このブログ「介護役立つ情報」では、事業所選びや介護の仕事情報等を紹介します。
新政権の目玉政策として「介護職の賃上げが新政権の重点政策」についてこのブログで紹介しました。
今回は介護職の賃上げに関して、特養の経営者らで組織する全国老人福祉施設協議会が26日政府へ提出した要望書ついて紹介します。
全国老人福祉施設協議会による要望要旨
前回のブログ「介護職の賃上げ多職種も対象で検討開始」では全国介護事業者連盟による要望書を紹介しました。
併せて日本デイサービス協会・ 日本介護支援専門員協会要望書の声明・要望書の要旨も紹介しました。
全国老人福祉施設協議会による要望要旨は以下の通りです。
1.支給対象となる施設・事業所と職員種別
(1)介護保険の対象となる介護施設・事業所内の介護職員以外の職員にも
(2)介護施設・事業所以外の介護保険の対象事業所の介護関係職員にも
(3)介護保険の対象とならない高齢者福祉施設(養護老人ホーム及び軽費老人ホーム・ケアハウス)の職員にも
2.算定基準と請求手続
(1)支給範囲を限定しない
(2)簡素な基準と手続きとする
3.増額幅
(1)介護施設・事業所において介護人材の確保・定着に十分な水準とする
(2)労働市場に応じた賃金水準に対応したものとする
(3)労働市場の賃金水準の増加に対応して増額する仕組みとする。
全国老人福祉施設協議会 HP抜粋
多くの各種団体の賃上げや支給範囲の撤廃などの要望書に続く形となっていますが、人手不足に関しては、「介護事業自体が今後存続しえないと言えるほど重大な課題」と踏むこんだ表現となっています。
「介護職の給与はいまだに全産業水準に比べて低く、人材確保の環境が好転したとは言えない。その職務の過酷さや精神的・肉体的な負担の大きさに見合い、 人材確保が円滑に行える水準は、現行よりもはるかに高い額」と問題を提起した。
このブログの紹介本 「隷属なき道」/ ベーシックインカムの可能性にはニューヨークにおけるごみ収集車のストライキの事例が紹介されていました。
実際にニューヨークでストライキによりゴミ取集が完全に停止されることで、重要性が再認識され多職種と遜色のない処遇に改善されました。
高齢者・障がい者の生活と生命に直結するサービスがゆえにストライキ等の手続きは出来ないとしても、そこで働く職員の処遇が全産業水準との落差の上にサービスが成り立っている現状の改善は必要です。
日本人のコスパ意識や安くていいものが提供される環境のマインド変更も必要に思います。
紹介本 「安いニッポン価格が示す停滞」の通り、安く購入できたことがいい時代は過ぎてきています。
アジアエリアの人口がこぞってお刺身・お寿司や牛丼の美味しさを知っていくこで仕入れコストは間違いなく上がっていきます。
デフレマインドから脱却し価値のある介護サービスには正当な自己負担を支払う方向性も必要です。
全国老人福祉施設協議会 の要望書の通り「仮に全産業水準まで一気に改善することが困難であったとしても、今回の措置を、それを目標として今後計画的に増額していくための第一歩と位置付けて欲しい」と思います。
コメント