家飲みでは、お店で飲んだ日本酒や酒蔵や酒店で買った全国の美味しい地酒を厳選して紹介します。
今回は明石市の岩井寿商店で購入した滋賀県長浜市の冨田酒造の『七本槍 純米吟醸』を飲んだ感想を紹介します。
冨田酒造 七本槍
清酒『七本鎗-しちほんやり-』で全国にその名を轟かせる冨田酒造は西暦1534年(天文3年)頃の室町時代に創業を始めた日本でも屈指の歴史をもつ酒蔵です。
蔵を構えるのは、琵琶湖の最北端で旧北国街道沿いの宿場町、近江国は長浜市木之本です。琵琶湖の最北端にあり、冬は冷え込みが豪雪地帯です。
木之本は北国街道の宿場町として開きましたが、『木之本のお地蔵さん』で有名な木之本地蔵院の門前町としても賑わいました。
街道沿いに建つ、趣ある木造の酒蔵に続く母屋は岩倉具視が宿泊した記録がある様です。
銘柄の「七本鎗」は近隣の賤が岳の戦いで、豊臣秀吉を勝利に導いた加藤清正をはじめとする七人の武将に由来します。
関西を代表する若き15代目蔵元杜氏の冨田泰伸さんは、これまで兵庫県産の山田錦に頼っていた酒米を、滋賀県産のみの酒米に切り替えたパイオニアです。
香り高く淡麗な大吟醸酒がもてはやされる時代に、味わいを重視した純米酒にこだわり続けています。
冨田泰伸さんは、2002年に家業を継ぎ、積極的に現場に入って、改革に乗り出しました。
造る酒をほとんど純米造りに切り変え、麹を丁寧に造ろうと麹室を改装し、搾った酒はうま味を残すために一切ろ過はしないことにしました。
その後、麹やもろみの温度管理を精密に行ったり、搾り機を5℃の冷蔵庫に入れて低温で搾ったり、改良を重ねて雑味を除き、純粋なうま味を追求しました。
使う米は地元産に徐々に切り替え、現在では99%が滋賀県産を使用しています。
以前紹介した「貴」蔵元杜氏の永山貴博さんとは同世代で良きライバルであり、最高の仲間でもあるようです。
七本鎗は大正時代、美食家として知られる北王路魯山人が逗留し、愛飲したという銘酒であり、店には魯山人が残したという扁額が今も掲げられている。
「日本酒ドラマチック」参照
七本鎗 純米吟醸 吟吹雪
フルボディが多い七本鎗シリーズの中では、軽やかな味わいと商品説明にはありますが、吟醸香の冷酒で綺麗なお酒に慣れた方にはとっつきにくい味かしれません。
滋賀県は鮒寿司でも有名な発酵文化育った土地でもあり、旨味のある料理にはボディのあるお酒が合います。
冷酒を好んで飲む人には渋くて重い感じのお酒かもしれません。
米の旨みやふくらみを感じれてしっかりとした酸がお酒全体をがっちり締めている感じです。
やはりこの時期熱燗で頂くと旨味が広がり“燗上がり”するお酒だと思います。
濃厚な料理や脂のある肉にも合いますし、和食料理をメインとして万能に合わせられる食中酒と思います。
名称 | 七本鎗 純米吟醸 吟吹雪 |
商品説明 | このお酒で使用しております「吟吹雪」という酒米は、「山田錦」と「玉栄」の掛け合わせによって誕生した、滋賀県原産のお米です。 酒造好適米の中でも代表的であり酒造適性の高い「山田錦」の良さと、個性のある旨みを持つ「玉栄」の良いところを併せ持っています。 七本鎗の中では、軽やかな味わいを持つタイプで、すっきりとした口当たりではありますが、柔らかでコクのある旨みも持っており、お食事を引き立ててくれます。 |
容量 | 720ml |
原材料 | 麹米: 掛米: |
精米付合 | 精米歩合55% |
アルコール度 | 15度 |
お召し上がり方 | 冷酒 常温 熱燗 |
時代が流れインターネットで多くの情報を手に入れれる様になりました。
美味しい日本酒を飲んで楽しい時間を過ごすのであれば、作りての物語も一緒に味わう様になりました。
冨田酒造有限会社 | 住所 滋賀県長浜市木之本町木之本1107 |
酒 銘 | 七本鎗 |
ホームページ | http://www.7yari.co.jp/ |
創業年 | 1534年(天文3年)頃 |
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コメント
コメント一覧 (3件)
[…] 今ときめいている酒蔵さんのエピソードはこの他にも「新政」「貴」「口万」「若菜」「七本槍」「宝剣」「一白水成」と続きます。 […]
[…] 而 今(じこん)を知ったのは『日本酒ドラマチック』と言う本で、「若手スター杜氏」として「七本鎗」の冨田康伸さん、「貴」の永山貴博さんと共に大西唯克(ただよし)さんが紹介されていたからです。 […]
[…] 9.七本鎗 純米吟醸 […]