SDGs 食品ロス 6割減らせば物価高を吸収

SDGsには17の大きな目標があり、それぞれに平均10個ずつくらい同じようなターゲットが存在し、合計で169個あるので169のターゲットと言われています。

今回は、ウクライナ侵攻や円安で続く食品の値上げについて食品ロスを6割減らせば吸収できる記事について紹介します。

食品ロス解消に関する記事

目次

消費者物価上昇率

食料品をめぐっては最近、相次ぐ値上げが家計を直撃する。帝国データバンクによる食品メーカー105社を対象にした8月末時点の調査では、2022年中に約2万品目の価格が上がる。値上げ率は平均で14%という。

総務省が発表した7月の消費者物価指数は生鮮食品を除く総合で、前年同月から2.4%上がった。4カ月連続で2%を超えた。生鮮食品を除く食料だけを見ると3.7%と、物価高が加速している。上昇率が40.3%の食用油や、12.6%の食パンなどが目立つ。

食品ロスは、どれくらい発生しているの?

食品ロスとは、本来食べられるにも関わらず捨てられてしまう食べ物のことです。
日本では令和2年度に、約522万トンの食品ロス(家庭から約247万トン、事業者から約275万トン)が発生したと推計されています。

環境省 参照

日本全体で食品ロスは令和2年度に約522万トンであり、国民1人あたりで年間約41キログラムに相当します。

食品ロスを減らして、物価上昇による家計の負担を和らげられないか。興味深いデータがあります。

日本総合研究所によると、消費者物価指数の予測をもとにした試算で、令和4年度の1世帯あたりの食料品への支出は前年度から約3万6000円増える見通しです。

京都市が推計した年間5万6000円(19年度)という世帯あたりの食品ロスの金額と照らし合わせると、ロスを6割ほど減らせば、価格高を相殺できるという数字を導くことができます。

省エネはオイルショックや東日本大震災といった危機の際に、急速に進みました。

食品ロス削減の契機としたい。

食料自給率過去最低

農林水産省は5日、2021年度の食料自給率を発表した。カロリーベースの自給率は38%で前年の37%から微増した。

生産額ベースの自給率は63%(前年比4ポイント減)で、過去最低となった。

カロリーベースの食料自給率は1965年度に73%あったが、「食の洋風化」などの影響で下がり続け、過去10年ほどは30%台後半で推移している。

20年度はコロナ禍の影響で外食向けのコメ需要が減るなどして過去最低だった。

21年度は外食需要の回復でコメの消費が増えたほか、国内生産が増えた小麦の自給率が上がったことなどが影響した。生産額ベースの自給率は、輸入した食料が値上がりした一方で国産のコメや野菜が値下がりしたことで、過去最低となった。

朝日新聞 8月5日記事

この数字は2021年度のものですが、今年に入ってからの世界の小麦生産量の上位2国であるロシアとウクライナの戦争で小麦の輸出に支障をきたしています。

食品ロスも大きな課題で解決していかなければなりませんが、食料自給率を上げる事や品質の高い日本の農産物を輸出し、外貨を稼ぐ政策も進めていく必要があります。

日本の農林水産省が2月4日に公表した「農林水産物輸出入情報」によると、財務省貿易統計に基づく2021年の農林水産物・食品輸出額(確報値)は、前年比25.6%増の1兆2,385億円(少額貨物輸出額756億円を含む)となった。

2006年に政府が年間輸出額1兆円を目標と定めて以降、初めて1兆円を突破した。

輸出額上位3品目は、1位がアルコール飲料(1,147億円、前年比61.4%増)、2位はホタテ貝(639億円、2.04倍)、3位は牛肉(くず肉を含む)(537億円、85.9%増)となった。

国税庁によると、日本産酒類の輸出金額は10年連続で過去最高を更新しており、ウイスキーおよび清酒が、それぞれ462億円(70.2%増)、402億円(66.4%増)だった。

主な輸出先の中国や米国の外食需要が回復したことに加えて、家庭内需要やEC(電子商取引)販売が増加したことも要因とみられる。

また、ウイスキーは、世界的な知名度の高まりにともない単価が上昇傾向にあることが、輸出額の拡大に貢献している。

ビジネス短信 参照

 

世界の農産物・食料品 輸出額 国別ランキング オランダを見習う

世界の農産物・食料品 輸出額 国別ランキングによると、国土面積が広大な1位のアメリカ、3位のブラジルの間の2位にオランダが位置しています。

オランダの農林水産概況

1.農林水産業の概要

(1)農林水産業の概況

○ 人口は、1,706万人(2018年)。

○ ライン川下流の低湿地帯に位置し、国土の4分の1が海面より低い干拓地。北海に面する北西側の海岸線では、ポルダーと呼ばれる人工の平坦で肥沃な土地が形成されている。

○ 農産物輸出額はアメリカに次ぐ世界第2位。ライン川河口部のロッテルダム港を通じた世界各国への海上輸送が発展しており、加工貿易や中継貿易が盛ん。

○ 限られた農地を有効活用するため、高収量品種の育種や多収技術の開発、農作業の機械化や資材規格の統一等による生産コスト削減に努めており、資本・労働集約型の施設園芸や酪農・畜産による高収益作物の生産の特化が進んでいる。

施設園芸では、トマト、パプリカ、キュウリ、花き等を生産。

○ 主要農産物は、花き類(チューリップ等)、てん菜、ばれいしょ、玉ねぎ、トマト、キュウリ、パプリカ、生乳、豚肉等。

農林水産省 資料

近年、オランダの施設園芸が世界から注目されている理由は二つあります。

まず、大規模施設での高い生産性です。トマトのハウスは1棟10ha程度、一般的なトップ農家の10a当たり平均収量は日本の3~4倍となる約65t。

さらに、栽培技術の革新によってその収量が年々増加していることが注目に値します。

もうひとつが、農産物の70~75%を輸出していること。今回はオランダの農産物輸出について、トマトを例に紹介します。

オランダの人口と国土面積は、日本の九州とほぼ同じ(表1)。

農家1戸当たりの農地面積は、日本と比べると大規模ですが、欧州の他国からみると小規模です。

オランダは小国ですが、欧州のほぼ中央に位置するため、古くからさまざまな貿易の中心地として発展してきました。

現在、農産物の輸出金額はアメリカに次ぐ世界第2位。その中心を担っているのが施設園芸であり、中でもトマトは重要な品目です。

月間 現代農業

表1 日本とオランダの概要

日本オランダ
人口1億2700万人(10位)1680万人(64位)
国土3780万ha(61位)415万ha(131位)
農地455万ha186万ha
農家1戸当たり農地面積2.8ha25.9ha
農産物輸出額32億ドル(57位)893億ドル(2位)
月間 現代農業

( )内は世界ランキング

オランダの施設園芸の特徴は、自国の気候に適していて、高く売れる品目に特化していることです。

野菜ではトマト、パプリカ、キュウリ、ナス、イチゴの順に作付け面積が大きく、これらで総栽培面積の約80%を占めます。

そしてトマトについてみると、生産面積は約1700haで生産量は約72万t。

つまり、日本の約7分の1の面積で、同量以上の生産をしているわけです(表2)。当然、自国消費ではなく、そのほとんどが輸出用です。

2016年のトマト輸出量は98万t、輸出額9.6億ドルで、こちらも世界第2位となっています。

月間 現代農業

表2 トマト栽培の概要

日本オランダ
栽培面積1万2100ha約1700ha
年間生産量65万3400t72万t
平均収量約6t(熊本県10.1t)約65t
月間 現代農業

日本の数字は「2015年産野菜生産出荷統計」より。露地・雨よけ栽培も含む。長期どりハウス栽培では10a当たり15~20tとる農家も多い

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