このブログでは「介護役立情報」を紹介します。
介護サービスにおける個人情報の取り扱いについて紹介します。
個人情報保護法では、事業者が取得した個人情報を他の事業者に紹介する場合本人の承諾を必要としています。
但し介護サービス提供においては急を要する場合や事業所間で効率よく共有することで適切なサービスを受けれる側面もあります。
このことから一般的には、サービス提供時に契約書などで包括的に利用者の承諾を取りつけています。
サービスを受ける際の障害の状況やサービス提供内容などの情報は他事業所と共有しても個人情報保護法に抵触しません。
本人・家族が不利益につながる情報は提供できない
ある利用者が突然居宅のケアマネやデイサービスなど変更した場合、新たなにケアプランを立てるケアマネや新たにサービスを提供する事業者は変更の理由を知りたいものです。
例えば利用者本人がわいせつ行為を行う事や家族・本人がカスタマーハラスメントを行う事例など事前に知りたいものです。
上記にような情報を、新たな居宅のケアマネや新サービス事業者が旧事業所に問い合わせた場合従前の事業者は本人の承諾なしに情報提供することをしてはいけません。
通常の包括的な個人情報は本人に対する介護サービスの提供に必要不可欠かつ最低限の情報でなければなりません。
一番重要で押さえておかないいけない点は「本人の利益につながる情報である」という事です。
取得して個人情報が特定した利用目的の範囲で利用することが定めてある為、本人が不利益となる情報は本人の承諾が必要ということです。
もし、上記のようなわいせつ行為事例や過度な苦情を申し立てるカスタマーハラスメントの情報を伝えたことが利用者又は家族が知り得た場合訴えられる恐れも生じます。
小規模な市町においては、噂レベルで情報が漏洩するケースや、伝えなかったとしてもその事で新たな事業者から逆恨みされる恐れもあります。
それでもその地域で個人情報の取り扱いに関する漏洩リスクの共有で改善が必要になってきます。
介護サービスにおいて注意すべき「要配慮個人情報」
2015年7の個人情報保護法の改正により、要配慮個人情報については、取得時に個人の承諾を得ることが義務付けされました。
要配慮個人情報とは、従来は、センシティブ情報と言われ、漏洩が重大な人権侵害につながるプライバシー性の高い情報で、具体的には以下のような情報です。
- 人種 (「在日〇〇人」、「〇〇地区」「日系〇世」など)
- 信条 (信仰する宗教、政治的・倫理的な思想など)
- 社会的身分 (「非嫡出子」、「非差別部落の出身など」)
- 病歴 (「肺癌を患っている」、「統合失調症で通院している」など)
- 犯罪の経歴 (裁判で刑が確定した事実など)
- 犯罪により外を被った事実(「詐欺被害」「ネットの誹謗中傷」など)
- 身体障がい、知的障がい、精神障がい、など
個人情報保護法では、上記のような情報で不当な差別や偏見その他の不利益が生じないように特に取扱に配慮を要する情報を「要配慮個人情報」と定めて厳格な取り扱いを求めています。
その為第三者(他サービス事業者等)への提供には必ず本人の同意が必要です。
介護事業所における具体例としては以下のようなものが挙げられています。
介護関係記録に記載された病歴、診療や調剤の過程で、患者の身体状況、病状、治療等について、介護従事者が知り得た診療情報や調剤情報、健康診断の結果及び保健指導の内容、障害(身体障害、知的障害、精神障害等)の事実、犯罪により害を被った事実等。
これらに記載された情報については、特に取り扱いに気を付けなければならないことは事業所内にて徹底しなければなりません。
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