紹介本 「影響力の武器」/騙されない為の武器

目次

影響力の武器 ロバート・🅱️・チャルディー二

この本は、著者がセールスマン、募金勧誘者、広告主など承諾誘導のプロの世界に潜入し、彼らのテクニックや方略から「承諾」についての人間心理のメカニズムを解明しています。

著者自身も冒頭自分はだまされやすい人間であったことを伝え、心理学の科学的証拠に基づいた上で、自身が体験した事を一般向けに読みやすいスタイルに書かれています。

どんな要因によって人は要求を受け入れるか。それらの要因を最も効果的に使って、相手から承諾を引き出すテクニックにはどんなものがあるか。

など、具体的な事例ばかりを交えて記されているので、読者自身がそのシーンに出会った時に冷静な判断ができる事になると思います。

世の中に大きな出来事が起これば、それに便乗して新たな詐欺などの事例をニュースに目にしますがやはり人の恐れや心理学的に承諾しやすいテクニックが散りばめられています。絶対自分は騙されないと自身がある方が騙されやすいという情報もあります。

まずは自分自身が知識や情報を手にして、自らのお金は自らで守るよう心がけたいものです。

この本の3つのおすすめポイント

私自身がこの本から学んだ3つのポイントについてご紹介します。

1.自動反応について

2.心理学に基づいたさまざまな事例

3.まとめ

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自動反応について

冒頭でも伝えた通り、絶対に騙されないと強く思っている人でも自動反応してしまう事を理解出来れば、反応した後でも対処できることは多くあります。

本書では人類の歴史的な進化の過程で効率性と経済性を持つに至った人の代表的な自動反応の性質について、その利用方法と防衛方法についても詳しく書かれています。

刺激に対する自動反応として、「返報性」「コミットメントと一貫性」「社会的証明」「好意」「権威」「希少性」の6つが挙げられていました。

心理学に基づいたさまざまな事例

以下はこの本の目次と少し事例要約です。心理学の視点からの事例行動とその時の心の動きを説明しています。

この本による心理学の視点からの事例は、その「内部」に想定される「感情」や「記憶」といったものを直接見ることができなくても、その状況を反映した行動から、心の動きの傾向を読みとり、行動の心理を体系立てているので、分かりやすく、共感できます。

第1章 影響力の武器・人に何か頼みごとをする時は、理由を添えた方が成功しやすくなる。
・多くの人間の行動は、自動的なものが多い。いつもの場所が居心地がいい。
・「専門家が言うなら間違いない」という盲目的な思い込みがしがち。
・問題が複雑で切迫した状態にあるほど、人は簡便法に頼ろうとする。

第2章 返報性―昔からある「ギブ・アンド・テイク」だが
返報性のルールはどのように働くか
譲り合い
拒否させた後に譲歩する
防衛法
まとめ

・昔からある「ギブ・アンド・テイク」「他人から何かの恩恵を施したら、似たような形でそのお返しをしなくてはならない」という暗黙の返報性ルールが存在する。
・大きな要求から小さな要求へと譲歩することによって、相手にも譲歩しなければならない気持ちを引き起こす。元アメリカ大統領トランプ氏がよく使う手法。

第3章 コミットメントと一貫性―心に住む小鬼
一貫性のテープが回る
コミットメントが鍵
防衛法
まとめ

・一度決定を下したり、ある立場を取ると、そのコミットメントと一貫した行動を取るようになる。一度値引きした商品を買わないと決めたら次に出会っても買わない事が多い。
・最初に小さな要求を受容れることで、それとは無関係の要求も受容れやすくなる。小さなイエスを積み上げる。

第4章 社会的証明―真実は私たちに
社会的証明の原理
死因は……不明(確なこと)
私のまねをしなさい……サルのように
防衛法
まとめ

・状況が不確かで曖昧な時、人は他の人々の行動に注意を向け、それを正しいものとして受容れようとする。また、自分と共通点の多い他者の行動も人々の行動に強い影響力を持つ。世界の終わりを信じた人々の行動は興味深いです。

第5章 好 意―優しそうな顔をした泥棒
友達になるのは、影響を及ぼすため
あなたを好きになるのはなぜ? その理由を考えてみよう
条件づけと連合
防衛法
まとめ

・人は自分が好意を感じている知人に対してイエスと言う傾向がある。
・好意に影響する要素として、身体的魅力がある。身体的な美しさは社会的相互作用の中で有利に働く。

第6章 権 威―導かれる服従
権威のもつ影響力の強さ
盲目的な服従のもつ魅力と危険性
重要なのは中身ではなく外見
防衛法
まとめ

・権威者からの要求に服従させるような強い圧力が社会に存在する。             
・権威者に対して自動的に反応する場合、実体よりも権威のシンボルに反応する傾向がある。

第7章 希少性―わずかなものについての法則
少ないものがベスト 失うことはワースト
心理的リアクタンス
最適の条件
防衛法
まとめ

・人は機会を失いかけると、その機会をより価値のあるものとみなす。(数量限定や期限付きなど)
・手にすることが難しいものはそれだけ貴重であることが多いので、質が高いと判断される。値引きしないラグジュアリーブランドのコンセプトにも垣間見れます。

第8章 手っとり早い影響力―自動化された時代の原始的な承諾
原始的な自動性
現代の自動性
近道は神聖なもの

まとめ

どの事例も具体的で心理学による行動が理解できる内容でした。

商品・サービスを売る側のセールストークの学びや、断れない、要らない商品やサービスをついついて買ってしまう人が営業から身を守るためにお勧めできます。

いろんな方がこの本を薦めていて、マーケティングには欠かせない要素のあるやはり名著だと思います。

特に人間も動物と同じように自動的な思考や行動をしてしまうこと、すなわち「カチッ、サー」というテープレコーダーのような働きが起きてしまうというのは自分も経験したことがあるのでよく理解できました。商売だけでなく組織における教育にも役立つ内容でした。

メンタリストDaiGoさんも「知識を操る超読書術」で勧めています。

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