介護施設のクラスター最多!今すぐできる感染対策

このブログでは「介護役立つ情報」を紹介します。

厚生労働省は2月24日、全国の高齢者施設でこれまでに発生した新型コロナウイルスのクラスターの件数を公表しました。

直近のクラスター発生件数

21日0時までの直近1週間で全国で482件発生しています。

過去最多だった前週から更に増加傾向にあります。

最多更新はこれで4週連続続いています。

全体の感染はやや鈍化していますが、ハイリスクの人が多い介護現場でクラスターが続出する極めて深刻な事態が続いています。

一度発生すると収束までに時間がかかるのも高齢者事業所の特徴です。

感染力の強い「オミクロン株」が猛威を奮う第6波のなか、リソースも乏しい高齢者施設が厳しい状況に追い込まれています。

直近1週間のクラスター件数は、医療機関(179件)や児童福祉施設(166件)、障害者福祉施設(51件)より大幅に多くなっています。

感染拡大を抑え込むのは非常に難しく、介護現場の関係者の努力にも限界があります。

前回のデルタ株の時も同様でしたが、若年層から感染ピークがあり、遅れて高齢者施設を襲うケースです。

高齢者施設の現状

重症化リスクの高い高齢者施設で今回のオミクロン株クラスターが防ぎにくい現状課題も浮き彫りとなっています。

入所系の発生状況をヒアリングすると、まずこの時期、家族等の面会は控えている事業所がほとんどです。

その為、感染経路は、感染しているが無症状の職員からがほとんです。利用者の感染が分かり、ユニット全ての抗原検査の結果、多くの職員から陽性反応が確認されます。

国からの感染に関する発表によると、発症の直前・直後でウイルス排出量が高くなるため、無症状病原体保有者(症状はないが検査が陽性だった者)からも、感染する可能性があります。

発症(熱症状)前2日前から感染が確認される状況で介護サービスの特性上近距離でサービスを提供する現状で感染を防ぐ事の難しさがあります。

国から出されているBCPガイドラインを基に感染が発生した事業所の事例を紹介します。

感染対策が不十分と思われる事業所や未だクラスター感染を経験されていない事業所は感染が発生した事業所の生の声を参考にして下さい。

BCP作成のポイント

以下は厚生労働省が示すBCPガイドラインの抜粋です。

ガイドラインと併せて実際に感染が発生した事業所で発生した課題も紹介します。

業務継続計画(BCP)とは BCP(ビー・シー・ピー)とはBusiness Continuity Planの略称で、業務継続計画などと訳されます。

新型コロナウイルス等感染症や大地震などの災害が発生すると、通常通りに業務を実施することが困難になります。

まず、業務を中断させないように準備するとともに、中断した場合でも優先業務を実施するため、あらかじめ検討した方策を計画書としてまとめておくことが重要です。

BCPガイドライン 抜粋

<1>施設・事業所内を含めた関係者との情報共有と役割分担、判断ができる体制の構築

感染(疑い)者発生時の迅速な対応には、平時と緊急時の情報収集・共有体制や、情報伝達フロー等の構築がポイントとなります。

そのためには、全体の意思決定者を決めておくこと、各業務の担当者を決めておくこと(誰が、何をするか)、関係者の連絡先、連絡フローの整理が重要です。

感染発生事業所で聞く課題

  • 介護現場の人員欠如が慢性化する中、全体の意思決定者が初動時に感染してしまい現場を離れる恐れ(代役予め想定)
  • 全体の意思決定者は家族対応や病院連携等行う者が当たる為、感染ゾーンに入らず、直接ケアにも当たらないことを平常時から合意形成(職員間で不満が起こるリスク)
  • 連絡フローの整理出来ていないと必要以上に現場が感染症を恐れ混乱
  • 地域の無料PCR検査・抗原検査場所を事前に調べ、感染疑いの都度活用
  • 感染エリアで業務する職員を平時に決定(家族の同意、職員の既往歴・年齢・妊娠などに配慮)
  • 感染拡大時期の感染対策の脆弱(送迎時の換気・食事対応・マスク着用)

<2>感染(疑い)者が発生した場合の対応

介護サービスは、入所者・利用者の方々やその家族の生活を継続する上で欠かせないものであり、感染(疑い)者が発生した場合でも、入所者・利用者に対して必要な各種サービスが継続的に提供されることが重要です。

そのため、感染(疑い)者発生時の対応について整理し、平時からシミュレーションを行うことが有用です。

感染発生事業所で聞く課題

  • ゾーニングの不徹底や手指消毒が不十分による二次感染の発生(感染時は職員各々が消毒を携帯)
  • 職員トイレ・休憩室での二次感染 導線 ゾーニングの徹底
  • ゴーグル・フェイスシールド・防護服等の備蓄不足(感染又は疑い者が発生しても無防備な状態での介護の恐れ)

<3>職員確保

新型コロナウイルス感染症では、職員が感染者や濃厚接触者となること等により職員が不足する場合があります。

濃厚接触者とその他の入所者・利用者の介護等を行うに当たっては、可能な限り担当職員を分けることが望ましいです。

職員が不足した場合、こうした対応が困難となり交差感染のリスクが高まることから、適切なケアの提供だけではなく、感染対策の観点からも職員の確保は重要です。

そのため、施設・事業所内・法人内における職員確保体制の検討、関係団体や都道府県等への早めの応援依頼を行うことが重要です。

感染発生事業所で聞く課題

  • 感染拡大時期は、関係団体・都道県の応援依頼しても応援は皆無
  • 感染エリアと感染してないエリアで職員固定(人欠による往来完全ストップ)
  • 感染職員復帰までの最低職員体制の調整
  • 有症状前に多数の職員が感染した場合、感染していない職員で夜勤・日勤を最低何人で何日運営できるかのシフト調整
  • 感染していない職員が自宅に帰りたくない場合の宿泊場所の確保
  • 感染していない職員が対策後も新たに感染することを想定した応援体制
  • 応援職員が自施設に戻る際の待機期間を含めた応援調整
  • 早期職員復帰時の抗原検査キットの準備・備蓄

<4>業務の優先順位の整理

職員が不足した場合は、感染防止対策を行いつつ、限られた職員でサービス提供を継続する必要があることも想定されます。

そのため、可能な限り通常通りのサービス提供を行うことを念頭に、職員の出勤状況に応じて対応できるよう、業務の優先順位を整理しておくことが重要です。

感染発生事業所で聞く課題

  • 他部署からの応援も踏まえ簡潔な感染時の業務マニュアルが必要
  • 食事介護のリスクを考え食器洗いは止め使い捨て食器等を使用(二次感染のリスク)
  • 自施設で食事作りは止め給食・弁当に切り替え(業務負担軽減)
  • 入浴回数を減らす(事業所内で数値化)
  • リネンの保管・管理の徹底
  • 感染ゾーニングへ出入りの感染対策徹底
  • 居室での隔離が困難な認知症利用者の対応
  • 職員不足による転倒リスク等(三要件を満たした緊急やむを得ない身体拘束を事前に検討)

<5>計画を実行できるよう普段からの周知・研修、訓練

BCP は、作成するだけでは実効性があるとは言えません。危機発生時においても迅速に行動が出来るよう、関係者に周知し、平時から研修、訓練(シミュレーション)を行う必要があります。

また、最新の知見等を踏まえ、定期的に見直すことも重要です。

感染発生事業所で聞く課題

  • 感染が起こった事業所とそうでない事業所の危機意識の違い
  • 管理者の危機管理意識で初動の対応ヒューマンエラーが発生する
  • 実効性のあるBCP策定には感染発生を想定して実効性のある訓練が重要

その他の留意点

  • 地域の感染者数にもよりますが、主治医から保健所に入院要請があっても施設入居者の救急搬送で入院できる可能性は限れていると認識する。
  • 重篤リスクの高い入居者家族には延命治療や救急搬送が難しい状況を日々説明する。
  • 感染による自粛期間終了後(感染リスクがなくなった後)に看取りになる場合家族とのオンライン面会などの配慮
  • 3回目ワクチン接種による副反応と感染疑いのミスジャッジ(疑わしきは自宅待機要請)
  • 職員の労務管理上の規定整理(労災・休業補償、傷病手当、会社都合による休業要請、感染エリアの就業特別手当等)

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