SDGsの17の目標と169のターゲット
SDGsには17の大きな目標があり、それぞれに平均10個ずつくらい同じようなターゲットが存在し、合計で169個あるので169のターゲットと言われています。
17の目標と169のターゲットについて子供にも理解しやすいようにまとめて、ぞれのターゲットについて考えていきたいと思います。
産業と技術革新の基盤をつくろう
世界では、約36億人の人びとが
インターネットにアクセスできません。
特に開発が遅れている国ぐにでは、81%の人がインターネットを使えません。
出典:「Measuring digital development: Facts and figures 2019」(ITU/ 2019)
目標9のターゲット
9-1 すべての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラを開発する。
9-2 包摂的かつ持続可能な産業化を促進し、2030年までに各国の状況に応じて雇用及びGDPに占める産業セクターの割合を大幅に増加させる。後発開発途上国については同割合を倍増させる。
9-3 特に開発途上国における小規模の製造業その他の企業の、安価な資金貸付などの金融サービスやバリューチェーン及び市場への統合へのアクセスを拡大する。
9-4 2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。すべての国々は各国の能力に応じた取組を行う。
9-5 2030年までにイノベーションを促進させることや100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させ、また官⺠研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとするすべての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる。
達成のため方法
9-a アフリカ諸国、後発開発途上国、内陸開発途上国及び小島嶼開発途上国への金融・テクノロジー・技術の支援強化を通じて、開発途上国における持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラ開発を促進する。
9-b 産業の多様化や商品への付加価値創造などに資する政策環境の確保などを通じて、開発途上国の国内における技術開発、研究及びイノベーションを支援する。
9-c 後発開発途上国において情報通信技術へのアクセスを大幅に向上させ、2020年までに普遍的かつ安価なインターネット・アクセスを提供できるよう図る。
「強靱(レジリエント)なインフラ」とは?
強靭とは?→強くしなやかで粘りあること
レジリエントとは?→「速やかに元の状態に回復する能力・性質」のこと
(引用:J-STAGE https://www.jstage.jst.go.jp/static/pages/JstageOverview/-char/ja)
と定義されていて、決して、壊れない強さのことを指していないことがわかります。
ここでは、自然災害等にあっても、いち早く元の状態に回復できるインフラのことを目標9では「強靱(レジリエント)なインフラ」と伝えています。
日本企業による取り組み
<プノンペンの奇跡(北九州市海外水ビジネス推進協議会)>
かつて、原始回帰の極端な共産主義政策を採ったポル・ポト政権(クメールルージュ)下において、1970年代から続いていたカンボジアの内戦では、電力や上下水道といった基本的なインフラが各地で破壊されたため、内戦の終結後も復旧が遅れた地域がありました。
そこで、日本国として整備を進めたカンボジア水道事業のマスタープランに沿って、1999年に福岡県北九州市の上下水道局が、現地のプノンペン水道公社に、インフラ技術支援を始めました。水道管の敷設だけでなく、その維持方法、さらに「漏水」や「盗水」など緊急時の対処法まで、公社の職員に指導したのです。
内戦終結時(1993年)、カンボジアの首都プノンペンですら、水道普及率は約25%にとどまっていましたが、2010年代には90%を優に超えるようになっています。さらに、蛇口から直接飲むことができる日本クオリティの安全で美味しい水道水の一般化に貢献し、徴収漏れのほとんどない確実な水道料金徴収体系も整いました。
これは「プノンペンの奇跡」と高く評価され、カンボジア政府から北九州市長や同市水道局職員に向けて、正式に友好勲章が贈られています。カンボジア人に親日家が多い状況にも一役買っている事業といえるでしょう。
2010年に発足した「北九州市海外水ビジネス推進協議会」は、北九州ウォーターサービスや西日本鉄道といった現地企業から、三菱電機や明電舎などの全国区の企業まで、約140社から組織されています。カンボジア支援で培った日本の水道技術の海外輸出事業につき、他国を対象にしても本格的に取り組んでいます。
現場で動く建設機械やダンプトラックそれぞれに、GPSなどのモバイル機器端末を搭載し、機器と人の位置関係をリアルタイムで俯瞰することで、進捗管理や危機回避がスムーズに進み、インフラ施工の効率化、ひいては生産性向上に繋げる取り組みも、日立建機をはじめとする企業で行われています。
2018年からは国内向けの技術提供が行われていますが、将来的には海外のインフラ技術支援でも活躍するものと期待されています。
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