介護 居宅 ICT進まない理由

このブログ「介護役立つ情報」では、事業所選び・介護の仕事や介護に関わる情報を紹介します。

今回は居宅介護支援事業所のICT活用が進まない理由についてのレポートを紹介します。

目次

居宅介護支援における業務負担等に関する調査

今月に発出された介護保険最新情報Vol.977でも取り上げられた国の新たな調査レポートによると、家庭介護のマネジメントを行う居宅介護支援でICTの活用が十分に進んでいない現状が明らかにされています。

この調査は、厚生労働省が民間のシンクタンクに委託して昨年度に実施したもの(2020年度老健事業)。全国2000の居宅介護支援事業所を対象として行っています。

この調査それによると、他の介護サービス事業所と文書をやり取りする具体的な方法では、「手渡し(88.3%)」「FAX(82.9%)」「郵送(78.1%)」の多さが際立ちます。

「連携ツール・ネットワーク」は9.0%、「クラウドサービス」は4.4%に留まっています。

検討委員会で出た意見によると「一番ネックとなっているのが、自治体(各保険者)であると感じている。」意見もあります。

『「居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)⇔自治体(保険者)」を入れ、各指定の申請書類を
はじめ、保険情報のやりとりの簡素化などの議論をしたほうが良い。』という意見もあります。

行政サービスは特に全体をみて運営される点があります。ある政令指定都市の保険者は昨年まで通知文書はFAXでした。

以前記録の残るメールでの通知を依頼した際「小規模な事業所にはネット環境がなくFAXしかない為FAXで通知している」という回答でした。

このことはコロナ禍で学校休業時のオンライン授業の是非の際も環境が整えない家庭への配慮という意見がありました。

今回のコロナワクチン全国一斉配布も感染拡大地域に配布量を増やした方が全体の感染者数を減らせれるデータを専門家会議から発表し、進めた方がより全体の感染者数を減らせた様に感じます。

サービス担当者会議の開催方法

コロナ禍を踏まえたサービス担当者会議の開催方法では、「通常の訪問・対面」が74.7%で最多。

それ以外の開催方法をツールごとにみると、「電話」が78.1%で最も選ばれていた。

「テレビ会議」は2.6%のみ。

「その他」が42.1%となっているが、これはFAXや郵送など紙ベースの情報共有が大半を占めるという。

担当者会議のICT化には慎重論も多くあります。

サービス担当者会議の訪問をICTで代替しても問題ないか?

この質問に対する答え(*)は、「代替してもよい」が46.8%、

「どちらともいえない」が34.6%、

「代替すべきでない」が13.8%。

代替する際の懸念では、「参加者とのコミュニケーションが困難(72.4%)」「利用者・家族の理解を得ることが困難(56.9%)」などが特に目立っていた。

ICTを活用していない理由

もうひとつの課題は法人のICT導入への取り組み姿勢です。

ICTを活用していない理由調査の結果は以下の通りです。

 ・最も多かったのは63.5%の「法人がICT化に取り組んでいないため」

 ・「他の介護サービス事業所がICTに対応していないため」が48.0%、

 ・「セキュリティに不安があるため」が40.3%、

 ・「十分なコミュニケーションができないため」が31.5%と続きます。

 また、「ICTの導入・維持にはコストがかかる」「ICTの知識がない」などの答えも少なくありません。

実際の現場感覚で言うとケアマネージャーのキャリアと年齢が大きく左右する傾向を感じます。

地域によっては介護保険制度が始まり20年が経ち、ケアマネの世代交代がおきています。年齢が高いケアマネジャーほどICTに抵抗があるように感じます。

また、キャリアを積み上げていくうちにできたルーティンワークを変更する事にも抵抗を感じる方も多いいと認識しています。

今後の展開

昨年から続く感染症対策の助成金で多くの事業所がICTに関する機器導入を行っています。

また、2021年改定における「科学的介護情報システム(LIFE)」の導入など一気に変化する下地整いつつあります。

今後まったなしの介護人材不足に向け厚生労働省も「介護現場の生産性向上」に向けた多くの取り組みもスタートしています。

 

にほんブログ村 介護ブログ 高齢者福祉・介護へ
にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (1件)

コメントする

目次