紹介本『習近平政権の権力構造 1人が14億人を統べる理由』

目次

習近平政権の権力構造 1人が14億人を統べる理由 / 桃井 裕理

今回紹介する本は、日本の書店で話題沸騰中の一冊、「習近平政権の権力構造 ー 1人が14億人を統べる理由」です。

この本を読むきっかけは、成毛眞さんのフェイスブック情報です。

ボクが毎日欠かさず見ている番組。BSテレ東の「日経ニュースプラス9」だ。その日のテーマによってスキップする日もあるけれど、だいたい「岸本踊り」までは見ている。岸本踊りとはマーケット解説を担当する岸本キャスターが指示棒を持って画面のなかで踊るように解説するコーナーだ。

さて、その番組の中で中国がテーマだったときに登場するのが日経新聞中国総局長の桃井裕理さんだ。ゲストの中国専門家の先生たちを出し抜く情報量と的確な分析。地頭も受験脳もいい人ってこういう人だよなあと思わせる人。

その彼女の新刊なのだが、これがじつに怖い。まだKindleで26%までしか読んでいないのだが、やばいなあ。次の10年間で「大躍進」か「文化大革命」のどちらかに匹敵するような事象が起こることが容易に想像できる。それが国内向けだったら中国が自滅するだけなのでまあいいというかお楽しみだけど、対外戦争になったらと考えるとホント怖い。

本書は公式記録とデータに基づく習近平分析を”楽しめる”唯一の本かもしれない。

成毛眞さんFB

この本は、習近平氏の権力掌握からその統治スタイルまでを徹底的に掘り下げ、読者に深い洞察を提供します。原著者の情熱と洞察力が、この書籍に息づいています。

【本書の内容】

「習氏は様々な場でこう訴えてきた。『100年に1度の変革の時が来ている。世界、時代、歴史の変化がかつてない形で展開する』。

その言葉からは、世界がもはやかつて来た道へと帰ることのない『ポイント・オブ・ノーリターン』に立つ覚悟が滲む」(本書おわりに「『中国式鎖国』と世界が迎える『ポイント・オブ・ノーリターン』」から)

習近平政権の第3期が幕を開けた現在、中国と世界が対立の構図にある中、その統治スタイルや展望についての理解がますます重要となっています。

この本は、習近平氏の幼少期から文化大革命時代、地方幹部としての経歴までを精緻に追跡し、彼のプロファイリングから未来を予測します。

目次とあらすじ

■第一章 習氏の権力掌握への道――ビジュアルデータ篇

1 党内権力の「破壊と再構築」
2 党指導部、習派がずらり
3 習派形成の軌跡 側近軍団の顔ぶれ

この章では、習氏の権力掌握への道に焦点を当てます。党内権力の変遷、習派の形成、そして側近たちの役割について詳細に分析します。習氏がどのようにして中国共産党内での主導権を握ったのかが明らかになります。

■第二章 習氏の権力掌握術――その緻密な組織・人事戦略

【作戦1】人民解放軍を掌握せよ

実践「政権は銃口から」――毛沢東伝説を塗り替えた「新・古田会議」

「党軍関係」から「習軍関係」へーー服従を〝制度化〟する

【作戦2】党と政府に君臨せよ

毛沢東流「小組治国」から「党政分離」の終焉へ
「刑と徳」方式による官僚支配――韓非子に学ぶリーダー論
幹部選出プロセスの〝民主〟――「長老排除」と「踏み絵」の発明
(column)得票順位が示した「不都合な真実」
権力の可視化――集団指導体制に終止符を打った儀式とは
プロパガンダが生む正統性――「党の喉と舌」の再強化

【作戦3】警察・司法の刃を握れ

銃、筆、のち刀――警察・司法が震え上がった「整風運動」

【最終作戦】習派で党を埋め尽くせ

臣はつくるが閥はつくらず
内堀には忠臣、外堀にはプロフェッショナル
(column)習氏が記した「秘書の品格」
政治エリートの排除と共青団の悲劇

習近平氏の権力掌握術について詳細に説明します。彼が人民解放軍をどのように掌握し、党と政府に君臨したのか、その戦略やプロセスを解き明かします。また、警察と司法の役割にも焦点を当てます。

■第三章 政治家「習近平」はどうつくられたかーー思想と政策の源流を探る

毛沢東への憧憬――農村で培った大衆路線
(column)習氏がめざす「毛沢東超え」――革命は起きるか?
歴史への傾倒――「紅い遺伝子」の物語
(column)陝西の記憶――習仲勲氏の革命人生
台湾の対岸で築いた絆――強軍思想への道
(column)ある海上民兵の人生
「共同富裕」――成功体験から神話づくりへ
(column)ルポ・集団移住「3つの村の物語」
思想統制の原点――若き習氏がみた民主主義
(column)習氏が真に恐れる「民主主義陰謀論」

この章では、習近平氏の政治家としての成長過程を追求します。彼の思想や政策の源流に迫り、毛沢東への影響や台湾との関係、共同富裕政策などについて詳しく考察します。

■第四章 習近平氏を待つ課題――100年目標の行方

「台湾統一」にどう臨むかーー有事シミュレーションとその課題
(column)「航空ショー」でみた中国の兵器開発最前線
米中半導体戦争の勝者は誰かーー「自強自立」とゲーム・チェンジ
不動産バブルと債務危機――「灰色のサイ」が暴走する日
人口減少が待つ未来――「未富先老」の大国をどう維持するか

最後の章では、習近平氏が今後直面するであろう課題に焦点を当てます。台湾問題、米中半導体戦争、不動産バブル、人口減少など、彼の指導の下で中国がどのように進化していくのかを予測します。


おわりに     

「中国式鎖国」と世界が迎える「ポイント・オブ・ノーリターン」

この書籍は、人類の歴史上類を見ない権力の集中を実現した習近平氏について、その根底にある権力構造や思想背景を解き明かすものです。

彼の支配力は毛沢東をも凌駕し、未来に何が待ち受けているのか、この本を読むことで洞察できます。

習近平氏が中国と世界をどのように導いていくのか、その展望を知りたい方には非常に参考になると思います。

この本を読んで、習近平氏が織りなす中国の未来を垣間見てください。

takamyuの本棚

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ
にほんブログ村

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

読書感想ランキング
読書感想ランキング

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次