紹介本『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』

目次

最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか / 大西 康之

今回紹介する本は、興味津々の一冊、「最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか」です。

本書を読むきっかけになったのは、NEWS PICKSの番組『緊急生配信「どうなる楽天!?」徹底分析』を視聴し、

出演されていた大西康之さんの話に興味を持ったからです。

番組の最後に大西さんは、「かつての江副さんや堀江さん(番組出演中)のチャレンジに否定的な風潮が三木谷浩史さんの挑戦も同様になれば、誰も日本で挑戦する人がいなくなります」と締めくくります。

三木谷浩史さんのこれまで挑戦についても知りたくて読むことにしました。

目 次

プロローグ 冒険へ

第1章 海賊の仲間たち1 タレック・アミン
ヨルダンで生まれ、米国でITを学びインドで格安携帯革命を起こした天才

第2章 海賊の仲間たち2 矢澤俊介
駅前留学の営業マン、社長になる

第3章 海賊の仲間たち3 百野研太郎
トヨタ出身の「軍師」が持ち込んだ世界一の夢

第4章 海賊の仲間たち4 内田信行
安全地帯より危所を選んだ「通信のプロ」

第5章 海賊の仲間たち5 廣瀬研二と穂坂雅之
後衛を守るふたりがいるから攻めに行ける

第6章 海賊の仲間たち6 アベル・アヴェラン
「スペースX」のイーロン・マスクに挑む男

第7章 海賊の仲間たち7 アンドレス・イニエスタ
ぼくが日本に来た理由

第8章 海賊の仲間たち8 黒坂三重
ハードシングス――つらい別れの時

第9章 海賊の仲間たち9 蘇上育 
台湾から「世界選抜」のエンジニアとともに

エピローグ 名参謀の死

あらすじ

この書籍は、楽天の創業者である三木谷浩史の壮絶な挑戦と経営哲学に焦点を当てた作品です。

三木谷さんは「価格破壊」を掲げ、携帯事業という難敵の領域に果敢に挑んでいます。

しかしこの試みは簡単なものではありませんでした。

メディアは「経営難」という言葉を連発し、業界外からは厳しい目線で見られていてNEWS PICKSの番組『緊急生配信「どうなる楽天!?」徹底分析』でも悲観論が多数です。

一方で、楽天モバイルの「完全仮想化技術」は2年連続で「グローバル・モバイル賞」を受賞し、新卒採用ではなんと東大生の就職先として3年連続第1位を獲得しています。

23年4月3日、二子玉川の楽天本社に東大卒の46人を含む約900人の新入社員が集められた。

三木谷は英語でこう語りかけた。

「楽天モバイルの挑戦を馬鹿げたプロジェクトと言う人もいるが、耳を貸す必要はない。

過去でなく未来に賭けよう。AIに仕事を奪われることを心配するんじゃなく、AIで世の中を元気にしよう。」

そしてこう締めくくった。

「君たちは楽天という会社に入ったんじゃない。世界を変えるプロジェクトに加わったんだ」

「welcome aboard(乗船ありがとう)」

本書 抜粋

日本国内でのレガシィメディアと、海外や若者たちからの評価が食い違う中、真実は一体どちらにあるのか?

この本の著者である大西康之さんは、以前このブログで紹介した「起業の天才!江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男」も書かれ、経営者の素顔に迫る手腕を見せてきました。

そして今回、三木谷を取り上げたのは、現在の楽天モバイルの苦戦と報道されるその真相に迫りたいからでした。

出光佐三がタンカー『日章丸』で英国海軍の封鎖をかいくぐり、本田宗一郎が政府の反対を押し切り四輪車業界に進出したように、戦後の日本には社運をかける「海賊」が存在しました。

しかし、時が流れるにつれて会社は退屈な場所となり、その激情は薄れてしまいました。

そんななか、楽天は創業当初の成功に満足することなく、次々と危険な挑戦を続けています。

筆者は、現在活躍する経営者の中で、ここまで無謀に挑む人物は他にいないと語っています。

楽天の命運は、まさに日本の未来に影響を及ぼす可能性を持っています。

現代の経済はITとソフトが主導する中、なおも「モノづくり」の大国である日本。楽天の行く末は、その未来を決定づける一石となることでしょう。

本書の目次を見てみると、各章ごとに海賊の仲間たちの実話が綴られています。

既得権を持つエスタブリッシュメントに挑む新参者にこの国はとても冷たい。

世間は江副を、首相経験者など大物政治家や経営者ら大勢を巻き添えにし司直の手にかけた「リクルート事件」の「主犯」として記憶し、リクルートという偉大な会社を遺した彼の業績は消去された。

最強の資本主義国である米国では、スキャンダルが消去され、業績が語り継がれる。

因習を打ち破ったものに社会は惜しみない拍手を送り、多少の行儀の悪さには目をつぶる。

エスタブリッシュメントに勝てる見込みは万に一つだが、勝てば「海賊」は「英雄」になる。

しかし「官尊民卑」は蔓延り、「資本主義の精神」が理解されていない日本では、古い仕組みを壊す江副や三木谷は「ならず者」と見做される。

本書 抜粋

彼らは、それぞれ異なる状況や背景を持ちながらも、自らの信念をもって新たな事業に挑みました。

この章立てによって、楽天という企業の舵取りをする三木谷浩史の姿が、より鮮やかに浮かび上がることでしょう。

「最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか」。

この一冊が、経営者の覚悟と情熱、そして未知の世界に挑む勇気を読者に伝えることでしょう。あなたは、彼の物語に触れたとき、どのような感情を抱くのか、楽しみにしていてください。

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