紹介本「ファンベース」 新たな広告 顧客のファン化

目次

ファンベース / 佐藤 尚之 / ちくま書店

お勧め本紹介では今までに読んだ本の中で自分なりのお気に入りの本を紹介したり、人に紹介してもらって今後読みたいと思っている本なども紹介していきます。

この本の帯に「これからのマーケティング必読の書」と書かれています。

まさに支持され愛され続ける為には、知っているとお得な情報です。

著者の佐藤尚之さんは電通で入社し、関西支社にてコピーライター、CMプランナーなどを担当しました。

その後クリエイティブ局にウェブ部門を立ち上げています。

2011年に独立しコミュニケーション・デザイン全般を扱う株式会社ツナグを設立しています。

広告業界において、マス広告もネット広告にも広範な知識を持っています。

人口の急減、高齢化、現在のコロナ渦の消費動向、成熟市場、情報過多な状況で新規ユーザーへのアプローチに悩まれている方には必見の情報です。

この本の3つのポイント

①ファンが売り上げ大半を支える

②ライフタイムバリュー(LTV)を上げる

③信頼を強くする

ファンが売り上げの大半を支える

ファンベースはきれいごとではなく企業が継続・反映していくたのに必要な「売り上げ」に直結しているということです。

パレートの法則というイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが唱えた経済法則において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているといいます。

分かり易く、80:20の法則、ばらつきの法則とも呼ばれています。

この本では、具体的な飲料メーカーの数字を紹介しコアなファンとファン層で全体の売上の90%を支えていました。

この本がファンから儲けようとする「ファン・ビジネス」と違い「ファン・ベース」とあえて表現しています。

それは、著者のファンが現在の価値の延長線上にある「未来の価値」にも期待しています。

それを企業と一緒に夢見たいと思っているという事を表現したかったからです。

売上を考えた時マーケティング担当はどうしても新規顧客へのアプローチに目がいってしまいます。

勿論新規サービスやまだ新しいいサービスや商品の認知を上げることは重要なことです。

その状態であっても、ファン・ベースの考え方である「未来への価値」の共有という視点でアプローチすることが更に重要であります。

多くの会社のファン・ベースの事例は本書を是非手にして下さい。

ライフタイムバリュー(LTV)を上げる

ライフタイムバリューというマーケティングで使用される言葉をご存知でしょうか?

私はこの本を読むまでその言葉も知らず勉強になりました。

LTVとは「Life Time Value」の略称で、日本語では「顧客生涯価値」と呼ばれています。

ある顧客が、取引を開始してから終了するまでの期間に、自社に対してどれだけ利益をもたらしたか、収益の総額を算出するための指標というこです。

この本においてLTVの考え方は重要で色々な事例で紹介されています。

新規顧客を得るために、さまざま施策を行います。

人気タレントの力や安売りで売る上げを増やしたとしても、浮動層は言葉の通り居着いてくれません。

気がつけば他にいい商品が出れば移りかわります。

時代的・社会的にもファンを大切にしLTVを上げていくことが現在の日本社会の変化により重要なことです。

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信頼を強くする

表面的なイメージ広告やPRなどで企業の価値や信頼が上がることはありません。

現在はネットやSNSで「企業の本当の姿」はすぐに明らかになってしまう時代です。

真の意味での企業の評価・評判を上げる為に丁寧かつ地道に培われた「信頼」が大切です。

長い間に築き上げる信頼は、プランニングやマーケティングでできないことも多くあります。

まずは「信頼されない要素」をひとつずつ消していくことが必要です。

①それは誠実なやり方か、自分に問いかける

②本業を丁寧に細部まで紹介する。

③社員の信頼を大切にし「最強のファンにする」

この本で紹介されていた事例であまりにもショッキングな数字がありました。

「日本人は、世界で一番自分が働いている企業を信頼していない」という世界最大のPR会社エデルマンの調結果です。

このことは逆に社員から信頼されている企業は「目立つ」ということです。社員が自分の企業を信頼し、誇りを持って働いていることは社外のファンに直結しているということです。

まとめ

自社が大切にする価値とは何なのか、明確化されていない企業も多く存在します。

自らの長所を分析するにあたり、心理学で使われる「ジョハリの窓」があります。

個人でなくても自らの価値をファンに傾聴するで企業の価値を再認識することが出来ます。

ランシスコ州立大学の心理学者ジョセフ・ルフト (Joseph Luft) とハリ・インガム (Harry Ingham) が発表した「対人関係における気づきのグラフモデル」が、後に二人の名前を組み合わせて「ジョハリの窓」と呼ばれるようになったようです。

※引用元:Wikipedia「ジョハリの窓」

ファンの声を聞く方法として、ファン・ミーティングの具体的な効果の詳細は本書に記されています。

BtoCは勿論BtoBであっても、課題解決にファンの声を開く事は可能でその場を通じて「未来への価値」を共有していくことが可能です。

モノやザービスの選択肢が多くなった現代、顧客は、企業や商品のイメージよりもストーリーや価値観に共感し購買します。

愚直にそして誠実に取り組む姿勢を本著の方法論も活用し発信していきたいと感じました。

お客様と接する環境の方にとって有効な情報が沢山ある本としてお薦めいたします。

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紹介本 「伸びる会社は「これ」をやらない」/識学 | takamyublog へ返信する コメントをキャンセル

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