自分のアタマで考えよう ちきりん / ダイヤモンド社
Chikirinの日記をご存知でしょうか?
自称“おちゃらけ社会派”として2005年春から更新されているブログです。
内容は政治・経済からマネー・問題解決など匿名ブロガーとして専門分野でない個人の考え方として書かれています。
この本はそのちきりんさんの思考法について詳しく書かれています。
ただ知識を詰め込むだけてなく、そこから自ら「思考」となるワザをちきりんさんが日常使っている方法を紹介されています。
私が感じたこの本の3つのポイント
①「自分だけの答え」の見つけ方
②情報でなく「フィルター」をもつ事が大事
③知識は「思考の棚」で整理する
「自分だけの答え」の見つけ方
今も世の中は沢山の情報が溢れています。このブログで紹介した「ファンベース」にも1日に発信される新たな情報は世界中の砂の数より多いと記されていました。
油断していると目の前のひとつの情報を見て「考える」前に次の情報に目を向けてしまいがちです。
ちきりんさんは情報と思考のバランスを意識的とっていて、情報収集に費やした時間と同じ時間を「なぜ?」と「だからなんなの?」という「思考のガイド」を使い考えるそうです。
「なぜ?」と「だからなんなの?」と考えるクセをつければ今まで見えなかった社会の動きが見えはじめると勧めています。
最近ユーチューブでホリエモンさんが「ブログやメルマガの文章を理解出来ない若者が増えたのでユーチューブで発信する機会を増やした」という意味合いのことを述べていました。
誰もが簡単に情報を手に入れる様になったことは確かに便利ですが、その情報を読取る力やそこから自分だけの考えが出来にくい今だからこそ、考えることで違った視点を見つけることが出来ると思います。
情報でなく「フィルター」をもつ事が大事
日本における就職活動を例に学生が企業の情報を集めることに躍起になっていて、「企業情報」より「自分のフィルター」を探すことの重要性を述べています。
仕事を選ぶというプロセスは、多くの選択肢をなんらかの基準によってフィルタリングし、自分がやりたい仕事と興味がない仕事と選り分け、適性のある仕事とない仕事に分離することと説明しています。
就職活動の成否は集めた情報量ではなく、自分自身の価値あるフィルターを、見つけられたかどうかにかっかっていて、就職以外にもこの思考法が必要であると思います。
ビジネスの世界において新たなフィルターを提示することは言い換えれば、新たなゲームのルールを作ることです。
別のブログでSDGsについて書いていますが、調べていくと国連で採択されたSDGsの目標にはヨーロッパの意向が色濃く入っています。
新たなルールづくりにおけるポジショニングにヨーロッパやアメリカは長けています。
エネルギー問題ひとつを例に出すと、地球温暖化の問題に自然エネルギーを使用しCO2削減を目標としますが、トランプ政権下のアメリカはシェールガス発掘技術の優位性を活かしたい思惑で「パリ協定」から一度離脱しています。
また、日本の火力発電によるCO2削減技術は激的に進化しています。
ドイツは声高々に原子力発電を使用しない宣言を行っても原子力発電のエネルギーをフランスから買っています。
この例においても長い資本主義社会の歴史のあるヨーロッパは「法と倫理」という抽象的領域でルールづくりを巧みに行っています。
知識は「思考の棚」で整理する
多くの情報を手にしたとき知識を整理する為の「思考の棚」が大事であるとちきりんさんは述べています。
「思考も棚」の例としてアメリカで「9.11」が発生した時の各国の報道の在り方の整理例を出しています。
1,日本人の生存確認中心のNHK
2,混乱気味に伝えるアメリカABC
3, 背景・分析した報道イギリスBBC
その時の放送の在り方の情報を比較対照し「思考の棚」として整理しておけば、万が一イギリスや日本で同様の出来事があった時に違う視点で判断することが出来るとして、整理法を紹介しています。
まとめ
独自の視点で物事を考え発信していく力は今後もますます必要となっていくと思われます。
独自思考で継続発信してく力に現象や情報を一度立ち止まって深く考えていく思考必然性を感じます。
検索で情報や答えを安易に手に入れる現在は自らの思考法で情報を整理し、考え、自分なりの考えをまとめ伝えていく能力を培う必要を感じました。
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