最強の働き方 / ムーギー・キム
この お勧め本紹介を通じて本を読むことの楽しさや色々な価値観を知り、成長に繋がることを紹介したいと思っています。
今回は「仕事のIQ」を意識した『最強の働き方』について紹介します。
仕事のIQとは、一流の仕事ができるかどうかを示す指標という考え方です。
一流大学を卒業して一流企業に入っても、何も結果を残せない人がいます。
このような人は勉強で好成績を残すIQは高かったとしても、仕事のIQは低いと言っていいかもしれません。
この2つは違う種類の能力というのが本書で紹介されています。
本書は、一部のエリート向けに書かれたものでなく、業界問わず、一流のビジネスパーソンをめざす、すべての人にとって役に立つ、非常に汎用性が高いノウハウです。
一流への道は一流の基本から
どんな職業でも一流の仕事とは一流の基本の積み重ねであることを具体例を交え紹介されています。
毎日の仕事の基本作業は、たとえばメールや資料作り・プレゼン等「基本中の基本作業」の完成度を高めることを目的に多く書く・話す・整理する事例が書かれています。
一流はピラミッド構造でメモを書く
一流のプロフェッショナルは、どんなに高速でメモをとっていても、内容を理論整然としたピラミッド構造にまとめられています。
彼らは相手の伝えたい本質をすぐさま理解し、情報を引き出す道具としてメモを活用します。
たとえば、論理的な説明を求められるコンサルタントは、物事を整理する能力が高いため、構造化したメモ書きを得意とします。
また、構造化されたメモは、そのままミーティングメモやパワーポイントのスライドに転換できます。
メモ書きがミーティングの時間を有効活用でき、メモの論理性を高めることで、チームの生産性向上に繋げられます。
文章を短くすること
文章を短くすることのこだわりが仕事能力を左右します。
例えば他人の作成した提案書を自分が読むことをイメージした場合100ページにも及ぶ内容を読むでしょうか。1枚くらいだが骨子がしっかりしていてポイントが明確な提案書は読まれる率も覚えられる率も高くなります。
メール一つにおいても、論理的思考力、論理的説明力、語彙力など効果的なコミュニケーション能力があらわれてしまいます。
人格は声に出やすい
声には「人格」が表れやすいものです。
成功している人の多くは、良い声で発言します。
彼らは早口になることなく、落ち着いて自信満々に、いわゆる「一流のトーン」で話している。
声は自信や威厳、正直さなどの情報を相手に伝えます。
そのため、ビジネススクールやリーダーシップの授業では、発声練習が取り入れられている。
一流のトーンで話すには、腹式呼吸をマスターして、腹の底から太い声を出すことが大事です。
また、自分の声を客観的にチェックすることで、洗練された声になっていきます。
さらに姿勢は大事で、胸を張り、背筋を伸ばし、開放的なボディランゲージを意識することで、プレゼンテーションのクオリティが高まります。
一流の自己管理
「心のストレス引当金」で冷静に対処する
結果に結びつかない指示をしてくる上司や、仕事のできない部下の管理など、私たちは日々ストレスにさらされています。
人間関係のストレスを軽減するには、「心のストレス引当金」を積んでいくことを紹介してあります。
引当金とは何か。貸倒引当金を例にすると、顧客に1万円を貸して、そのうち2000円は返ってこないと考え、損失処理をすることを指します。
そして、実際に8000円しか返ってこなくても、その損失の覚悟ができているので、損失は発生しないものと考えます。
引当金の対象を心のストレスにも置き換え考えます。一流を目指しても自分の努力ではコントロールできない理不尽なことが多く、理不尽な現実社会と折り合いをつけるべくストレス対策をしてバランスを取ります。
たとえば「上司の指示の3割は意味がない」などと、不快な出来事を事前に想定し、最初から諦めておくことです。
自己実現への道
自己実現できる人は当たり前だが表現すべき「自己」を知っています。
やりたいことは、ひとつに絞らなくていい
著者は、尊敬する上司から「好きなことを全部しろ」と言われたことが、人生の指針になっているといいます。
その上司は、いつも同僚や部下に「何をやりたいのか?」と質問し、彼らのやりたいことが実現できるようサポートしていた。
さらには、やってみたいことがあるなら、会社のプラットフォームを活用して全部挑戦すべきだと著者に薦めていました。
やりたいことをひとつに絞ることは不自然で、やりたいことに複数チャレンジする人生があってもよいのです。
一流の仕事は、「何をやりたいのか?」を自問することからはじまり、自分が心からやりたいことでなければ、一流の道を歩むことは難しい。
コメント