介護 コロナ禍で通い系サービス初の減少

このブログでは「介護役立情報」を紹介します。

厚生労働省は11月2日に令和2年度介護給付費等実態統計の概況を発表しました。

介護サービス全体の明暗について振り返ります。

目次

通い系サービスが介護保険制度創設以後初の減少

厚生労働省の令和2年度給付費等実態統計(令和2年5月審査分~令和3年4月審査分)によるとデイサービス(*)の費用額は、1兆6953億円だった前年度より21億円少ない1兆6932億円でした。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で利用者が減り、制度創設以来初めて減少に転じました。

* 便宜上ここでは全体数の多い通所介護と地域密着型通所介護のみで認知症対応型通所介護等は省いてます。

利用者減の要因は、クラスターが発生しサービスが継続できない仕方のない要因や利用者自らが感染を恐れて利用中止をされる正当な事由もあります。

上記以外にも、事業者都合や過度な行政要請による利用減も多く含まれています。

【利用減の主な理由】

  • サービス付き高齢者住宅等事業者の都合で外部デイサービス利用を全面中止(厚労省の通知後は家族要請と外部には発信)の事例。
  • クラスターが発生した地域において、クラスター発生事業所の感染リスクのない利用者が他事業者のサービス利用を断られる事例。
  • 感染拡大地域で複数のデイサービスを利用されている利用者に対して、居宅を通じ行政が1事業所のデイサービスを利用する要請等。

少し例をあげると、支援先の地域で大規模なクラスターが発生しました。

その地域の特別養護老人ホームでもクラスターが発生し、多くの職員も感染し、併設のデイサービスが臨時で閉鎖されました。

その際、地域の複数のデイサービスは利用定員の枠に余裕があるにも関わらず、その特養の併設デイサービス利用者の受け入れを拒びました。

その事でデイサービス閉鎖期間何もサービスを利用せず自宅で過ごさたり、最低限の訪問介護で対応されている状況を聞きました。

その時、以前の支援先デイサービスから臨時的受け入れの相談を受けました。

まずは、保健所の見解を確認したところ、その特養のデイサービス利用者は濃厚接触者に該当しないとの見解でした。

元支援先のデイサービスには、介護職として原点に戻りデイの基本方針・目的に沿って定員枠に余裕があるのであれば、臨時的な受け入れで検討されることを助言しました。

以下は国の通所介護の指針です。

通所介護(デイサービス)とは、要介護状態となった場合においても、利用者が可能な限り利用者の居宅において、持っている能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し、必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の社会的孤立感の解消及び心身の機能の維持並びに利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図る目的で提供されるサービスのことです。

厚労省基本方針

介護保険サービスにおける在宅サービスは地域包括支援センターを中心に多くの事業者が連携することによって成り立っています。

今回のコロナ禍において、緊急事態宣言が発出されたりクラスターが発生した場合に国が示す対策以上に過度に反応される事業者が多くあります。

危機における事業者の姿勢でデイサービスの重要な役割である機能訓練が拒否され、前回紹介したような、フレイル状態の増加や要介護状態の進行があってはならないと肝に銘じたいものです。

通所介護(デイサービス)イメージ

ショートステイ(短期入所介護系サービス)も大幅に減少

通所系に近い短期入所生活介護も通所介護の減少率よりも更に減少率が高いサービスとなりました。

感染拡大時期には、新規受け入れの拒否やレスパイトにおける定期利用の中止なども要因のひとつ思われます。

訪問系サービスが増大

大勢の人が交流するデイサービスやショートステイの利用が減少する中か訪問介護や訪問入浴サービスの利用が増大しています。

感染拡大地域においてデイサービスやショートステイの利用を中止されていても自宅サービスを受ける 訪問介護や訪問入浴サービスは必要です。

訪問入浴においては受給者数ベースで前年対比11.9%も増えていますが絶対数がデイサービスと比較とする少ない為一時凌ぎで利用されたと思われます。

厚労省は訪問系サービスの利用が逼迫した際、デイサービス利用予定者の自宅でデイ職員がサービスを提供する代替方針を示しました。

自宅環境での入浴等が困難な為、デイサービスでの訓練を含め入浴されている方へヘルパー経験のない職員が行うリスクは高くあまり機能しませんでした。

今回の感染症による混乱を教訓にデジタルデバイドの高齢者問題と対策が急務です。

従来のフィットネスクラブやトレーニングジムが、新型コロナウィルスの感染拡大でピンチに陥っている一方、同じトレーニング関連の事業者で、勢いよく業績を伸ばしているところもある。

ライブ配信や動画コンテンツにより、自宅でできるフィットネスサービスの需要が伸びています。

高齢者もライブ配信や動画コンテンツが活用できるようになればフレイル予防に繋がるように思います 。

にほんブログ村 介護ブログ 高齢者福祉・介護へ
にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (1件)

コメントする

目次