紹介本 『発酵道』/ 酒蔵の微生物の力

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発酵道 寺田 啓佐 河出書房新書

お勧め本紹介では今までに読んだ本の中で自分なりのお気に入りの本を紹介したり、人に紹介してもらって今後読みたいと思っている本なども紹介していきます。

今回は「銀座まるかん」創設者斎藤一人さんが微生物の生き方を通して人間の本当の生き方を通して人間の本当の生き方はどうあるべきかを説いた本として勧めていた「発酵道」を紹介します。

寺田本家とは

千葉県にある「寺田本家」は江戸時代から300年続く老舗の酒蔵です。

父親からのご縁で二十三代目の当主になった寺田啓佐氏が酒造りにおける微生物について語った本です。

政策と利益優先で進んだ戦後の「アルコール添加」「三倍醸造酒」等の大量生産から一線を画し、微生物と向き合う本物の酒造りは手間隙がかかりますが一部の日本酒ファンから絶大な人気があります。

このことは「純米酒を極める/上原浩 光文社知恵の森文庫」も語られていることです。

かつて千葉県にも千軒以上の造り酒屋があったそうです。

明治時代に国の財源の柱に酒税を掲げた為に江戸時代からの「酒造株」という特権を廃止しました。

そのおかげで1万6000軒もの酒屋が生まれました。

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利益が安定する桶売り

桶売りついては漫画「夏子の酒」でも詳しく書いてありましたが小さな酒屋作りが自ら販売すれば酒税の計算を自らやる手間などから大手に造った原酒を売り渡すことです。

この場合酒税は大手メーカーが払い小さな酒蔵はリスクが低く、利益が確保しやすいのでこぞって桶売りが盛んになりました。

しかしこの事は昔から酒造りに携わっている者からすると「桶売り」は「身売り」と揶揄し酒造りの誇りを失い兼ねない危険性がありました。

腐っていた経営

「桶売り」「アルコール添加」「醸造酒」とその時代の一番利益が出やすいい経営戦略で進めていきます。

その後の日本酒離れや純米酒・大吟醸などの本物嗜好の流れにもそぐわないで売上は下降を続けました。

そのな時自身の体も壊し、腸が腐る表現の「痔瘻」を発病します。

その入院生活において今までの生き方や考え方の過ちについて考えるようになります。

自分の体の変調も相まって「自らの会社経営も腐っていた」と感じる様になります。

そして「発酵する」と腐らない原理原則について深く学ぶようになっていきます。

発酵と腐敗の違いは腸内の善玉菌と腐敗物質を生成する悪玉菌と善玉にも悪玉にもなり得る日和見菌があることも分かっています。

も自分の腸が腐るという事は日和見菌も総動員して腐敗菌が活躍するという状態と理解する必要があります。

酒蔵で起こる事は仕込み中で酒を腐らせたことに近い状況と感じたのでした。

本物の酒を造る

自分と会社が発酵していく未来をイメージして酒造りを一から見直し米から見直していきます。

無農薬のお米と農薬・化学肥料の米の10年後の違い(タール状に変化)から米の生命力の違いを知ることになります。

そしてその驚きから

、無農薬で酒造りをすることを決意します。

微生物をお手本とした生き方

昔ながらの無添加の酒造りをしてみて気づいた事は多種多様の微生物が次々バトンタッチし思う存分働いてくれる実感がします。

微生物は自分の番がくるとスッと出てきてスムーズにバトンタッチを行います。

「オレがオレがの世界でなく」「調和の世界」がそこに生まれます。

自分をなくす心のあり方

自分の利益、会社の利潤とお金を求めて壮絶な腸の痛みのお陰で目が覚め「相手の喜ぶこと、まわりが喜ぶこと」を第一に考える様に変化していきます。

腸の病気のあと出会いの中で師と仰ぐ人々に共通するのは、自分を無くす生き方をしている「無私の人」であり、「純粋」さを持っています。

発芽玄米種「むすひ」

日本酒の美味しさはいい酒米を磨いて造ることが定説です。

発芽玄米酒は米の雑味が出て商品として価値を出すことは難しく7年の月日を費やしています。

無濾過生原酒

無濾過生原酒のうまさは鳥取県智頭町の「真菜板」で教えて頂きました。

読んで字のごとし「自然のまんま」はもろみを搾り、おり下げも濾過も火入れもしない割水という濃さの調整だけのお酒です。

おりの中には大切なエキスがたくさん含まれていて、健康維持どころか萎えた体も蘇生するエネルギーに満ちています。

お酒が「百薬の長」と言われる所以です。

微生物は謙虚な姿勢でありながら、自分らしく、仲良く生きているように見える。そこは大きな共生の世界、仲良し世界、感謝と報恩の世界だ。

本文抜粋

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