このブログ「介護役立つ情報」では、事業所選びや介護の仕事情報等を紹介します。
今回は厚生労働省と社会福祉振興・試験センターから今月9日に発表された「福祉系専門職就労状況調査(速報版)」について紹介します。
潜在有資格者の福祉分野への就業意向
この度の福祉系有資格者の調査は社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士の有資格者で調査されました。
どの資格においても、条件があえば、福祉・介護・医療業界で働いてもいいという意向が高く、うまくマッチング出来ると人員不足の解消につながる結果となりました。
但し介護福祉士の就業経験があり、現在仕事をしていない人の回答は条件があえば働きたいが「35.2%」、働きたくないが「30.0%」と意見が拮抗しています。
社会福祉士・精神保健福祉士の就業場所の上位は病院系の相談員でエビデンスに基づいたソーシャルワークが中心です。
それに対し、介護福祉士の就業場所の上位は福祉系施設であり、今までは勘と経験が重視された現場が多く、腰痛などの職場環境も起因しているように思います。
介護福祉士の年収 額面平均292万円 17.%が「満足」「不満」が28.3%
経験の長い介護福祉士の処遇を改善する為、特定処遇改善加算が設けられ国も更なる処遇改善に舵を切りました。
全産業の平均年収440万円をひとつのモデルとして特定処遇改善加算の立て付けを検討されましたが、思う程の加算率でなく、小規模事業所においてモデル年収を設ける事は物理的に難しい算定内容でした。
調査時期からみて年度末の一時金賞与として特定処遇改善加算を支給予定の事業所の給与は反映されていません。
処遇改善に関する加算等は月々の賃金にて支給することを国は推奨していますが、過去の改定で何度も政策誘導後に梯子を外す改定が何度もあり、経営サイドとしては躊躇せざる得ない現状があります。
介護事業所が処遇改善できない現状
各市町において公募されるサービスに応募する際は必ず事業計画で複数年の収支提出と長期にわたる賃貸借契約書を求められます。
利用者保護の観点から致し方ありませんが長期事業運営を求めるのであれば長期の公費(介護報酬)の維持・上昇の担保も必要です。
介護保険制度の制度設計に関しても見直しが必要です。
介護が必要な度合い(介護度)で報酬算定されている為、身体能力の維持・向上へのインセンティブが働かないので、介護度が重く出ることを事業運営者は望みます。
今回の改定で科学的介護LIFEが提唱されADL維持に関してのインセンティブは今回の改定で若干改善はされました。
但し、一番改善・維持されれば社会的ロス(介護退職)が少ない要支援~要介護1までの介護報酬は極端に下げられ、経営意欲を損なう現状です。
ICT等の活用で入所施設等の夜間帯における人員配置の緩和等方向的には正しい政策と思います。
テクノロジー導入等に更なる予算をつけ直接介護を伴わないシーンへのロボティクス導入等まったなしの状況は続いています。
社会福祉士の年収 額面平均403万円 35.8%が「満足」と回答
病院退院後の在宅生活復帰に向けた地域連携室等ソーシャルワークの仕事に関して更なるニーズは高まります。
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