介護施設 クレーム対策(送迎編)

このブログでは「介護役立情報」を紹介します。

今回は介護サービス提供において多い苦情内容を紹介します。

デイサービスなど通い系のサービスにおける苦情の上位には必ず送迎に関する苦情があります。

直接サービスを受ける利用者とその家族と唯一定期的に接する機会が送迎時です。

このブログで「介護 仕事 送迎ドライバー」について紹介しましたが、何らかの介護が必要な方の送迎業務の為、事業者は送迎ドライバーの採用には細心の注意が必要です。

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目次

よくあるデイサービスの送迎苦情事例

全国の苦情受付情報の中からよくある苦情事例を紹介します。

送迎車両乗降時の対応

デイサービスの送迎職員が利用者を雑に扱っている。

「こうやって、あーやって」と態度が大
きく、言い方も威張っているように感じる。優しい職員もいるが全体として指導をしてほしい。

送迎車両乗降時駐車に関する苦情

  • デイサービスの送迎で、ご利用者宅の横にある駐車場の前に車を停車し送迎を行った。駐車場を契約されている方から、「以前にもデイサービスの車が駐車場の前に止まっており、駐車場から車が出せない時があり、交通機関に乗り遅れそうになって困ったことがあるんです」と苦情申出があった。
  • 駐車時に門柱に接触し、外壁を傷つけられた。

運転マナーに関する苦情

送迎に関する苦情で一番多い事例は運転マナーに関する事例です。

  • 朝の迎えの際に、住宅地で歩行者の親子と送迎車が接触しそうになりました。運転する大型車が、利用者を乗せた後、バックする際に歩行者に気づかなかったことが原因。
  • 送迎車両が狭い路地より急に一旦停止なく飛び出してきて車両同士接触しそうになった。
  • 狭い生活圏の道路で車両を行きかう際、車が行きかう事が出来ない場所で停車し、運転手に不機嫌そうににらまれた。

有効な対策

継続的な研修

送迎中の事故や苦情は年々増加傾向にあります。福祉サービス業としては、ケアに関する研修を重視しがちですが、福祉車輌の送迎に特化した研修を継続的に行う必要があります。

以下の様な内容での研修と自社のマニュアル作りが必要です。

  • 車いす利用者の方への正しいシートベルの掛け方はあってますか?
  • 車いすの固定がゆるくなった場合はどう対処しますか?
  • リフトが動かなくなった時の対処法は?
  • 福祉車輌の正しいメンテナンスとは?
  • 車両の擦り傷をなくす方法は?
  • 事故が起こった時の対処方法は?

自社で研修システム構築が難しい場合は外部の研修の受講者や講師を招く方法もあります。

また、各車両にドライブレコーダーを設置し、定期的な運転状況の確認が有効です。

事故や苦情申出の状況を検証する際にもドライブレコーダーは有効です。

専属ドライバーの高齢化による課題

送迎専属ドライバーを採用する際、現役から退いた方の応募が多くあります。

持病がある高齢者をドライバーとして雇用する際事故回避に健康診断と業務前点呼だけでは安全管理としては不十分となってきています。

2018年6月に国土交通省は、バスドライバーで相次ぐ「健康起因事故」を防止するために以下のような通達を出しました。

平成30年6月3日、富山県の東海北陸道を走行中のバスの運転者が意識を失ったことにより、当該バスがセンターポールを倒して対向車線の側壁に接触し、異変に気づいた乗客数名がハンドルとブレーキを操作することによりバスを停車させた事故が発生しました。

 また、6月1日にも、東京都の上野公園横の道路を走行中のバスの運転者が意識を失ったことにより当該バスが側壁に衝突する事故が発生しました。これらの事故の原因については調査中ですが、事業用自動車の運転者が疾病により運転を継続できなくなる事故については、毎年多く発生しており、国土交通省としては、自動車運送事業者に対して、法令に基づく運転者の健康診断の実施を始めとした運転者に対する健康管理を適切に行っていただくため、次の手引き書を策定し、運転者の健康起因事故防止のための取組を行っていただくことを推奨しています。

 このマニュアル等による運転者の健康管理を適切に実施していただきますようお願いいたします。


・「事業用自動車の運転者の健康管理マニュアル」

  (平成22年7月策定、平成26年4月改訂)

・「自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル」

  (平成15年6月策定、平成19年6月及び平成27年8月改訂)

・「自動車運送事業者における脳血管疾患対策ガイドライン」

  (平成30年2月策定)

事業用自動車の健康起因事故の防止に向けた健康管理の実施について

この中で特に重要な取り組みは「乗務前点呼による乗務判断」です。

乗務前点呼時の健康チェックを参考に送迎ドライバーの年齢に応じて自社で健康チェック表を作成してみてはいかがでしょうか。

まとめ

世の中の閉塞感とSNSで発達で誰でも気軽に発信できる便利さと、わずかな運営の気のゆるみで大きな事故や苦情に繋がる可能性が送迎業務にはあります。

ケア人材も不足する中、専門業務として採用した送迎専属ドライバーによる事故や苦情が多くなっています。

いいケアで評判の事業所であったとしても、地域と一番接する送迎業務で評判を落としてしまう可能性をひめています。

本日のブログ内容が送迎業務で悩まれている事業所のお役に立てれば幸いです。

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