紹介本 「人生二度なし」/良書は普遍

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人生二度なし 森 信三

このは、著者「森信三氏」が中学、高校を出て働いている人たちにために書かれた本です。誰もが自分の人生について省みるとき、考えるべき基本的な問題を提起しています。

森信三氏の経歴は著書から、京都帝国大学文学部哲学科に入学し、主任教授西田幾多郎の教えを受け、卒業後は同大学大学院に籍を置きつつ天王寺師範学校(現:大阪教育大学)の専攻科講師となる。1939年(昭和14年)に旧満州建国大学に赴任する。敗戦後の1946年(昭和21年)に帰国、1953年(昭和28年)、神戸大学教育学部教授に就任。同大学退官後の1965年(昭和40年)には神戸海星女子学院大学教授に就任。

人生二度なし 著者 紹介より

森氏はこの本のタイトル「人生二度なし」を生涯の根本信条とし、「全一学」という学問を提唱しました。

「全一学」とは、

 東西の世界観の切点を希求するもの

 宇宙間に遍満する絶対的全一生命の自証の学

 世界観と人生観との統一の学

など12項目以上の定義にもとづくもので、要約すると「宇宙の哲理と人間の生き方を探求する学問」です。

森氏はこれらの思想をもとに全国各地で講演を行なうとともに自ら実践を重ね、日本民族再生に大きく働きかけました。

私は森氏の信条や活動を「雑誌致知」で知り、その教えに感銘を受けてこの本を買った経緯があります。

雑誌致知では、森氏の理論「立腰」論などを紹介していました。森氏の教えは実践から生まれた具体的なものが主で、その最たる例の一つか「立腰」です。「立腰」論とは「腰を立てる」の意で、森氏はこれを「人間に性根を入れる極秘伝」としています。

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この本の3つのおすすめポイント

私自身がこの本から学んだ3つのポイントについてご紹介します。

①人は何のために生きるか

②読書について

③人間の一生

人は何のために生きるか

古来幾多の人々が限りなく問い、かつ答えてきた人類の永遠の課題について著者も考え続けた一人です。

その結果一言で言うと「人は自分の仕事(職業)を通して多少とも人のため社会のため尽くすところに、その人のこの世に生きる意義はあると考えるようになった」と説明しています。

青年期において人生の意義とか、人間の生き方などといかに高遠なもの、崇高なものと考えがちと紹介しています。

学問への造詣が深い著者自身の経験も踏まえ理解した上で、やはり現在の自分の生活から、かけ離れたものであったとしたら、それは観念的なあこがれでしかないと伝えられています。

あこがれとして持つことはいいことだったとしても自分自身の実生活と繋がりを持つこととやはり実践することとの大切さであると以下の通り強い言葉で伝えています。

真の意味で理想をもち信念をもっている人の場合には、それらがその人の日々の実践を導く強い原動力となっているのでなくてはならぬと思うのです。 

人生二度なし p13

発刊から20年過ぎた現在においても普遍的な内容については、改めて学びは多いものです。

その当時既に激動期においては、ただ自分の勤めに精出しさえすれば、社会・自然が良くなるすという単純な考え方は手放しに肯定できないと述べています。

現在の国の在り方を憂うのではなく、構造的な欠陥を考え、改善する一番適切な方法を積極的に研究し、行動する重要性を述べています。

政治に参画する意識が必要と述べれられている点はこの国の将来を担う若者への熱いメッセージと受け取れました。

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読書について

このお勧め本紹介ブログのテーマであるいかに読書の素晴らしさを伝えるにあたって、森信三氏が読書について語られたことを紹介します。

からだを養わんがため食事を摂っていますが、「われわれの心の養分はいったい何か?」と問いただし、読書こそが心の食物である考えを述べています。

読書が「心の食物」という考えからすると、読書をしなくなったということは、外見的には立派な大人に見えていても、精神的には充実して健康体とは言い難いと少し過激な表現例もされています。

また単に闇雲に読書をしたとしても誤った読書の仕方をすれば、食事による暴飲・暴食と同じようにこころにとって有害となることを具体例として示してあります。

自分が本を読んで知ったことをひけらかす行為は人間として重みとか、慎重さというものがなく、現在の自分自身の課題解決に繋がらない読書は、食事で言うところの不消化の下痢に例えられています。

それでは、心の食物としての読書の在り方としては以下の様に説明しています。

1.自分を育てる読書 

現在自分自身が当面している問題に対して、いったいどう対処したらよいかを学べる読書としています。

2.本の選択と読書の秘訣

・ベストセラーでなくても生命を肥やす為の読書は自分の内心の要求に従って選ぶ必要がある。

・自分の尊敬する人からすすめられた本を読んでみる。

・そこから自分の肌に合う幾人かの著書が分かってくる。

・本の選択が出来だしたら、書店に行き、これはという本を取り出し著者の序文と目次をよく読んでみて「光った言葉」があれば購入又は購入リストに入れる。

・本突きとめて買った場合はすぐに読み始める。

3.円心的な読書(どこまでも自分の職業を中心として専門雑誌)

読書の種類

・自分の職業に関する専門誌

・思想的なもの 型にはまらず広汎なもの

・実業家の伝記

人間の一生

 この本の最後に記された「人間の一生」(読み人知らず)は森信三氏の「真理は現実のただ中にあり」とした生涯の生き方の基本となり、講演等で精力的に広められていたそうなので紹介します。

職業に上下もなければ貴賤もない。

世のため人のために役立つことなら、何をしようと自由である。

しかし、どうせやるなら覚悟を決めて十年やる。

すると二十からでも三十までには一仕事できるものである。それから十年本気でやる。

すると四十までに頭をあげるものだが、それでいい気にならずにまた十年頑張る。

すると、五十までには群を抜く。しかし五十の声をきいた時には、大抵のものが息を抜くが、それがいけない。「これからが仕上げだ」と、新しい気持ちでまた十年頑張る。

すると六十ともなれば、もう相当に実を結ぶだろう。だが、月並みの人間はこの辺で楽隠居がしたくなるが、それから十年頑張る。

すると、七十の祝いは盛んにやってもらえるだろう。しかし、それからまた、十年頑張る。

するとこのコースが一生で一番面白い。

人生二度なし、 あとがきのp232の後

まとめ 

一般書店であまり出版されていない森信三氏の本は先に述べた通り雑誌致知で知りました。

この本においても、職業に関する専門書を読むことを勧められていましたが、私にとって人間学を学ぶ雑誌致知で多くのこと学ぶことになりました。

普遍的な真理を学べる本に沢山出会い「こころの食物」としての読書をし「生きるための知恵」が身についたことからどんどん実践していきたいものです。

それから森信三氏の著書『父親の為の人間学』や子供の成長の為にと『10代のための人間学』などいずれも「致知出版社」購入し購読しました。

10年以上前に出版された本ばかりですが生きるための知恵が記された本について機会があれば紹介したいと思っています。

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