支援の動き
FNNプライムオンライン
介護職支援への活動
上記のFNNプライムオンラインの取材の中で介護職の生の声をアンケート調査しているのが「care for careworkerプロジェクト実⾏委員会」です。
発起人・秋本可愛さんは、株式会社Blanket(ブランケット)という介護福祉事業者の採用や人材育成支援などを行う会社を経営しています。
秋本さんは「ケアワーカーをケアしよう|コロナ禍の介護・福祉従事者に支援を」というプロジェクトを立ち上げ、介護職への支援活動を行っています。
秋本さんはFNNプレイムオンラインの取材で以下の様に語っています。
「ケアワーカーはいつも誰かのために頑張って、自分のケアを後回しにしがちです」と語っています。
「介護・福祉職の方々は、感染予防のためにご家族との面会制限や行動範囲が憚られる中、少しでも暮らしに彩りを守りたいと創意工夫を重ねてきました。
ご利用者のために、ご家族のために、仲間のためにと、いつも目の前の人のために頑張ってしまう『ケアワーカー自身のケア』が今必要だと感じています。
いつもは高齢者や障がい者のケアをするケアワーカーが、今回のプロジェクトを通じて、ささやかながらかもしれませんが、たくさんの人の想いが詰まったケアが届く。
そんなケアの循環を今回のプロジェクトをきっかけに生んでいけたらと思っています」
FNNプライムオンライン
ひとりで抱え込まず皆なでこの環境下を乗り越えていっているという連帯感やサポートをしていきたいと考えている方が多くいることにも目を向けて欲しいと思っています。
介護職へのサポート
介護の仕事に携わる皆さんは、もともと奉仕の気持ちが強く使命感で頑張り過ぎていまします。
感染拡大から1年が過ぎようやくワクチン接種の道筋が見えてきていますがギリギリの状況でサービス提供している状況は継続しています。
明けない夜はないですし、ワクチン接種が進み感染者減少している国の状況を近い将来の自分達と勇気付け、まずは自らの心身の変化についても目を向けて下さい。
以下は横浜市が医療機関・福祉施設等で働く皆様へと題してホームページに掲載している内容です。
立場は違えども一緒に感染対策を行っている仲間としてのメッセージと介護職の体調を気遣う願いが込められています。
自分向き合い方法やストレスを軽減する方法など参考になればと思います。
日々、状況が変わる現場でいつもと違うストレスを感じる場面が増えていると思います。
自分自身や家族の感染リスクを背負いながら、仕事と生活を維持することは、自分で想像する以上に緊張状態が続くことがあります。
そのような状況の中で少しでも自分を守ることができるよう、起こりうる心身の変化やその対処法など、こころの健康を保つためのヒントになることをまとめました。
横浜市HP
知っておきたい心身の変化
支援者としての使命感や誇りがある一方、いつもと違う状況で判断に迷うことがあったり、自分が思うような役割や責任を果たすことができないと感じることもあるでしょう。
そのような自分に罪悪感を抱いたり、職業アイデンティティが揺らいだりすることもあります。
ストレスの反応はすぐに出るとは限りません。
時間が経ってから症状が出てくることもあります。
その多くは一時的なストレス反応であり、多くの方は時間とともに自然に回復していきます。
まずは、今の自分の状態に目を向けてみましょう。
こころの変化
・怒りっぽい、イライラする
・不安を強く感じる
・気持ちが落ち込む/高ぶる
・自分を責める気持ち、無力感が強くなる
・考えがまとまらない
・誰とも話す気になれない
からだの変化
・寝つきが悪い、途中で目が覚める
・頭痛、吐き気、胃の痛みがある
・食欲が落ちた、あるいは食べ過ぎてしまう
・疲れがとれず、いつもだるい
・緊張を解くことができない
今の自分の状態を知りましょう(ストレスチェック)
■ 新型コロナウイルス感染症対応に従事されている方のこころの健康を維持するために(日本赤十字社)(外部サイト)
■ こころの耳(新型コロナウイルス感染症対策)(厚生労働省)(外部サイト)
:相談窓口、セルフケア、ストレスチェックが掲載されています。
■ こころナビかながわ(神奈川県)(外部サイト)
:ストレス要因を可視化します。
自分のためにできること
自分自身を十分に労わることは、とても大事なことです。
業務上の精神的負荷が増えている今、できる範囲で自分を労わる行動をしてみてください。
日常生活でできること
- いつもより意識をして食事、水分、睡眠をとりましょう。
- トイレにも行きましょう。
- 短くても仕事と関係ない時間を持つようにしましょう。
- 休息を意識して取りましょう。
- リラックスする時間を作りましょう。(音楽を聴く、軽い運動をする、おしゃべりをする、映画を観る、読書、マッサージ など)
- 寝る数十分前に40度前後のお湯で入浴をすると、眠りやすくなります。(一度上がった体温が下がることで眠くなります)
- 思うように眠れなくても焦らず、疲れが取れたかに目を向けましょう。
- 睡眠前にいつも同じ動作をすることでリラックスし、眠る準備がしやすくなります。(入浴、水を飲む、寝間着に着替える、本を読む、ストレッチをする、日記を書く など)
職場でできること
- 同僚、上司とサポートし合いましょう。
- 同じ立場の人と気持ちを共有しましょう。
- 時には、立場の違う人と気持ちを共有しましょう。
- お互いに褒め合いましょう、時々は弱音も吐きましょう。
- 休息を意識して取りましょう。
- 現実として生じている困り事を共有し、整理しましょう。
- 必要な時には遠慮なく職場に支援を求めましょう。
こころの健康のためにできること
- 自分の仕事の中で、できることやリスクを客観的に理解し、評価しましょう。
- 自分の感情をありのまま受け止めましょう。
- 時には自分自身の感情から離れて、客観的に眺めることもいいでしょう。
- 困難を感じたり、不安に陥った時は家族や友人、周囲の人などに助けを求めましょう。
- 過去に自分自身が辛い時期を乗り越えた時の方法を試してみましょう。
- 自分の働きを褒めましょう。
避けた方がいいこと
- 自分の個人的な悩みやニーズは取るに足らないものだと無理に押し込めること
- ストレスから逃れる手段として、アルコール、喫煙、薬などに頼ること
- 休憩を取らないなど、疲労困憊するまで過度に働くこと
- 自分でできる範囲を超えた責任や仕事を引き受けること
- 寝る前にカフェインを摂ったり、テレビやスマホを見ること
こんなサインは要注意
次のような状態で、日常生活や仕事に影響が出ている場合は、専門家への相談や医療機関の受診を考えてください。
- 睡眠が十分にとれない。(寝つきが悪い、途中で目が覚める、早く眼が覚めてしまい寝足りない、悪夢をみる など)
- 涙が出て止まらない。
- 微熱が続く、胃腸の調子が悪い(下痢や便秘など)、吐き気がするなどの身体の調子が悪い。
- 食欲がない、おいしいと感じない、痩せてきた など
- 休日は疲れ切って動けない。
- 出勤の準備をしていると憂鬱や焦燥感を感じて辛い。
- 自分の気持ちがコントロールできない。
- 自分の体を傷つけてしまったり、物を壊してしまったりする。
- いつもと違い、仕事でのミスが続く、集中できず仕事が手につかない。
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