紹介本『破 戒』

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破 戒 島崎 藤村

『破戒』は、島崎藤村の作品で、明治時代の長野県を舞台にした物語です。

誰よりも早く自我に目覚めた者の悲しみという藤村自身の苦悩を主人公に仮託しつつ、社会的なテーマを追求した作品とされています。

島崎藤村が小説に転向した最初の作品で、日本自然主義文学の先陣を切ったと言われ、夏目漱石は、『破戒』を「明治の小説としては後世に伝ふべき名篇也」(森田草平宛て書簡)と評価しています。

あらすじ

明治後期、被差別部落に生まれた主人公・瀬川丑松は、その生い立ちと身分を隠して生きよ、と父より戒めを受けて育ちました。

その戒めを頑なに守りながら成人し、丑松は小学校教員となります。

そんなとき同じく自らが(えた)であることを公言している解放運動家、猪子蓮太郎の本の影響を受け彼を慕うようになります。

丑松は、猪子にならば自らの出生を打ち明けたいと思い、口まで出掛かかることもあるが、その思いは揺れ、日々は過ぎていきます。

やがて学校で丑松が被差別部落出身であるとの噂が流れ、更に猪子が壮絶な死を遂げる。

その衝撃の激しさによってか、同僚などの猜疑によってか、丑松は追い詰められ、遂に父の戒めを破りその素性を打ち明けてしまう。

そして丑松はアメリカのテキサスでの事業を持ちかけられ、ひとまず東京へと旅立つ。

「破戒」のテーマ・主題は差別問題

主人公の瀬川丑松は被差別部落出身であり、その出自を隠しながら生きてきました。

しかし、彼は自分自身を受け入れ、自己実現のための勇気を持つ決断をします。

この本は、自己の発見と受容の重要性について教えてくれます。丑松は自分が被差別部落出身であることを隠し続ける中で、自己を見つけるための苦悩に立ち向かいます。

彼は自分自身を受け入れることで、成長し、逆境に立ち向かう勇気を示します。

また、本作は差別や偏見との戦いを描いています。丑松は被差別部落出身者として差別に苦しむ姿が描かれており、その中で自己を守り、他者を尊重する力を身につけます。

『破戒』は、自己の発見と受容、差別や偏見への闘いと勇気を描いた作品です。

中学生が読書感想文の題材のこの本を選ぶことで、この本から多くの教訓や感銘を受けることができるでしょう。

自己を知り、自己の夢や目標に向かって進む勇気を持つことで、素晴らしい未来を築くことができます。

物語から学ぶべきポイント

物語から学ぶべきポイントをいくつかご紹介しましょう。

「自己を見つける勇気」

まず一つ目は「自己を見つける勇気」です。

主人公の丑松は、自分が被差別部落出身であることを隠し続けてきました。しかし、ある出来事をきっかけに自分自身を受け入れる決断をし、真の自己を見つけ出します。

この物語は、皆さんに自分自身を見つける勇気を持つことの重要性を教えてくれます。自分の個性や価値を信じ、自分らしく生きることが大切なのです。

「差別や偏見に立ち向かう力」

次に「差別や偏見に立ち向かう力」です。丑松は被差別部落出身者として差別や偏見に苦しむ姿が描かれています。しかし、彼は自己を守り、他者を尊重する力を身につけます。

この物語は、皆さんに差別や偏見に対して立ち向かう勇気と寛容さを持つことの重要性を示しています。誰かが違っていても、互いに尊重し合い、平等な社会を築くために自ら行動することが必要です。

『破戒』は、お子さんにとっても興味深い物語です。主人公の丑松の苦悩や成長の過程は、お子さんさんが直面する悩みや困難と重なる部分があるかもしれません。

この物語を読むことで、自己を見つめる大切さや自分らしさを探求する意義を感じることができます。

丑松の勇気ある行動や選択に触れることで、自分自身に対しても正直に向き合い、自己を受け入れることの大切さを再確認するでしょう。

また、『破戒』は差別や偏見という社会問題にも切り込んでいます。

子供社会にも、差別や偏見が身近な問題として存在するかもしれません。この物語を通じて、他者を尊重し平等な社会を築くために自ら行動する姿勢を醸成することができます。

『破戒』は、人間の内面の葛藤や成長を描いた感動的な物語です。

皆さんにも共感できる要素がたくさん詰まっています。ぜひこの本を手に取り、丑松の旅路に心を寄せ、自分自身の成長と未来への可能性について考えてみてください。

的に配信されるので子供の想像力を掻き立てる効果もあるように思います。

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