コロナ禍の介護事業所 経営実態調査

このブログでは「介護役立つ情報」を紹介します。

今回は介護労働安定センターから発表された、新型コロナウイルスの流行が介護現場に与えた影響などを探った調査結果について紹介します。

目次

事業収益の減少事業所増加

事業収益の前年同時期比較(2020年3~5月)の影響は感染多数地域と少数地域で大きく減収の影響に差が出る結果となりました。

感染多数地域の減少割合は48.2%で横這いの39.5%を大きく上回りました。中でも10%~50%減少事業所割合は24.6%と一番多くなっています。

一方、感染少数地域での減少割合は26.9% 横這いのは54.6%と影響を受けていない事業所割合が大きくなっています。

この時期の緊急事態宣言はエビデンスが少ない為、一番厳しい行動制限で通所介護やヘルパー等の利用自粛ムードが大きく影響しています。

更に感染多数地域の中でも高齢者施設でクラスターが発生したより狭いエリアでは、感染による死亡や長期入院により入居施設も含め更に影響を受けています。

コロナ禍の支援策、多くの介護事業所が使用していない状況

昨年から続くコロナ禍で多くの介護事業所で減収が続く中、厚生労働省が展開した事業所への支援策が多くの事業所が活用していない現状が浮き彫りとなりました。

介護職への慰労金

介護職への慰労金は、制度も浸透し、職員の処遇に直接関わることや退職者にも支給されたことから、全体の90.1%の事業者が申請していました。

事業者によっては職員から支払い時期を催促され、事務手続きを早めざる得ない状況もうかがえます。

かかり増し経費”の助成申請は半数以下

その一方で、同じく2次補正の”かかり増し経費”の助成(緊急包括支援事業の感染症対策徹底支援事業)については、申請した事業所は47.8%。全体の半数以下に留まっています。

いこのほか、「知っているが申請していない」が29.5%、「知らない」が13.2%、「無回答」が9.4%となっている。

また、厚労省が累次の通知で容認してきた介護報酬や運営基準などの各種特例については、適用した事業所が22.5%のみ。「知っているが適用していない」が58.5%を占めていた。「知らない」は12.7%、「無回答」は6.2%だった。

感染多数地域では感染対策物資の不足やクラスター発生時の割り増し経費等収益減と経費増大の二重苦であるにも関わらず、かかり増し経費の助成等活用していない事業所が多いことに驚きました。

勿論、申請等事務処理には時間がかかりますが、長期の事業運営を考えたときに感染対策やICTを活用した職場環境改善による事業所間格差が更に開いたように感じます。

このブログでおすすめ本として紹介した「超」入門 失敗の本質 で日本海軍は当時アメリカよりも優れたレーダー技術があったにも関わらず、活用されない事例が紹介されています。

分からない技術を受け入れない組織体制により、取付けられたレーダーを外した日本海軍に対し、分らない科学技術を寛容に取り入れ活用したアメリカ海軍に大敗した事例が記載されています。

大手介護施設やICT活用が必須と考える事業者とそのことに疎い事業者では新たにICTを導入することに大きな差が見受けられました。

コロナ禍でオンラインミーティングや職員面談・家族面会等どの問に関しても実施が50%を下回っている現状を鑑みると、事業所間格差は更に広がる結果となることを危惧します。

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