SDGs 自由研究

目次

そもそもSDGsって何?

SDGsとは「だれひとり取り残さない」という決意のもと、持続可能な未来をつくるために今私たちが何をすべきかをまとめたものです。

環境、貧困、人権、開発、平和など世界はさまざまな問題をかかえています。

子どもたちであれば自分たちが大人になったときのため、大人であれば今日からの未来をもっと生きやすくするため、SDGsはすべての人に必要な達成目標がギュッと詰め込まれています。

17の目標・169のターゲットで構成されている

SDGs17の目標アイコン
出典:国際連合広報センター

もう少し踏み込むと、SDGsは17の主要な目標と、それを達成するための169のターゲットで構成されています。

目標とターゲットを詳細に設定することで、各国や地域は自分たちの問題でもあるという意識を持つことができ、「社会」「経済」「環境」の大きな3つの分野で確実に取り組みを進められるような仕組みになっているのです。

そしてSDGsは達成状況を測ることも特徴で、毎年ランキング形式で世界各国の状況がまとめられています。次では日本の達成状況を確認しましょう。

日本のSDGsの達成状況

<日本の達成状況年度別 Sustainable Development Report>

年別:日本のSDGs目標達成度と進捗
引用元:SUSTAINABLE DEVELOPMENT REPORT 2021

2015年に提唱されてから今年(2021年)で6年が経過しました。

2021年の日本の順位は世界で18位と低い達成状況となっています。

SDGsに関する生活者調査』において、ここ2年で認知率は8割超と理解が進んできました。

まずはチェックしたい!ナマケモノにもできるアクション・ガイド

国連ではすべての人がSDGsにかかわれるよう「持続可能な社会のために ナマケモノにもできるアクション・ガイド」を推奨しています。(※2)

持続可能な社会のためにナマケモノにもできるアクション・ガイド

レベル1 ソファに寝たままできること

レベル2 家にいてもできること

レベル3 家の外でできること

レベル4 職場でできること

これは私たちはナマケモノだと言っているのではなく、力を抜きながらでも日常からSDGs達成に進んでいけるということを示しています。

では、このナマケモノにでもできるアクション・ガイドをどのように自由研究に活用すれば良いのでしょうか。

自由研究のまとめ方の例

ここでは、レベル2の「できるだけ簡易包装の品物を買おう!」を例に、自由研究のやり方を見ていきましょう。

  1. 普段使っている商品に使われている包装の重さをチェック
  2. 次に簡易包装商品を見つけ出す。その包装の重さを量る。
  3. それぞれの重さを比較して表にまとめる

少ないステップかつ、普段の買い物から親子で一緒に取り組める内容です。簡易包装商品が売っている店や、過剰包装が環境に与える影響をまとめても良いかもしれません。

ナマケモノにもできるアクション・ガイドはこちらから

次からは、もう少し踏み込んで、各目標ごとの研究テーマのヒントを見ていきましょう。

小学生のうちからSDGsを理解してもらうために、多くの企業がSDGsをテーマにした小学生向けの自由研究コンテンツを公開しているので紹介します。

味の素「食べて!学んで!SDGs」

“たべる楽しさを、もっと”をコンセプトに、毎日のおいしいをつくるレシピを中心にお届けしている「AJINOMOTO PARK」では、おもに小学生を対象にしたスペシャルコンテンツ「食べて!学んで!SDGs」を公開しています。

6つの自由研究のテーマとは

「食べて!学んで!SDGs」で紹介している夏休みの自由研究テーマは6つ。
研究テーマの内容だけでなく、用意するものや研究の進め方なども丁寧に説明しており、なんと1日でできる自由研究もあります。

さらに、研究した内容をレポートするための「カンタンまとめ用紙」もダウンロードでき、学んだ内容をまとめることで、フードロスや環境課題、SDGsや食と健康についてより深く学べる充実した内容となっています。

うちのフードロス調査隊

かかる日数:2週間

これは2週間かけて行う調査です。最初の1週間は、ご家庭で捨てた食べ物の名前と量、捨てた理由と原因を表に毎日書き入れていきます。そして1週間が経過したら、その捨てた食べ物の量を計算し、その結果からどのようにすれば捨てずに済むかを家族で話し合い、対策をまとめ、次の1週間の結果と比較し、考えをまとめます。

地球をすくうエコなクッキング

かかる日数:1日

ご家庭で料理をつくるときに、普段なら捨ててしまう野菜の皮や芯を使った料理のレシピや、食べ残した料理をリメイクするアイデアを紹介しています。つくり方、食べた感想、味、かたさ、見た目などをまとめます。

食品ようきは今と昔でちがうかな?

かかる日数:1日

飲み物、野菜、肉や魚、お弁当、たまご、おかしなどの容器の形や材質を、絵や写真で一覧にまとめます。このとき、容器の材質を確認し、リサイクルの識別マークなども記載します。その次に、それぞれの食材が昔はどのような容器で販売されていたのかを調べ、今と昔の容器のメリット、デメリットをまとめます。

葉物ヤサイの長生きサバイバル!

かかる日数:5日

レタスと青菜を使って、野菜の鮮度の変化を3日~5日間観察するものです。野菜の鮮度を保つ方法を試してみて、その経過を観察することで、食べ物を大切にすることの考えをまとめます。

ふるさとヤサイをさがせ!

かかる日数:2日

1日目に買ってきた野菜の産地と重さを表に記載し、自宅まで運ばれた距離を計算してまとめます。その距離と重さを合計し、2日目には、その距離と重さの合計が少なくなるように買い物をします。1日目と2日目の表を比較し、その結果をみながら、考えをまとめます。野菜を運ぶ車の燃料による環境負荷を考える研究です。

ヤサイのけんこうカラーマッピング

かかる日数:2日

1日目には、色ごとに分けた表に、家庭で食べた野菜の名前を書き、栄養やはたらき、旬の季節を記入します。その内容をみて、足りなかった色と今が旬でない野菜をチェックし、2日目に購入する野菜を計画。2日目の表に食べた野菜を同じように記入し、その違いからわかったことや気づきをまとめます。

学研 自由研究テーマを探す SDGs特集

「SDGs」という言葉を聞いたことはあるかな?
これは国連が2015年に打ち出した「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことで、
「1 貧困をなくそう」など2030年までに達成すべき17個の目標が掲げられているんだ。
遠い国のことのように感じるかもしれないけど、ひとりひとりがSDGsについて考え、行動していくことがとっても大事!
まずは、自由研究でSDGsについて取り組んでみるところからはじめてみよう!
※各目標の自由研究テーマは、これからもどんどん増えていくよ。

学研 キッズネット 参照

Honda eといっしょに「防災ぼうさい」や「電気」を学ぼう

ホンダのホームページ内の「Honda Kids 」にはこの時期夏休みの自由研究のテーマが多く掲載されます。

自由研究テーマは「実験」「観察・調べ学習」「工作」などカテゴリ分けされていて、小学1年生~6年生と成長に応じて興味のあるテーマが用意されています。

この度は自由研究の中に「Honda eといっしょに「防災ぼうさい」や「電気」を学ぼう」と題してSDGsの目標「11.住み続けられるまちづくりを」と「13.気候変動きこうへんどうに具体的な対策たいさく」に関する自由研究テーマを用意しました。

研究テーマで用意されたクエッションは、大人の多くも普段意識していない内容も多くあり、調べ方も丁寧に紹介されているので、調べてみても面白いと思います。

■「防災」をテーマとした調べ学習:もし1日電気が使えなかったら?

家庭内で消費する電力や身近な家電製品を自分で調べ、災害時に必要な備えや行動を考えることができます。

Q毎日どんなことに電気を使っているかな?

Q毎日どれくらい電気を使っているかな?

Q停電ていでんはなぜ起こる?

Q停電になると特にこまることはなんだろう?

Q停電ていでんの体験談などを調べ、どんなそなえがあればよいか、考えて書き出してみよう

・電気自動車が防災ぼうさいにどう役立つか、調べてみよう。

乾電池かんでんちで動かせて防災ぼうさいに役立つ電気製品せいひんにはどんなものがあるか、調べてみよう。

自由研究 with Honda e 抜粋

気候変動により毎年大きな自然災害が増えています。また、地震大国日本においては高い確率で発生する大震災に備え防災・減災は、行政だけで出来ることではありません。

体の不自由な高齢者や障がい者へサービスを提供している福祉事業者に対し国は災害や感染対策におけるBCPを立てることを2021年度の4月改定で義務付けました。

その災害対策で国が示す対策の多くを子供のうちから知識として身に付けることは大切です。

SDGsの目標である 「11.住み続けられるまちづくりを」 災害対策は個人レベルで日頃より備えられることは多くあります。

また、人口減少が進み財政が脆弱な地方都市によって公費でできる対策では防げない課題は山積みです。

コミュニティや新たなテクノロジーと地域住民の当事者意識の違いで都市間格差が広がっていくように思います。

■「エネルギー」をテーマにした実験:電気でモノを動かしてみよう

電気自動車が電気で動くように、電気を動力に変えてブランコを作る実験です。

具体的内容は写真で丁寧に説明されているので簡単に実験工作を作ることは可能です。

いずれも、ホームセンターなどで手に入れやすい材料を使い、1日程度でチャレンジできる内容です。

この実験を通じて科学の面白さを体感しながら、電気を動力に変える仕組みを学び、エネルギーについての理解は深まると思います。

小学生対象 SDGs 自由研究

その他にも多くの企業や団体が夏休みの自由研究のテーマとしSDGsの自由研究テーマを用意していますので紹介します。

「食べて!学んで!SDGs」 味の素

味の素グループ製品を基軸として食にまつわるSDGsを楽しく学べて、家族みんなでSDGsを考える機会が提供されています。
これからの地球環境や社会課題について考え、身近なところから私たちができることを発見してみましょう! 

<食べて!学んで!SDGs>
https://park.ajinomoto.co.jp/special/tgtw/jiyukenkyu/

ベネッセ 未来と向き合う夏にしよう

ベネッセのSDGs自由研究「未来と向き合う夏にしよう 」の特徴はSDGs17つの目標それぞれに自由研究テーマを用意していることです。

3日でできる内容から1か月程度かかる内容など小学生低学年から中学生まで学べる内容となっているのは流石日頃から学習教材を扱っている企業ならではです。

ベネッセコーポレーションとしての「サスティナブルな社会へ」というサイトも立ち上げ企業として取り組んでいる姿勢が感じられます。

こども教育総合研究所

ヒューマンアカデミーこども教育総合研究所も「【2021年版】自由研究のテーマはこれで決まり!子どもと「SDGs」に取り組もう!」題してページを立ち上げています。

テーマを3つほど紹介していますが、あまり力が入っているようには思えない内容です。

下記の通り教育的にもさまざまなメリットがあるという説明が書かれていましたが、親に向けたメッセージとしても少し具体性に欠けるよにも感じました。

自分と同世代の子どもが直面している世界の問題に目を向け、普段の生活では知ることのできない世界を学ぶことで、子どもの新たな学びや、グローバルマインドを育てることにも繋がるでしょう。

教育的にもさまざまなメリットがある「SDGs」について、この夏休み期間を活用して、お子さまと一緒に考える機会をつくってみてはいかがでしょうか。

自由研究のテーマはこれで決まり!子どもと「SDGs」に取り組もう

東京ガス

東京ガスのホームページにある小学生の自由研究に! 親子で「SDGs」~楽しみながら省エネに~【東京ガス都市生活研究所】は自社のサービスに特化した省エネテーマの研究です。

楽しみながらの省エネと題していますがワクワクするすすめ方ではないように感じます。

いきなり省エネと伝えるまでの脱炭素や2030年に向けた温室効果ガスの削減目標についての背景の説明が少ないです。

あえて伝えていないのであれば、このページは作らなくてもいいのかなとも感じました。

このSDGsに関するブログではSDGsウォシュに関して何度か取り上げています。企業や団体が発信する場合そのサイトの熱量は伝わっていくものだと感じます。

パナソニックキッズスクール

「パナソニックキッズスクール」とは、未来の主役になる子どもたちが“夢や未来”の可能性を発見し、自発的な興味・関心に基づいて、自ら学び、生きる力を身につけることを応援する次世代プログラムの総称です。

パナソニックキッズスクールのSDGsキッズ版では、SDGsの17の目標に関して、教材をダウンロードすることが出来ます。

教材は先生・保護者の方に向けて、小・中・高生がSDGsへの理解を深めることを目的に作成されています。

ロボえもん 夏休みはSDGsをテーマに自由研究

ロボえもんは、こども用のプログラミングスクールです。

その記事のなかで「夏休みはSDGsをテーマに自由研究」で以下のような研究例を紹介しています。

  • 二酸化炭素はどこに多く含まれている?
  • わたしたちは二酸化炭素をどれくらい排出している?
  • おうちで出ている食品ロスはどれくらい?
  • 一週間または一か月ヴィーガン生活をしてみるとどうなる?

SDGs子供向け 書籍

小中学生の理解がすすむ選書図書ランキング

まとめ

少し大きな都市であれば科学館があり、小学生の学年に合わせた興味深い展示が多くあります。

小さい頃からテクノロジーの興味を持ち、はまり、社会課題に触れることでやりたいことがたくさん見つかることで優秀な人材が輩出されることで明るい未来につながると思います。

Honda Kids 」 の自由研究テーマは大人がみてもワクワクする実験や観察が用意されていますので是非覗いてみて下さい。

NEWSPICSの落合陽一氏と河野大臣の対談で大臣が「世界における日本人の信頼はまだまだ大きくて、決めるまでは時間が掛かるが一度決めたことを前に進める誠実さと愚直さは大いに信頼されている」と述べていました。

日本は多くの課題を抱えていますが、まだまだ出来ることも多くあり、子供たちが明るい未来をワクワク感じれる発信を大人がしていければと感じています。

最近では「サステナブル」と向き合うZ世代が明らかに新しい価値観で気軽に自分の想いを発信するようになりました。

小さなうちから社会課題や環境問題などに関心を持ち気軽に自分の想いを発信できることが更に進めばひとつの小さな声が、次第に大きな波になり世の中の流れを変えるうねりになると思います。

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SDGs 保護者の9割以上が子供に学んでほしい! | takamyublog へ返信する コメントをキャンセル

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