このブログでは「介護役立つ情報」を紹介します。
今回は認知症に関する新薬や家族ロボットについて紹介します。
アルツハイマー型認知症治療薬 世界初進行抑制型
この度、米食品医薬品局(FDA)は7日、エーザイと米バイオジェンが共同で開発するアルツハイマー型認知症治療薬候補について、承認申請を認める発表をしました。
従来の認知症薬とは異なり、認知機能の低下を長期的に抑制する機能を持つとして世界で初めて承認されました。
新薬の登場で、認知症の治療が大きく変わる可能性があり、米当局がアルツハイマー型認知症の治療薬を承認するのは18年ぶりです。
この度のコロナのパンデミックに対して、収束への光をもたらしたのは、史上最速で開発に成功したワクチンでした。
このワクチンによって初めて実用化されたメッセンジャーRNA(mRNA)の技術は、医薬品製造の歴史をこれから大きく書き換える可能性を秘めています。
コロナワクチンの様に新薬開発はデータとテクノロジーで飛躍的スピードで開発されています。
長く認知症ケアで家族や介護者が本人の想いに寄り添いながらケアをしてきましたが、日本における認知症ケアの在り方も大きく変化していくと思います。
FDAが設置した外部の専門家による諮問委員会からは昨年11月に有効性に対して否定的な見解が出ていたが、当局は承認に踏み切った。
FDAが承認した「アデュカヌマブ」は、アルツハイマー型認知症の原因物質とされるたんぱく質「アミロイドベータ」を除去する効果があるとされる。
米バイオジェンが2020年にFDAに承認申請をしていた。国内ではエーザイが20年12月に厚生労働省へ承認申請している。
エーザイは日本と、中国・韓国を除くアジアでの販売を担い、対象地域の収入の全てと利益の8割を獲得する。
米国と欧州ではバイオジェンが販売を担った利益について、それぞれ45%、31.5%がエーザイに入る。
今回の承認申請は優先審査指定を受け、通常の審査過程に比べて短期間での承認になった。
実際に販売されたのち、別途、検証試験を実施する必要がある。
FDAは「仮に臨床の効果の確認がなされなかった場合、新薬の承認を取り消す可能性がある」とコメントした。
バイオジェンのミシェル・ヴォナッソス最高経営責任者(CEO)は同日の声明で「アデュカヌマブの承認は、アルツハイマー型認知症との闘いにおいて重要な転換点となる。患者の治療法を根本的に変える可能性を秘めている」と述べた。
米メディアも歴史的な承認を大きく報じた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルやニューヨーク・タイムズは「FDAが18年ぶりにアルツハイマー治療薬を承認」と、トップニュースとして扱った。
米アルツハイマー協会も承認を歓迎する声明を出しており、ハリー・ジョンズCEOは「アルツハイマーを患う人々とその家族にとっての勝利だ」と述べた。
エーザイは認知症領域に経営資源を集中してきた。1997年に認知症薬「アリセプト」を開発。米ジョンソン・エンド・ジョンソンなどのメガファーマに先行した。ただ、アリセプトは認知機能を一時的に改善する対症療法にとどまり投与可能期間も短いことから、症状の悪化を長期的に抑制する治療薬開発に積極投資してきた。
エーザイが開発中の認知症薬候補はほかに「レカネマブ」がある。現在は米国、欧州、日本などで国際共同治験をしており22年度中にも承認申請をするとしている。
日経新聞 抜粋
家族型ロボット「LOVOT」認知機能維持効果
今回紹介する「LOVOT」は元々は人間の業務を自動化したり危険な作業を代替してくれるものではない。あえて言えば、“役に立たない”ロボットです。
GROOVE X 打表林要氏は取材で「人の精神をどう癒やすのかという点では、テクノロジーの活用が意外にも進んでいない。LOVOTがその1つの解になったのでは」と話しています。
昔からペットには癒やしの力がありましたが、命あるものなので、亡くなった時の喪失感を大きく特に高齢者の喪失感ははかりしれません。
ラボットは家族型ロボットとして開発されていて、部品を切らすことなく長く家族として過ごせれる様に考えられています。
実証実験について
GROOVE Xは東京都から支援を受け、2021年1月から東北大学 瀧靖之教授による学術指導のもと、⾼齢者の認知機能の維持や、小学校低学年の子どもとその親の主観的幸福度向上へ『LOVOT』(ラボット)が貢献することをめざし、実証実験を行っています。
以下は実証実験結果の発表です。
実証実験では健常高齢者、小学校低学年の小児とその親を対象に『LOVOT』と過ごしてもらい、認知機能維持や主観的幸福度に繋がっているかを検証、予防医療などの可能性を探る。
具体的には健常高齢者に対し、東北大学 瀧靖之教授による学術指導のもと「認知機能テスト」(記憶力・実行機能など)、「⼼理テスト」(主観的幸福度、ストレスレベル、⾃⼰肯定感など)を介⼊前後で実施し、介⼊群と⾮介⼊群で統計検定を行う予定。
また、家庭における小学校低学年の子どもとその親に対しては「⼼理テスト」(共感性や知的好奇⼼など)を介⼊前後で実施し、介⼊群と⾮介⼊群で統計検定を⾏っていく。
実証実験ではGROOVE Xの「人間とロボットの信頼関係を築き、生活を潤いと安心で満たす存在をつくる」というビジョンに則り、ヘルスケア分野への貢献を目指す。
東北大学 瀧靖之教授のコメント私は長年、脳の発達や脳をいかに健康に保つかを研究してまいりました。研究を通し、脳の健康を保つ上で、運動や会話に加え、日々「楽しい、幸せ」と感じることが重要であることがわかりました。
今回の実証実験では、ペットのようなロボットである『LOVOT』と被験者が一緒に暮らすことで、主観的幸福度や認知症予防に効果がある、という可能性を探るべく実証実験を監修してまいります。
GROOVE X 代表取締役 林要氏のコメント
日本発のテクノロジーである『LOVOT』は、教育・シニア領域で活用できる素養があると考えてまいりました。
この機会を活かし、高齢者やお子様・そのご両親の生活への効果を検証し、コロナ禍で不安感が強まる中、生活に潤いを与えるような存在にしていきたいと考えています。
ロボスタ掲載抜粋
まとめ
ICTやAI、ロボット等は使用される本人にとって生活の質が向上出来るものでなくてはなりません。
今回は認知症ケアをテーマに新薬とロボットが癒やしになる事例を紹介しました。
認知症の症状には、「中核症状」と、「BPSD(行動・心理症状)」があります。
BPSDは、周辺症状と呼ばれることがあり、中核症状に付随して発生する二次的な症状を指しており本人の行動や心理状態によって現れる症状のことを言います。
本人の性格や生活環境をはじめ、接している人との関係などによって症状の現れ方が異なるので、個人差が大きく出ます。
BPSDの場合は一般的に、介護者の心的疲労や、身体的疲労につながりやすくなります。
例えば、BPSDの物盗られ妄想で、盗んでいない財布や通帳を盗られた、と認知症の人に言われると、家族はショックを受ける状態などです。
本人に落ち着いてもらうこと、財布や通帳を探すことは、もちろん身体的な負担になってきます。
このように、BPSDは介護負担が大きいからこそ、対応策を知っておくことが大切です。
家族だけでなく、介護サービスの利用や家族ロボットで癒やれることもひとつの方法かも知れません。
日本で一番多い人口割合で皆が通る将来の生活が新薬やロボット等の活用で明るい未来となることは喜ばしい事です。
コメント
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[…] 家族型ロボット「LOVOT」についはこのブログでも紹介しました。 […]
[…] 「介護情報 認知症ケアに朗報 新薬開発 LAVOT」 […]