紹介本『居場所。 ひとりぼっちの自分を好きになる12の「しないこと」』

目次

居場所。 ひとりぼっちの自分を好きになる12の「しないこと」/大崎洋

今回紹介する本は今年吉本興業ホールディングス代表取締役会長を退任した大崎洋さんの大﨑洋さん初の単著『居場所。 ひとりぼっちの自分を好きになる12の「しないこと」』です。

若かかりしダウンタウンの二人、や明石家さんまさんなど、日本のお笑い界のトップスターたちとのエピソードが満載です。

自らの幼少期の身内の事や恥ずかしい過去も赤裸々に描かれています。

さみしいときやこころがしんどい時にあたたかな気持ちになれる優しい本です。

「一気に八回読んだ」
 ————松本人志

ダウンタウンを見出し、
活躍の場をつくり、
ともに歩みつづけた
吉本興業のトップがはじめて語る「生きづらさ」の処方箋。

激動の人生を歩んだ著者が、
自分や大切な人たちの「居場所」を
つくるために心がけてきた
12の「しないこと」とは。

目 次

————————————————————————————————
01  置かれた場所で咲こうとしない
02  孤独を見つめすぎない
03  競争しようとしない
04  限界までがんばろうとしない
05  白黒はっきりさせようとしない
06  友だちをつくろうとしない
07  相談しようとしない
08  目的地を決めようとしない
09  合理的にしすぎない
10  みんなにわかってもらおうとしない
11  ルールを決めすぎない
12  居場所を場所に求めない
————————————————————————————————

 置かれた場所で咲こうとしない

「置かれた場所で咲きなさい」と一時ブームを巻き起こした本がありました。

「時間の使い方は、そのまま、いのちの使い方なのですよ。置かれたところで咲いていてください」
結婚しても、就職しても、子育てをしても、「こんなはずじゃなかった」と思うことが、次から次に出てきます。

そんな時にも、その状況の中で「咲く」努力をしてほしいのです。
どうしても咲けない時もあります。

雨風が強い時、日照り続きで咲けない日、そんな時には無理に咲かなくてもいい。

その代わりに、根を下へ下へと降ろして、根を張るのです。次に咲く花が、より大きく、美しいものとなるために。
現実が変わらないなら、悩みに対する心の持ちようを変えてみる。
いい出会いにするためには、自分が苦労をして出会いを育てなければならない。
心にポッカリ開いた穴からこれまで見えなかったものが見えてくる。
希望には叶わないものもあるが、大切なのは希望を持ち続けること。
信頼は98%。あとの2%は相手が間違った時の許しのために取っておく。
「ていねいに生きる」とは、自分に与えられた試練を感謝すること。

amazon 「置かれた場所で咲きなさい」 引用

それを「その場所はすべて偶然たどり着いた場所」と一石を投じてくれたのにはすごく救われました。

「根をはる」のではなく「風に舞う」

以下の2つの勘違いをしてつまずいている人が多いと著者は感じています。

  • 「置かれた場所で花を咲かせなければいけない」
  • 「今いる場所で花がないなら、他を探せばいい」

今いる場所は、すべて偶然たどり着いたところです。

たまたま入った学校で、たまたま入ったクラスやクラブ。

たまたま入った会社で、たまたま配属された部署。

場所が合う・合わないは必然でも、ルールはそれぞれあるから、自分が勝てるルールもあれば、いくら努力してもボロ負け間違いなしのルールもあります。

それなのに「小さくてもいいから、その場で絶対に花を咲かせろ」なんて無理な話です。

「根をはる」のではなく「風に舞う」 引用

著者が勧めたい2つは

  • どこだろうと、土俵にあがらないこと
  • どこにもしがみつかないこと

タンポポの綿毛みたいにふわふわ漂って、自由にいろんなところに行ってみる。

いきなり花を咲かせるなんて思わず、細くてちっぽけでもいいからほんの少し根をはやしてみる。

「根をはる」のではなく「風に舞う」 引用

合理的にしすぎない

ものすごく素朴な疑問なんですが、「やりたいこと」や「好きなこと」ってお金にならないといけないのでしょうか?

・好きで、お金を稼げて、仕事になること

・好きで、役に立って、人に認められること

「そんなこと言われたら、好きなことはない」と悩んでしまう人がたくさんいるのは、当たり前と言う気がしています。

だって、そんな合理的なこと、難しいじゃないですか!

好きという入口は飾りで、もしかすると「お金が儲かって人に認められる」という出口があるから、好きなふりをしてるんじゃないかと疑いたくもなってきます。

何より、「そういう発信って疲れへんのかなあ?」と思うです。

「やりたいことが見つからない」 引用

著者はハードルはできる限り下げたほうがいいと言います。

人のためにやろうとすることは尊いい、お金を稼げるようになったら言う事ありませんが、それが出来なくても、「頼まれたこと」だけやればいいと言います。

自分に何ができるかわからないけど、誰かに何かを頼まれたら、「わかった」と言って懸命にやり、自己表現や合理性とかはいったん捨ててしまい、人のために自分は何ができるかを追求してむることを勧めています。

まとめ

吉本興業の会長が自身の人生を振り返りながら、一人語りをするエッセイです。

この本は、有名人のエピソードや家族とのほっこりしたエピソードが魅力的です。

著者は競争やマウントを取ること、金を稼ぐこと、社会のためになることを目指す生き方の疲れを感じ、自分自身の心の声に従う生き方の大切さを主張しています。

この本を読むと、大崎会長の温厚でのんびりした人柄にほっこりと癒されます。

肩の力を抜いて、自然体で、無理せずに生きることの大切さを教えてくれます。

周りと比べる必要もなく、必死に自分に合った目標を見つける必要もありません。

焦らずに自分の心の声に従って生きることで、気楽さを感じることができるのです。

本書では、「人にわかってもらおうとしない」という姿勢も説かれています。

初めは冷たく映るかもしれませんが、実はそれが自由であり、自分を縛らないことに繋がります。

他人の理解を求めることで衝突や悩みが生じることもあるため、それを気にしないことが大切なのです。

この本は、一般的な自己啓発本とは異なり、自己啓発本が抱える意識高い系の表現とは一線を画しています。

著者の提案する考え方は、多くの読者にしっくりと馴染む思います。

『居場所。 ひとりぼっちの自分を好きになる12の「しないこと」/大崎洋』は、心地よい気持ちで肩の力を抜き、無理せずに自分を受け入れることの大切さを教えてくれる素晴らしい本です。

自己啓発本に疲れた方や自分を好きになりたい方にとって、心の拠り所となることでしょう。ぜひ読んでみてください。

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