介護転職 有利な介護資格

介護士・ケアマネ・介護福祉士の仕事について説明しました。今回は初めて介護のしごとに就く人が得する資格をご紹介します。その資格とは「介護福祉士実務者研修」です。

前回介護福祉士の仕事説明で介護福祉士の資格取得のルートを説明しましたので、今回は、実務経験ルート(介護福祉士実務者研修)について紹介します。

目次

介護福祉士資格取得方法【実務経験ルート】

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                                  公益社団法人日本介護福祉士会HP参照

前回の「失敗しない介護 仕事選び【介護福祉士編】」で紹介した通り、介護福祉士の社会的地位向上の為に、介護福祉士の資格取得のカリュキュラムも大幅に見直されました。

ホームヘルパーの資格が2013年3月末で廃止され、新たに「実務者研修」「介護職員初任者研修」へ資格制度の改正が行われました。

ホームヘルパーは在宅介護の基礎が学べましたが、施設介護に従事する人が多くなり、ホームヘルパー制度と介護職員基礎研修制度が混在しているため学習内容となりました。

研修内容も重複していたので、分かりにくいキャリアアップ制度を一本化するため資格制度の改正が実施されたのです。

制度の一本化に伴い、【実務経験ルート】の介護福祉士の受験資格は介護福祉士実務者研修のみとなりました。

その為、介護福祉士実務者研修の受講時間はそれまで取得していた資格ごとに追加研修時間が定められました。

ヘルパー1級取得者      合計95時間(医療的ケア、介護過程Ⅲ)必要。

介護職員初任者研修受講者   合計320時間の受講が必要となります。

無資格者           合計450時間の受講が必要、

受験資格変更に伴う介護福祉士受験者減

介護実務者研修の受講料と研修日数が課題

受験精度移行からそれまで増え続けていた受験者が一気に減少してしましました。折角ヘルパー資格の知名度が上がり、実務経験3年のみとシンプルな制度だったのに一気に受験意欲が下がる結果となりました。

厚生労働省の調査でも分かる通りややこしことには、皆んなめんどくさくなってしますもものです。

以下は受験を予定していたが、受験を辞めた理由を調査したものです。

介護福祉士の資格をまだ保持していない人(調査対象者の48.5%)のうち、「受験を目指したものの、途中でやめたことがある」と答えた人は半数近い46.3%に上っています。

その理由は、

  1. 「実務者研修を受講するのに必要な費用負担が大きかった」    52.7%
  2. 「実務者研修のため通学して講義・演習を受けるのが負担だった」 44.9%、
  3. 「実務者研修に必要な研修時間が長い」             44.0%

出典:厚生労働省 2018年08月07日更新

2017年の介護福祉士試験の受験者数、前年度と比べて半分に

厚生労働省の資料によると、介護福祉士の受験者数は、第1回目の試験(1989年実施)では1万1,973人(合格者数2,782人、合格率23.2%)でした。

その後、受験者数は次第に増えていき、第12回の試験(2000年実施)では5万人を突破して5万5,853人(合格者数2万6,973人、合格率48.3%)となりました。

第18回の試験(2006年実施)では10万人を超えて13万34人(合格者数6万910人、合格率46.8%)まで増加

第28回(2016年実施)の試験における受験者数は、15万2,573人(合格者数8万8,300人、合格率57.9%)となっていました。

ところが、2017年1~3月に実施された第29回の試験では、受験者数は前年比7万6,250人減となる7万6,323人となり、前回の試験から半数近くも減ってしまったのです。

受験者の合格率は72.1%(合格者数5万5,031人)と高かったものの、前回よりも合格者数は3万3,269人も減少。

質の向上を行い社会的地位向上を目指す必要性はありますが、人材不足が続く介護業界で、介護福祉士を確保できていないことを問題視する声も高っています。

実務者研修費用の助成金があることを知らない

ただ実務者研修の費用面に関しては、「介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度」という都道府県の福祉協議会による助成制度があります。

この制度を利用することで、実務者研修の受講費用や参考図書の購入費用について、最大20万円まで貸付を受けることができるのです。

その後、介護福祉士の資格を取得し、2年間の介護業務に従事することで返還は全額免除されます。実務経験ルートでの受験を目指す人にとっては、心強い制度だと言えるでしょう。

しかし、今回発表されたアンケート調査結果によれば、この国の貸付制度のことを

  1. 「知らない」という人     76.4%
  2. 「知っている」人       23.6%
  3. 実際に活用したことのある人も 18.5%

以前はかなり高額な研修でしたが、ほぼ通信で受講できるコースもあり、未経験者でも10万を切る研修もあります。

また、受講教室と提携し会社が一部費用を負担し、受講できやすい環境を整えている事業所もあります。入職前に採用ウェブサイトで確認することをお勧めします。

実務者研修を受講する3つのメリット!

受験者が減っている今こそ介護福祉士の資格をとり、多くのメリットを享受しましょう。以下は介護福祉士に合格す前に研修終了することにより得られるメリットです。

メリット①:サービス提供責任者になって給料アップ!

実務者研修を受講することで、訪問介護事業所のサービス提供責任者になることができます。

 訪問介護事業所のサービス提供責任者の主な業務は、ケアマネジャーの立てたケアプランに沿った訪問介護計画書を作成し、その計画書を基に訪問介護サービスを適切に提供できるようヘルパーとの連絡や調整を行います。 

サービス提供責任者は、訪問介護事業所において重要なポジションになります。

そのため、通常のヘルパーに比べると収入も高い傾向にあります。また、訪問介護事業所は日勤帯を営業時間として設定している事業所が多いため、日勤帯での勤務を希望する場合は、選びやすい職場だと思います。

また、会社によってはヘルパー資格より上位で資格手当を支給している事業所もあります。月に5000円の資格手当が支給されたとすれば、2年もすれば研修費用の元が取れます。

メリット②介護福祉士国家資格を受験するために必要

介護業界で介護職として働く場合、介護福祉士資格の取得を目指すことをおすすめします。

前回もお伝えした通り、介護福祉士割当で算定金額が変わるサービス提供体制加算の上位加算は介護福祉士は必須です。どの事業所も介護福祉士は採用に有利となっています。

先程から説明している通り介護福祉士受験資格の必須となっています。

介護福祉士は介護職の中核的な役割を担う存在として位置づけられており、取得するとスキルアップ、キャリアアップ、待遇面においてメリットがあります。

メリット③:業務について幅広く学べる!(介護過程Ⅲや医療的ケア)

たん吸引や経管栄養が学べる

実務者研修は、専門性の高い学習内容です。特に、実務者研修で学習する介護過程Ⅲと医療的ケアは、介護職員初任者研修で学習しません。

介護過程Ⅲでは、介護現場の事例を基に、受講生同士でグループワークを行います。この事例検討は、自分と違った意見や対応を学習する大変に良い機会となります。

また、医療的ケアでは従来看護師等の医療職が行っている喀痰吸引や栄養経管について学びます。

ま と め

人手不足の介護業界では、無資格、未経験の方にも求人があり、多くの方が現場で無資格、未経験で働いています。

しかし、求人条件に介護職員初任者研修や実務者研修の修了を記載している求人情報も多く、介護事業所として専門知識を持っている方を雇用したいため、待遇面で優遇することがあります。

特に実務者研修受講者は将来的に介護福祉士の受験が出来るため、事業所としても積極的に採用したい資格です。

介護の仕事は長期にわたり就業が可能ですので、技術と知識を高める上でもぜひ取得したい資格です。

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