紹介本 「まかり通る」/ 仕事も人生も楽しくなる!

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まかり通る【電力の鬼・松永安左エ門】小島 直記 / 東洋経済

この小説で生涯を記された松永 安左エ門(まつなが やすざえもん)は、電力業界で活躍した実業家です。

戦前は鉄道会社設立に参画し、その後九州、近畿、中部に展開した東邦電力社長、関東の東京電力取締役を務めています。

また戦後は政府の電気事業再編成審議会会長に就任し、戦時体制で国有化された電気事業の構造改革として九電力体制の枠組みを整えています。

これらの業績を通じて日本の電力業界に大きな影響を与え、「電力王」「電力の鬼」との異名を持ちます。 wikipedia抜粋

物語としては立身出世のみならず、女遊びや相場で大損する様など人間味あふれる一面と一人の生涯でこれほどの事業や政治に関わった人物像の魅力満載の小説です。

私が感じたこの本の3つのポイント

①慶応義塾での恩師福沢諭吉との出会い

②逆境に強いメンタル

③戦後復興時の明治生まれの気概

慶応義塾での恩師福沢諭吉との出会い

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東京へ出て15歳で慶應義塾大学に入学、16歳のときには真性コレラかかり、21歳の秋に再び慶應義塾に戻っています。

松永安左エ門の著書『人間 福澤諭吉』で彼が「生涯の恩師」として最大の尊敬の情を捧げた福澤諭吉との出会いはその後の人生に大きな影響を与えています。

特に福澤諭吉の朝の散歩に大勢の学生がお供する様子は読んだ人の学びになると思います。

福沢諭吉の謦咳(けいがい)に接すると共に、福澤桃介との出会いもその後の人生に大きな影響を与ています。

卒業まであと一年という時に、学問に興味が湧かなくなったことを福澤諭吉に告白すると、「卒業など大した意義はない。そんな気持ちなら社会に出て働くがよかろう」と勧められて退学しています。

慶應義塾大学中退後、福澤桃介の紹介で日本銀行入行したり、福澤と共同で材木商や石炭業を営みます。

人間が成長するのに人の出会いと環境は大きな意味を成します。青年期の出会いと環境で育んだことが私心のみならず、その後の人生で日本国にも想いを馳せれるようになったと思います。

逆境に強いメンタル

破天荒な生き方で大成功を収めた後も、株暴落ですべてを失い隠遁生活となります。

その後再起し独自の経営哲学で事業を拡大し大実業家として大成していきます。

盟友福沢桃介とは成功時、どん底時も人生において交わりがあり、互いに前向きに行動する姿は学びが多い小説です。

戦後復興時の明治生まれの気概

明治時代のみならず、明治・大正を生き抜いた先人達の戦後日本の復刻にむけた取り組みは凄まじいものがあります。

その功績で積み上げた国としての国力をよく平成が失われた30年等揶揄されます。

前回紹介本「シン・ニホン」で安宅和人さんは明治維新や戦後のニホンを例え、どん底まで落ちこんだ時の日本の底力に現在も期待されています。

歴史の偉人や物語に学び、未来のニホンを悲観するのではなく出来ることから行っていきたいと思います。

日本の復興に尽力した後、官僚たちと大喧嘩の末、一切の職から引退して再び隠遁生活へ、、順風満帆でない人生も前向きで落ち込まない明るさで切り抜けて行きます。

生涯現役で押し通した人生は凄まじさがあります。以下のエピソードは物語に登場する主人公そのものの逸話として紹介します。

1964年4月29日付の最初の叙勲で松永は勲一等瑞宝章に内定するが、首相の池田勇人から直々に打診された松永は「人間の値打ちを人間が決めるとは何ごとか」と激高し、受章を拒否する。

困った池田は松永に可愛がられていた永野重雄に説得を頼み、小田原の松永邸に尋ねた永野は、松永に対して「あなたが叙勲を受けないと、生存者叙勲制度の発足が遅れて、勲章をもらいたくてたまらない人たちに、迷惑がかかる。それに、あなたはどうせ老い先が短い。死ねばいやでも勲章を贈られる。それなら生きているうちにもらった方が人助けにもなりますよ」と迫った。松永は不本意ながら叙勲を受けることは了承したものの、勲章授与式を欠席した。

wikipedia抜粋
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まとめ

東京都江戸川区にある「読書のすすめ」と同じ場所に設置された読書普及教会が推薦図書として紹介していてこの本を知りました。

15年ほど前船井幸雄氏が主催するフナイオープンワールドで「読書のすすめ」さんが出店されていた記憶があります。

その当時からベストセラーを扱うのでなく本当にいいと思った書籍だけを進められたいた記憶があります。その時「心はゴムひも」と言う書店にない本を買った記憶があります。

斉藤ひとりさんもお勧め本としても紹介されていました。

ゼロから起業し、たくさんの失敗と成功を繰り返しながらどんどん成長していく物語です。電力界に大きな貢献をした松永安左衛門の生涯について書かれたこの本は称賛ばかりではありませんでした。

起業、女遊び、相場、、、破天荒生き方大成功を収めるも、株暴落ですべてを失い隠遁生活へ、二年後に再起、独自の経営で事業を拡大し、大実業家として大成功。

この本は非常に読み応えがあり、主人公の破天荒な生きざまと、主人公の器の大きさが印象に残った作品でした。

今の時代は社会やマスコミ、世論が正義感をかざし重箱の角を突くような報道がなされますが、本当の意味で器の大きな政治家、経営者が育ちにくい環境にある様な気がします。

コロナ禍において、閉塞感に覆われ、今こそ強烈なリーダーシップで一気に変化していく時代が近づいているような気がします。

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