SDGs 欧州で再び原子力発電所活用の動き

SDGsには17の大きな目標があり、それぞれに平均10個ずつくらい同じようなターゲットが存在し、合計で169個あるので169のターゲットと言われています。

前回 経済産業省の再生エネの「主力電源化」に向けた転換について紹介しました。

今回は、再生エネルギーの活用が進んでいる欧州で再び原子力発電所の活用の動きがある点について紹介します。

目次

EUタクソノミーで原発を「グリーン電源」に位置づけるか激しい論争

EUタクソノミー については、以下の IDEAS FOR GOOD サイトが分かりやすく説明されています。

EUタクソノミーとは?

EUタクソノミーとは、企業の経済活動が地球環境にとって持続可能であるかどうかを判定し、グリーンな投資を促すEU独自の仕組みのことである。

タクソノミーは「分類」という意味で、持続可能な経済活動に取り組む企業の明確化を目的としている。

気候変動対策と経済成長の両立を目指す「欧州グリーンディール」の中核をなし、分類の具体的なプロセスを定めたタクソノミー規則(Regulation)はEU加盟国全てに適応され、国内法よりも優先される。

IDEAS FOR GOOD サイト抜粋

EUタクソノミーの役割

欧州委員会が2019年末に発表した欧州グリーンディールの目的は、2050年までのカーボンニュートラル達成である。

2030年までの10年間で、およそ1兆ユーロ(120兆円)の資金が必要だが、莫大な投資を公的機関だけでまかなうことは難しい。

民間企業の資金を活用するとしても、投資したお金が実際に持続可能なプロジェクトに対して使われるかどうかは不透明である。

つまり、投資対象の持続可能性を評価したうえで透明性の高い情報を投資家へ提供することで資金を獲得することがEUタクソノミーの役割であり、グリーンウォッシュの排除にも繋がる。

IDEAS FOR GOOD サイト抜粋

日経新聞の記事によると再生えね欧州

欧州で再び原子力発電所を活用する動きが活発になっている。

フランスや英国が主導する。

電力の安定供給を保ちつつ気候変動対策を進める。

欧州連合(EU)域外からの天然資源に依存しない、エネルギー安全保障の観点からも重視している。

東日本大震災から10年を迎えた日本では原発に関する真正面の議論を避け、原発の位置づけは定まらないままだ。

EUのフォンデアライエン委員長は10月に「我々には安定的なエネルギー源である原子力が必要だ」と述べた。

EUは経済活動が環境に配慮しているか判断する基準「EUタクソノミー」で原発を「グリーン電源」に位置づけるか、加盟国間で激しい議論が続く。

マクロン仏大統領は11月、国内で原発の建設を再開すると表明し、英国も大型炉の建設を進める。

両国は次世代の小型炉の開発にも力を入れる。

オランダは12月半ば、総額50億ユーロ(約6500億円)を投じる、原発2基の新設計画をまとめた。

原発回帰の最大の理由は気候変動対策だ。

EUは2030年の排出削減目標を1990年比40%減から55%減に積み増した。

原発は稼働中の二酸化炭素(CO2)の排出がほとんどない。

風力や太陽光と異なり、天候に左右されない。

EUは19年時点で総発電量の26%を原発が占める。

11年の日本の原発事故を受け、EUは原発の安全規制を強化してきた。

17年には原発を安全に運用するには50年までに最大7700億ユーロの投資が必要との文書を作成。

認可基準の擦り合わせや、原子炉の設計標準化などの対応を求めている。

ドイツは他の加盟国と一線を画し、メルケル前政権が22年末までの「脱原発」を掲げる。

新政権もこの方針を堅持するものの、ロシアへの天然ガス依存やガス価格高騰で脱原発方針を延期するよう求める声もある。

日本は原発活用に向けた議論が停滞している。

エネルギー基本計画では、30年度に電源に占める原発比率は20~22%を目標とする。

ただ、達成には再稼働済みの10基に加えて再稼働をめざす17基を動かす必要がある。

日本は長期の戦略を欠く。

9月の自民党総裁選では次世代原発の小型炉などの新増設を進めるべきだとの意見も出たが、政策の変更も含めて活用の是非の議論すら封じる流れは変わっていない。

日本では事故を受けて国民の反発も根強く、政府はより丁寧な説明が求められる。

事故処理や放射性廃棄物の最終処分場も決まっていない。

日本は再生可能エネルギーの導入でも周回遅れだ。

政治が責任を持って議論を主導せずに先送りを続ければ、脱炭素の取り組みは遅れるばかりだ。

日経新聞 記事抜粋

前回も紹介しましたが、日本のエネルギー問題については、NEWS PICSの「エネルギーの選択:原発再稼働VS自然エネルギー」で分かりやすいです。

長期計画においては、自然エネルギーの開発技術蓄電技術・ 送電網投資費用を考えると当面原子力発電を活用しながら、30年スパンの長期的に移行していく結論でした。

まとめ

再生エネの導入拡大は不可欠ですが、現在の技術では火力を絞れば電力会社の採算は悪化する課題も解決していく必要があります。

自然エネルギーは天候に左右され、地域で条件が違うことから日本でも暫定的に原子力発電の活用はやむ得ないと思います。

また、日本の原子力発電所は国産化率が約99%。太陽光発電パネルの85%近くを中国からの輸入に依存しており、エネルギー安全保障上も原発は日本の強みとなります。

海外では主流になりつつある次世代原発の小型炉は、不安定な自然エネルギーの補完としては必要な技術だと思います。

ここは、日経新聞の記事のとおり、国民の反発を受けながらも丁寧に説明しながら、進めていく必要があります。

化石燃料によるCO2排出量の削減技術は進んでいますが、 先の大東亜戦争の主な原因のひとつであったように外国からの天然資源に依存する事は、エネルギー安全保障の観点からも見直しが必要です。

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