ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集 /石角 完爾 集英社
この本はユーチューブ「両学長リベラルアーツ大学」の紹介で知りました。
Google創業者のラリー・ペイジ氏や、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏、「ブルームバーグ」の創業者で元ニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグに共通点は全員ユダヤ人であることです。
以上の通り『フォーブス』の長者番付で常に上位を占めているのもユダヤ人です。
また、世界人口のわずか〇・二五%のユダヤ人が、ユダヤ系を含めるとノーベル賞受賞者の二〇%を占めているといわれています。
この成功に裏に「タルムード」があり、その説話をユダヤの母親は子どもが幼いうちから繰り返し読みきかせをしているという事です。
その説話の事と説話の1部をユーチューブ「両学長リベラルアーツ大学」で紹介されていて、興味を持ち購入しました。
この お勧め本紹介blogを通じて本を読むことで色々な価値観を知る事で成長できることを伝えていきたいと思っています。
タルムードとは
宗教にはそれぞれ聖典がありますが、タルムードは他の宗教に比べて現実世界における成功や繁栄につながる内容がかなり多くあります。「ビジネスパーソンの指南書」たる要素すらあると感じます。
たとえば「学ぶことが大切だ。常に新しいことを学びなさい」などといった教えがあり、なにより特徴的なのが、約二〇〇〇年も前から生産性について述べられているということです。
「時間当たりの成果をちゃんと意識しなさい」と明記されていることにも驚きを感じます。
このタルムードはあらゆる事柄についていろいろな規範とそれに関する詳細な議論の全てが記してあるそうです。
その議論集は400ページからなる書物が30冊以上ある莫大な量で、ユダヤ人はこれを毎日少しずつ読んで勉強するそうです。
そのタルムードの議論の説話を母親は子どもが幼いうちから繰り返し読み聞かせ、語って聞かせます。
そして大事なことは、登場した人物や動物が取った行動を「あなたならどうする?」と問いかけ子どもが答えると「それはどうして?」と質問します。
こうした説話で繰り返し語られるのは人生で起こりうるさまざまなトラブルについいてです。
そこで母親から「あなたがこんな目に遭ったらどうする?」と問いかけられ、子どもは必死に考えて答えを見つけようとするのです。
そんな説話の中から1つ物語を紹介しますので、答えはぜひ本書を手にしてみて下さい。
タルムード 説話例 「魔法のザクロ」
あるところに仲良しの三人兄弟がいました。兄弟がそれぞれ成人し、10年各地で修行することにしました。
10年後にそれぞれ10年間に自分が見つけた世界で最も不思議なものを持ってくる約束をしました。
1番目の兄は東に行き、ある旅人から世界の隅々まで見える不思議なガラスコップを買いました。
2番目のあには西に行き空飛ぶ絨毯を手に入れました。
1番下の弟は南に行き、1本の不思議なザクロ木を見つけました。ザクロの木には沢山の花が付いているのに実はひとつしかなっていません。
しかしその実は真っ赤に熟しているのに、たった一つだけで実を取ろうとして手を差し伸べたときにポタっと手に落ちてきます。
不思議なことに沢山咲いていた花の一つだけが真っ赤に熟したザクロになりました。このザクロの木の不思議さに木を持って帰ろう思いました。
思った瞬間ザクロの木がパッと消えてしまいます。手の中にはザクロの実がひとつ消えずに残っていました。
三人兄弟はそれぞれ持って帰ったものをお互い見せ合います。
世界の隅々まで見渡せるガラスコップを見ると、ある国のお姫様が重病でベットに寝ている姿が映ります。
傍らで王様が「誰か治してくれる者はいないか?早くしないと娘は死んでしまいそうだ」と嘆いていました。
これを聞いた三兄弟は急いで行こうと、魔法の絨毯に乗ってお姫様の元に飛んで行きます。
そして、一番下の弟が、これを食べるとお姫様の病気がよくなるに違いないとザクロの実を半分に割りお姫様に差し出しました。
お姫様が一口、二口と食べると顔に精気が戻り、力強く立ち上がることが出来ました。
王様は感激し、三人兄弟にこう申し渡しました。
「お前たち3人のおかげで姫は重病から回復した。3人の兄弟の誰でも、姫と結婚してもよい。3人で話し合って誰が結婚するか決めなさい」
すると姫が「私に質問させて下さい」と割って入りました。
本書「魔法のザクロ」略
本書では物語りの答えを伝えていますが、ユダヤの母親が子どもに話をする時は子どもに向かい「さて3人の兄弟のうち、お姫様が結婚相手に選んだのはだれでしょうか?」で話を止めます。
後は子どもの答えを待ちます。その答えに対して必ず「なぜ?」と聞きます。
こうしてユダヤ式教育が始まります。
正解の答えを選んだとしても、その理由がちゃんと答えられなければ、何度でも「なぜ?」を繰り返します。
子どもが頭を悩ませ、考え抜いた挙げ句答えを導き出せたときにニッコリ微笑んで、よくできたことを褒めてあげます。
こうしてユダヤの子どもは「WHY」から学んでいきます。
まとめ
ユダヤ人の偏見の中で世界で一番多いのは、高利貸しに代表される強欲な金持ちというイメージでしょう。
冒頭に伝えた様にユダヤ人の経済的成功者が数多く存在する事実はありますが、全世界いにいる1300万人いますが平均的日本人より貧しい暮らしをしている人も多くいる事実もあります。
ただし、お金に関する価値観は日本人とユダヤ人には大きな違いがあり、お金にまつわるたくさんの知恵が語られいる事で学んでいることが金銭的な成功に関わっている事実もあります。
日本人のお金にまつわる価値をあらわす言葉
- 「金は天下の回りもの」今は貧乏でもやがて巡り巡って回ってくるという楽観論
- 「地獄の沙汰も金次第」「金と痰壺はたまるほど汚い」等お金を軽蔑することわざ
- 「金の切れ目が縁の切れ目」「金を貸すと友達を失う」等お金が人間関係を壊す元凶という価値
ユダヤ人のお金にまつわる価値をあらわす言葉
- 「知恵のないものにはお金は回ってこない」という価値観
- 「心の平穏は財布次第だ」「心を病むと体が悪くなる。しかしお金がないと両方悪くなる。」お金至上主義ではなく見下したり、軽蔑することわありません。
- 「お金がありすぎると人間は獣のように警戒心が強くなるが、金が全くないとなりふり構わない本当の獣になる」
- 「金という石鹸で洗えば何でも綺麗になる」
ユダヤ人はお金を冷静に見ることができ、お金は人生における「大切な鍵」という認識を持っています。
その知恵が何世代も受け継がれ身に染み付いていることがユダヤ人の現実主義となっています。
「宵越(よいご)しの銭(ぜに)は持(も)たない 」というその日に得た収入はその日のうちに使い果たす。
金銭に執着しない江戸っ子の気性をいった言葉とは価値観に大きな違いがり、現実主義としては見習う点も多くあるように感じます。
コメント
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[…] いずれのテクニックも「本の単なる読者にならないこと」を勧めています。前回紹介したユダヤ人の成功哲学の様に自分で考えることの必要性をと唱えています。 […]