すごい読書 / 中島 孝志
この お勧め本紹介を通じて本を読むことの楽しさや色々な価値観を知り、成長に繋がることを紹介したいと思っています。
今回紹介する「すごい読書」は2009年に出版された本で、年3000冊の読書を行なっている著者 中島孝志さんが必ず結果を出す読書術を紹介しています。
今でも年間3000冊読書している著者は「ほぼ毎日配信!年3000冊読破の読書王・中島孝志の読む!見る!通勤快読宅配便」として、今でも本を紹介しています。
前書きで「きみ、本読みになったらあかんで」という松下幸之助さんの言葉を紹介しています。
本をたくさん読んでなんでも知っている人になったらいけないというわけでなく、「それ止まりではあかんで」という意味だと思うと紹介しています。
そしてこの本では、
- 仕事に役立つ読書
- お金が儲かる読書
- ひとまわり人間が大きくなる読書
この3点にできるだけ留意し、読書の読みかたを極めたいニーズに応え「人間的に一皮剥けた」と感じられるような仕掛けを本書に散りばめています。
政治・経済などその時のテーマに関しては古い事例もありますが、読書のあり方として今でも十分役立つと思い再読し、一部紹介します。
速読の紹介
速読に関しては色々紹介されていますが、なかなかうまくいかないのが私の感想です。
本書では速読について「必ず成果を出す」ことに焦点をあてています。いかにインプットするより、アウトプットにこだわる課です。
どんなに速読スピードが早くても、所詮、それは他人のアイデア=借り物に過ぎなければ役立たないということです。
スピード以上に大切なことはその内容からの想像力や創造力です。
目を活字に慣れさせるところからスタート
今まで本を読む習慣の少なかった人がいきなり分厚い本を読むことは遅々として進みません。
それは活字に目が慣れていないことと、内容を咀嚼できる脳でないからです。
この活字に慣れるには大きく分けて2つあります。
1つ目は目が活字に慣れることです。まずは速読眼を鍛えることが重要で、鍛えるには、
①外部器官の目を活字に慣れさせること
漫画しか読んでない人がいきなり難しい哲学書を読むと脳はフリーズします。
漫画と論理のフレームワークで構成された文章では理解する回路が違います。
②目を鍛えること
本を読むときに通常は1行ずつ読みます。1行読みを続けている限り速読スピードはいつまで経っても速くなりません。
1行読みから2行読み、2行読みから4行読みと訓練していきます。これは訓練すると簡単にできるようになるよう様です。
読書スピードをアップするコツ
- 目を慣らす
- 読むのではなく見る・眺める
- 脳を慣らす→脳を信じる
- 1回の精読より3回の省読
- ヒント・サポートを利用する
気軽に読書を行う
私が言いたいことは、読書に完璧を求めてはいけない。
1冊の本にあれもこれも要求してはいけない。
1つか2つなにかつかめればそれで元は取れた、と考えて欲しいのです。
本書 抜粋
中島さんの読書に関する持論は「1つか2つ得るところがあれば満足すべき」ということです。
その考え方であれば気負いせず読書が進むかもしれません。
キモは20%しかない
読書に関してもあまりにも型にハマりすぎると効果が薄いというのが著者の考え方です。
型にハマるとは本を手に取ると1ページ目から読もうとすることです。
目次を開けて興味深いところから好きに読む方が時間の方が重要なのでより効果的です。
本の書き手の立場で考えるとキモとなる20%のために他の80%を使っているのです。
読書においても統計学者アルフレート・パレートの「80:20パレートの法則」が当てはまるというのが著者の考え方です。
読書に完璧を求めてはいけないという事です。
豊饒(ほうじょう)な人生!優しくて強い人間になる
100冊の自己啓発書より1冊の山本周五郎
「100冊の自己啓発書より1冊の山本周五郎」という第6章の紹介は過去に読んだ小説も紹介されていて、読書は人間を磨く砥石と述べています。
人間が学ぶべきことは形而下(けいじか)の知恵=実学と形而上(けいじじょう)知恵=美学の2つであると紹介されています。
形而下(けいじか)の知恵
ここにコップがあったとします。この材料はいくらコストがかかっているか、ならばいくつ売れば採算が取れるかと考え注文するような商売の才覚のことです。
形而上(けいじじょう)の知恵
同様にコップで例えると、このコップは美しい。どこの硝子を材料にしてどう焼かれたのだろう?デザインは誰だろう?などおもに美学に思い馳せる意識です。
どちらもバランス良くなければいけないのです。一流の人ほど美学と実学のバランスが整っています。
自己啓発書のように「こうしたほうがいい」「こうすべき」と直接的に指示される形式よりなんとなく気付かせてくれる小説や自伝、評伝、歴史書を著者は薦めています。
司馬遼太郎や藤沢周平を文学として純粋に楽しむこともできますが「人間を勉強するには最高だ」「マネジメントにも使える」という人がほとんではないかと著者は考えます。
司馬遼太郎や藤沢周平・浅田次郎この3人を全て包括してしまう小説家として山本周五郎を紹介し、その中でも以下の小説を紹介しています。
「雨あがる」「町奉行日記」「樅ノ木は残った」「さぶ」
あまり小説は読まない私も「樅ノ木は残った」は誰かに勧められ読んで主人公の生き方に感動してのを覚えています。
興味がある方は是非読んでみて下さい。
雨あがる
職もなくあてのない旅をする武士「三沢伊兵衛」、そしてその妻「たよ」。
ある日大雨で足止めを喰らい、立ち寄った宿で、さまざまな人々の喧嘩に出くわす。命危険を顧みず、仲を取り持つ伊兵衛。その一部始終は藩主の目に届くこととなる。
藩主は伊兵衛の人柄を気に召し「剣術指南番」として城に迎い入れようと申し出る。
職にありつけるかもしれない、大きな期待を胸に吉報を約束する伊兵衛。
しかし、事態は望まぬ方向へと進んでしまう・・・・・・・。・・・そして、雨上がる・・・。晴々とした空、青青とした緑に誘われ再び当てのない旅に出る運びとなった三沢夫婦。
しかしながら、二人の心はいつにもまして晴れやかだった。
ウィキペディア(Wikipedia)
町奉行日記
着任から解任まで一度も奉行所に出仕せずに、奇抜な方法で藩の汚職政治を摘発してゆく町奉行の活躍ぶりを描いた痛快作『町奉行日記』。
藩中での失敗事をなんでも〈わたくし〉のせいにして、自己の人間的成長をはかる『わたくしです物語』。
娘婿の過誤をわが身に負ってあの世に逝く父親の愛情を捉えた短篇小説の絶品『寒橋』。
ほかに『金五十両』『落ち梅記』『法師川八景』など全10篇を収録。
樅ノ木は残った
伊達家62万石の危機を察知した仙台藩の重臣・原田甲斐が、たった一人で謀略から守る姿を描いた小説。
仙台藩の重臣・原田甲斐は3代藩主・伊達綱宗の放蕩に端を発した混乱の中、綱宗の叔父・伊達兵部の藩乗っ取りの陰謀を察知する。
兵部は幕府老中首座酒井雅楽頭と姻戚関係を結ぶなどして藩内での勢力を徐々に拡大。
さ ぶ
ある日、栄二は盗みの罪を着せられる。 怒りのあまり自暴自棄になり、人足寄場に流れ着く栄二。
人間すべてに不信感を持つ栄二をさぶは忍耐強く励まし、支える。
一筋の真実と友情を通じて人間のあるべき姿を描く時代長編。
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