SDGsには17の大きな目標があり、それぞれに平均10個ずつくらい同じようなターゲットが存在し、合計で169個あるので169のターゲットと言われています。
17の目標と169のターゲットについて子供にも理解しやすいようにまとめて、ぞれのターゲットについて考えていきたいと思います。
今回はSDGsの紹介で何度か紹介しましたESG投資について紹介します。
ESG投資とは
SDGSが目指す開発目標は官民連携として企業の果たす役割は大きいものです。
企業が発展していく為に永続的な利益を上げていく上で、投資による資金調達や消費者の消費マインドに抗えません。
本日は日経新聞の「親子スクール・ニュースイチ」の「ESGt投資って何?」を参考に紹介します。
この記事は中学生の弟に姉が説明する形式を取っていますので、大人でも日頃から経済ニュースに慣れ親しんでいなくても理解できる形式をとっていますので、その内容を参考に紹介します。
企業が新製品を作ったり、新技術を開発したりするためにはお金が必要で、企業は投資家や銀行等からお金を調達します。
投資家としては、投資先としてこれまでは短期的に利益が出る企業が有望で投資先に選ばれていました。
このような従来の考え方に対し、新しい投資先の選び方が登場しました。
商品やサービスが長期的に環境や社会課題の解決につながる企業が有望という考え方でSDGsに通じる価値観です。
利益を度外視しているわけではなくて、短期で資金回収するのではなく長期で長い利益を生む考え方です。
この投資手法のひとつがESG投資といい、ESGの各要素に気を配る経営手法をESG経営と呼びます。
ESGとはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字です。
環境は例えば気候変動、社会は人権問題など。企業統治は課題に対して、どう経営するか経営者の能力や企業の合意形成のあり方などです。
ESG経営の実例
環境に配慮した企業の例に、プラスチック製ストローの廃止を決めた米スターバックスがあります。
プラスチックは分解されづらく、海洋汚染問題が注目され、海の生き物への影響はもちろん、魚介類を食べる人間への影響も懸念されています。
自動車メーカーはガソリン車から電気自動車にシフトする動きがあります。再生可能エネルギーで発電した電力を生かす電気自動車は環境に優しいという考えに基づいた戦略です。
但し、環境に優しい=電気自動車に対して、ハイブリットエンジンで世界を席巻したトヨタ自動車等は電気を作る過程での環境負荷を考えた場合トータル的な環境負荷ではハイブリットエンジンが優位という姿勢でした。
エンジン車には電気自動車と比較し、多くの部品が必要で、自動車業界のサプライチェーンは多くの雇用を生んで来ました。
日本の自動車エンジン技術や雇用を守ること世界の脱炭素の流れに新しい水素エンジン技術等イノベーションを迫られています。
ESGが注目される理由
今、ESG投資が注目されている背景のひとつに2008年のリーマン・ショックがあります。
この出来事が発端で世界的に経済が落ち込んだ反省もあり、短期的投資から、持続可能な成長のためにリスクとなることに企業も投資家も目を向けるきっかけとなりました。
隠れたリスクとして注目されたのがESGでした。
ESGという言葉が確立されたのは2006年です。投資家に対しESGに配慮する投資を求める国連の「責任投資原則(PRI)」が2006年に発足したのが一つのきっかけとなっています。
「責任投資原則」は当初、わずか50団体の署名で始まり、3000超の署名が集まっています。
環境や社会リスクについて、気候変動が引き起こす影響が多くあります。
災害によって物流が途絶えてたり、店や工場が壊れたり、甚大な損害が生じます。
また、現在も起こっている感染症がまん延するリスクも未開の地に踏み込むことにより発生している可能性も高くあります。
感染症は、人々の健康が脅かされる上に、2020年の世界経済は大打撃を受け、現在も続いています。
世界的な感染症の流行を防ぐためにも、気候変動を止める必要があります。
社会リスクの例では、劣悪な労働状況などが挙げられます。もし労働者の人権が無視した経営が続けられることで、ボイコットや内紛の可能性があります。
暴動が起きた場合、情報統制されていない国においてはまたたくまにネットを介し情報が拡散され、企業のイメージダウンのリスクは計り知れません。
このあたりはSDGsでも紹介しましたフェアトレードにも繋がり、消費者も産地で搾取されていない商品を選択する意志表面が可能となります。
SDGsとESG投資どちらも環境や社会課題に取り組む点では共通の価値観は多くあります。
但しSDGsの達成のためにESGがあるのではなく、あくまでESG投資は企業の持続的成長のために環境や社会課題に取り組む姿勢です。
SDGsは2015年に国連で採択されていますので、ESG投資が先に生まれています。
どちらもアメリカGAFA中心のイデオロギーや中国の進める一帯一路戦略とは一線を画するヨーロッパ資本主義の根底にある循環経済のイデオロギーに影響を受けています。
詳しくは「2030年の世界地図」を参考にされると理解が進むように思われます。
日本のESG投資の状況
日本のESG投資は欧州と比較するとから10年以上遅れているのが現状です。日本でESG投資が本格化したのは2018年ごろからです。
出遅れた理由は、利益の増加と社会や環境の改善が両立できないという考えの根強さが原因と考えられます。
また、長くデフレが続いた日本では、物を安く買うことに慣れコスパを意識した消費者ニーズが強い要因がるようにも思います。
物価が安いことがいいこという消費者ニーズに企業が応える形で遅れた感もある気がします。
その結果、紹介本「安いニッポン価格が示す停滞」 で紹介したように、あらゆところで日本が買い叩けれる弊害が起きています。
ESGを実践している企業を応援しする消費者意識もまだまだ世界に比べて意識が低いことは「SDGsに関する生活調査」や「ソーシャルグッド意識調査」数字にもあらわれています。
調査対象国は、日本・イギリス・アメリカ・中国・インドの5カ国です。
調査項目から各国とも企業のソーシャルグッド活動においては、共感する層が多い内容でしたが、自ら購入する場合の項目について日本は他国に比べ低い状況です。
・「社会をよくする企業・ブランドの商品を購入する」は対象5カ国の平均が73%であるのに対して日本は51%
・「環境負荷の低い商品や、フェアトレード商品は多少高くても選ぶ」は同平均66%に対して39%
電通総研が2020年12月に「ソーシャルグッド意識調査」
少しずつですがエコラベルがついた持参等持続可能な製品を積極的を選ぶことやエコバック持参等が進んでいます。
資本を必要とする企業活動をESG投資が変えつつあります。日本政府も持続可能な社会を構築する「Society5.0」のスローガンのもと、官民学を一体とした成長戦略を進めています。
菅政権においては『2050年カーボンニュートラル(温暖化ガス実質ゼロ)』を国際公約に掲げ、明確な目標を示しました。
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