SDGsには17の大きな目標があり、それぞれに平均10個ずつくらい同じようなターゲットが存在し、合計で169個あるので169のターゲットと言われています。
今回は、食品メーカー「ドール」すすめるもったいないバナナプロジェクトついて紹介します。
Dole Promise(ドールの約束)
2020年に、ドールはグローバル全体で、SDGsを実現するために何ができるかを具体的な6つの約束に落とし込んだ「Dole Promise(ドールの約束)」を表明しました。
160年以上にわたり、ドールは高品質なフルーツとフルーツ加工食品をお届けし、人と地球と豊かさに良い影響を与えることを使命としてきました。
私たちを支える「三方よし」の精神は、社会と事業の福利は相互依存の関係にあると考え、売り手、買い手、世間の三方に利益をもたらす方法で事業を行うという理念です。
この大きな約束を守るため、私たちは使命にいっそう力を注ぎ、事業のやり方を工夫して戦略的パートナーと連携し、国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDG)」の実現に向けて、今日の世界を未来の世代のためにより良いものに変えるべく取り組んでいます。
ドールの約束 サイト抜粋
Dole Promise(ドールの約束)
- 10億人の人々に良質な栄養を届けることに貢献します。
- フルーツ廃棄物ゼロを目指します。
- 化石資源由来のプラスチック包装の廃止を目指します。
- 事業活動による温室効果ガスの排出実質ゼロを目指します。
- すべてのステークホルダーにとっての共有価値
- 精製糖ゼロ
この6つの約束に沿って、ドールでは、スーパーの店頭に並べる際にバナナを入れる包装を、プラスチックの量を減らした紙ストラップに変える取り組みなどを始めています。
ただ、こういった6つ「約束」に対する試みが消費者に理解すすまない課題も感じていました。
今でもこそスーパーやコンビニのレジ袋が有料となり、海洋プラスチックは、環境汚染に繋がる意識も芽生えと思います。
この事は自らが身銭を切ることなので、意識もしますが、陳列バナナの包装のプラスチックの量を減らした事には気づきにくいものです。
消費者に理解いただいた上で、参加してもらうプロジェクトという発想から、「もったいないバナナプロジェクト」はスタートしました。
もったいないバナナプロジェクト
ドールのバナナは、フィリピンなどの産地から皮が青い状態で日本に輸入しています。
港の近くの施設で黄色になるまで保管して追熟加工してから、青果卸を介して、スーパーやファミリーマートに届いています。
昔社会見学で青果市場で青い状態のバナナを食した記憶がありますがこの追熟加工という工程が食品の消費期限を短くし、食品ロスとなる可能性を高めています。
以下はドール マーケティング部シニアマネージャーの成瀬晶子さんがニュースピックスの取材に答えた記事の内容です。
追熟という工程があるため、バナナは比較的廃棄が多い果物です。
品質的には問題がないけれど、皮に傷がついてしまったり、熟しすぎて茶色になってしまうものが、輸入量に対して1%、年間1000トンほど出ます。
その規格外のバナナは今までは、廃棄されていました。
「もったいないバナナ」はこのバナナをレスキューしようというものです。
通常流通するバナナと同じ青果卸を経由して、賛同くださった企業の店舗などに届けるスキームです。
一部の企業は、追熟している拠点まで取りに来てくださるところもあります。
都内中心にバナナジュースの2企業の賛同をいただき、7店舗でもったいないバナナを使ったバナナジュースを提供しています。
今回あくまで、廃棄バナナをレスキューすることが目的なので、安定供給はお約束できないことを理解いただいています。
それぞれの企業が、もともと調達されていたルートを持っていて、もったいないバナナが少ない時には通常のバナナを仕入れて、バランスをとられています。
味については、より熟しているバナナなので、むしろジュースにしたらおいしいと喜んでいただいています。
まだ取り組み自体を始めたばかりで、試行錯誤の段階なので、バナナの値段は通常より安く提供しています。
コストの洗い出しができた後には、コストに見合う価格で卸すことを、ジューススタンドさんには同意いただいています。
ちゃんと利益が出るビジネススキームを作っていくのが次のステップですね。
ひと昔前だったら「捨てるものなんだから、タダでいいのでは」とお金をいただくこと自体受け入れてもらえなかったと思います。
この1年で急速に人々の意識が変わってきました。
SDGsがメディアやSNSで声高に叫ばれるようになったというのが大きいと思います。
ニュースピックス 記事抜粋
プロジェクトは始まったばかりですが、SDGsの認知も高まり、このよう動きが他の企業にも広まっていく事に期待したいものです。
ドール「もったいないプロジェクト」サイト
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