紹介本『忘れる読書』

目次

忘れる読書 落合 陽一

今回紹介する本はメディアアーティスト、筑波大学准教授、ベンチャー企業の代表等幅広く活躍されている落合陽一さんの「忘れる読書」です。

今年に入りシンギュラリティ後の世界について落合さんが発信される機会が多くなっています。

先行きが分からない時代を生きるからこそ必要になる「新たな教養」について本書では「持続可能な教養」と定義されています。

メディアアーティスト、筑波大学准教授、ベンチャー企業の代表など多彩に活躍する著者。

時代の先端を行く著者の思考の源は、実は読書で培われたという。

それは、読んだ内容を血肉にするための「忘れる読書」だ。

デジタル時代に「持続可能な教養」を身につけるために必要なのは読書だと、著者は断言する。
本書では、古典から哲学、経済書、理工書、文学に至るまで、著者の思考を形作った書籍を多数紹介し、その内容や読み解き方を詳説。

著者独自の読書法はもちろん、本の読み解きを通して現代社会を生き抜く思考法までが学べる、知的興奮に溢れる一冊。

amazon 紹介

【目次より】
第1章 持続可能な教養――新しい時代の読書法
第2章 忘れるために、本を読む
第3章 本で思考のフレームを磨け
第4章 「較べ読み」で捉えるテクノロジーと世界
第5章 「日本」と我々を更新(アップデート)する読書
第6章 感性を磨く読書
第7章 読書で自分の「熱」を探せ

いま身につけるべき教養「持続可能な教養」

持続可能な教養「抽象化する思考」

冒頭で伝えた「持続可能な教養」で大事になることは「抽象化する思考」を鍛えることと述べています。

「抽象化する思考」を鍛えるためには、読書が向いているのは、たくさんのレイヤーでものを考え、抽象化し、整理して脳にインプットしていくのに有効と考えています。

持続可能な教養「気づく能力」

もう一つ「持続可能な教養」で大事になることは「気づく能力を磨く」ことです。

本を読むことで「気づく」力が鍛えられるが、多読で教養が自動的身につくものではないと述べています。

知識のストック量だけであればデジタルデータには敵わないので、アイデアは考えるものではなく、『誰も手をつけていないアイデアに気付く』ことが重要です。

点と点をつなげる」ことで「我々は今やっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない」 米スタンフォード大学 卒業式 スティーブ・ジョブス氏スピーチ

「気づき」能力とは「課題を見つける」能力とも言いかえらえます。

「気づく」スキルを伸ばしていくのに読書が役立ちます。

本というパッケージを通すと体系だった情報が一度に得られるので情報を咀嚼し深めるために本が役立ちます。

本は人と人との間で情報を受け渡す「容れ物」として優れているし、その点はもっと注目されるべきだと思います。

本書 抜粋

思考のフレームを増やす読書

自分の中に「問い」がない場合は、素晴らしいものを見ても良さが分からないし、記憶にも残りません。

落合さんは遊びにおいても「コンテクスト(文脈)」を荒かしめ意識して学ぶ方が楽しいと考えている様です。

文脈を取捨選択し思考を巡らす中で、いくつかの「問い」を持てるかどうかが、創造性を左右する考えます。

「問い」は「自分はこれが好きだ」という「嗜好」や。いくつもの文脈をつなぐ思考フレームは「独自の考え」からしか生まれないとも述べています。

人間が想定したフレームの枠内のことはAIがやってくれる世の中になるので、今後どんな素養を培えば「持続可能な教養」を備えることがかと言えば「自分で物事をフレーミング出来る力」だと落合さんは言います。

本で読んだ内容は忘れた方がいい

これからの時代、クリエイティブであるための知的技術は、読後に自分の中に残った知識や考えをざっくりと頭に入れ、「フックがかかった状態」にしておくことです。

何となくリンクが付いているような状態で頭の片隅に残しておけば、いずれ頭の中を「検索すれば」わかるからです。

(中略)

本全体の10%くらいが頭に残るぐらいでちょうどいい、というのが私の感覚です。

だから学生に論文の読み方を指導する際も、「覚えることより忘れる能力が大切」とよく言っています。

読んだ内容を細かく思い出せるうちは、単に著者の主張を頭の中でリピートしているだけで、それは自分の頭の中に「入った」とは言えないからです。

本書 抜粋

今までは、読書の内容が記憶に残る様にマーキングやノートに写す等、ノウハウ本は沢山あり、その事を意識していましたが、忘れる能力が大切という概念は新鮮でした。

本書にもあった様に知識のストック量だけであればデジタルデータに敵わないので、点と点をつなぐ発想が大事になると感じました。

落合さんは父である国際ジャーナリスト落合信彦さんから「ニーチェを読んでいないやつとは、話をしない」と言われ、その影響もあって本はよく読んだと語っています。

読書するにも環境が大事だと思いますし、自らが学びたい興味のあることを幅広く読み続ける落合さんの行動にも驚嘆します。

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